変わりたい変わりたい詐欺

ぼんやりとテレビを見ていた。大泉洋が46歳だった。

「15年前から東京でお仕事させていただいて」

31歳くらいからか、今の僕と同い年だ。水曜どうでしょうは大泉が学生の頃からスタートしたんだっけ。僕が小学生の頃に、ぼんやりとその姿を見ていた。

窪田正孝が出てきた、1988年生まれだった。

僕と同い年か、恰好良いな。ちょうど良く爽やかで、役に入ればミステリアス。バラエティで喋れば感じも良くて、良い体してる。



え、

ぼんやりと、テレビを見て、もう何年経ったんだ。


窪田正孝にはなれないけれど、ストレッチポールの上に寝転がって体を伸ばしていく。20時からビールを2缶飲んで、酔えないからウイスキーのロックに変えて、ストレッチポールで酔いを回して。何時間経ったんだ。

31歳ってこんな感じなのか。貯金は0だぞ。これで良いのか。


高校生の時、近所のスーパーでバイトをした。一ヶ月で4万くらいもらって、全部使った。

ドラックストア、カラオケ店員、ギャンブル、バーテンダー、夜のお仕事、美容師 etc.

あの4万円以降、ずっとおんなじ繰り返し。いくらもらっても、全部使える。僕の手元にあるものは、平等に0になれる。


(え、今、そんな自分がちょっと愛しいとか思ってない?)

変わりたい変わりたい詐欺じゃん。

ぼんやりとテレビを見てその日暮らし。それで何不自由ないことが、怖くてたまらないんだ。










書いた言葉がお金になるなんて、夢物語だと思っています。僕に夢を見せてください。もっと勘違いさせて、狂わせてください。