見出し画像

富山孝一・高田谷将宏展@魯山

かっこいい焼物のうつわ、かっこいい木のうつわを探しているなら、3月30日まで開かれている西荻窪・魯山の二人展がおすすめです。

富山孝一(とみやまこういち)さんは木工の作家。高田谷将宏(たかたやまさひろ)さんは陶芸の作家。魯山では毎年このお二人で展示をされています。

どちらの方も陶芸名手・村木雄児さんと交流のある若手。高田谷さんはその薫陶を直接取り込んでいるのか、素晴らしい焼味をした焼物を作ることで注目されています。

作陶の地を常滑へ移され、今回は新しい風合の作品も出ていました。その新作手でも特に目をひくのは、黄色味を帯びた粉引です。

白に近い色もあれば、山吹色のような色もあります。白い粉引よりも温かみがずっとあり、また他の色の焼物にも合わせやすい色です。
高台の削りもとてもよく仕上がっています。

同系統の色合いのこの片口は、よりマットで、鉄粉の黒点も出ていて、じんわりとした味わい深さがあります。

この片口もそうですが高田谷さんの作品は、造形も大変きれいです。

上手さの伝わる端正さですが、ほんの少しゆとりも感じることができます。

木工の富山さんは、ナチュラル系になりがちな無垢の素材も、手の込んだ塗りと伝統的な形に縛られがちな漆器も、どちらもかっこよく仕上げてしまうセンスを持っています。

この板は、オードブルの皿にすると料理がとても映えそうです。刺身も粋です。漆が塗られているので油の多い肉料理でものせられます。
今の生活の中で使う木のうつわとして、富山さんのうつわは、デザイン性が有りながら使い勝手も良し。実際に使ってみることで一番その良さが実感できます。

富山さんは工夫によってかっこいい作品ができればよしとされていて、その味を出すために工程を簡略化しているところもあります。おかげで価格も比較的抑えられています。ぜひ実際に見てみて、普段と少し違ったうつわや盆を手に入れてみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?