僕はコロナウイルスに怯えきっている。きっと今の職場でコロナウイルスに罹ったことを公表したら殺される。居場所が無くなる。

第二波の真っ只中と言われている昨今、勿論感染者が増えていて、青森では帰省した方に対してのヤバめの貼り紙事件も起きている。

友人や職場の人ともコロナの話をする機会が増えているのだけれど、話しているうちに認識の違いが大きすぎて生きることが怖くなってきた。

「エロいことしなけりゃ罹らないんでしょ？」

「こんな時に飲みに行くやつ、馬鹿なの？」

「どーせパチンコ屋か風俗で貰ったんだろ？」

「日頃の行いが悪いんだ」

「うちの街でも出たみたいだよ！もし飲みに行ったりして罹ってたら最悪だね。誰なんだろう。Facebookで探してみよう」

「あの人がコロナになったら、きっとあの人もなるよ。だって不倫してるらしいじゃん」

「コロナになっても絶対言えない。おれは熱出ても黙って職場にくるよ。この職場で一番になったら抹殺される。」

「こんな時に遊ぶ神経が分からない。仕事で罹るならまだしも」

…おい、みんな待ってくれよ。

生きることって、仕事をすることなのか。

遊ぶことは人生の罪なのか。悪なのか。

濃厚接触＝セックスなのか！？

怖いのは分かる、不安なのも分かる。でも他人の生活を制限することも違うし、一つ一つの発言が自分たちの人生の質を落としていることにはならないのか。

普通に生活していても、なる人はなる。どれだけ気をつけていても、確率が0%にはならない。

神経をすり減らしているのは誰もが同じだと思う。息抜きがあってもよくないか？その時にもし、罹患したとしてもゾンビのように扱わないでくれ。

世の中の偏見が、発見を遅らせている。

心ない発言が、検査を躊躇わせている。感染を広げているんじゃないだろうか。

「自分はこんなに我慢している。頑張っている」

そう思って自信があるのはいいことだと思う。でも誰かを責める理由にはならない。

何も知らずにとやかく言うのはよくないよ。それぞれが命も、心も、大切にしていかなきゃ幸せは戻らない。