すぐに結果を出そうとせず、その時々の面白さを楽しむこと[2021・10~]

緊急事態宣言解除、ということで、行きたい展示を先月より少し増やしました。初日のきょうはあいにく台風と重なってしまったけど、これから人の流れも増えていくのでしょうか。

コロナ禍2年目。1年目は、仕事が突然空白になった時期に「何かやらなくては」との思いに突き動かされ、かねてから構想していた『のはらうた』をモチーフにした詩画集とグッズの制作に取り組む日々が続きました。デザイナーとして他人に奉仕することばかり考えていた自分が、こんな時期にしてようやく、心に秘めてきたもうひとりの作家としての「ぼく」のために働く気になったというか。

逡巡を抱えながらようやく詩画集『ぼくは ぼく』とグッズが完成。早速お披露目をしようと考えたコロナ2年目の1月。緊急事態宣言の影響で出鼻をくじかれ、初めての個展が延期に。その後ご縁をいただき、7月末から8月の第5波開始のタイミングで、グループ展として作品の一部と新作グッズを展示。やっと最初の一歩を踏み出すことができました。そして次の左足をどう前に出すか考えているところ、というのが現状です。

夏の展示の後、空白だった時間にじわじわとデザインの仕事が戻り始めています。イラストレーターとしてデビューした20年前にも直面したように、別の仕事を抱えながら創作活動を続けていくのは大変なこと。とくに時間の作りかたと切り替えかた。ぼくの場合リアルタイムでの作業は少ないのでまだ楽な方だけど、それでも一旦デザイナーのモードに切り替わると、なかなかもうひとりの自分に戻るのが難しい。集中すればするほど、作家としての自分の誇りとかモチベーションを忘れてしまいがちになります。

現状で知名度はゼロに等しい自分が、思い描く活動をどうやって軌道に乗せていくか。大きな波を待つか、小さくとも自分で波を起こしていくか。まだまだ満足には程遠い状態です。

昨日(9/30放送)の「おかえりモネ」で、気仙沼に帰ったモネが、東京で学んだ気象予報の仕事でなんとか地元に貢献しようと試みるも、なかなか受け入れてもらえない場面に、自分を重ねて見ていました。これからやろうとしていることが人々の役に立つものなのか、わからない。それでも菅波先生曰く「続けるしかない」のだと。続けることで、人々の反応をきっかけに新しいヒントが生まれてくる。「自分がいなかった時間を埋めるのはしんどいけど、案外面白い」とも。すぐに結果を出そうとせず、その時々の面白さを楽しむのが得策かなと、いまは思ってます。

https://www.cinnamon.buzz/
 

デザインの仕事を始めてから最近までの仕事をまとめたポートフォリオ。総合版と子どもの仕事版の2冊を公開しました。自分としては両方に特に違いを設けずにやっていきたいと思っています。よろしければご覧ください。

>>下山ワタル DESIGN ARCHIVE/for Kids
 
>>これから行くかもしれない展覧会[2021・9~]

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