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日本を色眼鏡で見て欲しい

おはようございます。インバウンド(訪日)メディアMATCHA(https://matcha-jp.com/jp/)の植松です。

今日は、日本のことを見るいくつもの色眼鏡を作っていきたい、という話をします。

以前の投稿で、「編集とは世界の価値を濃密にする仕事」「インバウンドメディアを通じて、海外の方に日本の新しい魅力を感じてもらいたい」という話をしました。

それでは新しい魅力を感じてもらうとはどういう作業で、どうなってもらうのがよいのでしょう。「歴史」を例に考えを進めて行きます。


訪日客が日本の歴史を楽しむには?

僕のMATCHAでの個人的な大きな目標のひとつに「日本史を訪日客にとっての大きなコンテンツにする」というものがあります。

僕は昔から日本の歴史が好きでした。日本の歴史にはドラマがあり、時代ごとの色があり、1本の大きな流れがあり、世界各国の歴史と比較しても、かなりコンテンツとして優良なほうだと思っています。

だから日本人以外の方にも、そんな日本の歴史を楽しんで欲しい。でもそのためには越えなければいけない「知識の壁」があります。


MATCHAが知識のギャップを埋める

例えば日本人なら「ああこの人は織田信長に殺されたのね」と思えることも、海外の方にはまず「織田信長って誰か」を知ってもらう必要があります。「この建物は平安時代からあるのか〜」と感心してもらうには、平安時代がいつごろで、どんな特徴の時代なのかを説明しなければいけません。

同じものを見て、同じ説明を聞いても、それをどう理解するかは前提となる知識にかかっています。

日本の歴史を日本人と同じように楽しむには、知識のギャップを埋める必要があるのです。MATCHAはまず、そのようなギャップを埋めるメディアになりたいと思っています。


歴史を楽しむ「目」を作る

もちろん現在でも、たくさんの訪日客の方が全国の城や寺社仏閣を訪れています。でも、その多くは掲示されている案内板を呼んだり、城や神社などの建築の中で日本的な雰囲気を感じることで現地の歴史コンテンツを消費しています(日本人も似たようなものかもしれませんが)。

それでももちろんいいんです。でも僕としてはさらにその先、観光地側が提示した以上の情報というものを、訪日客の方に得て楽しんでもらいたい。

そのためにはギャップを埋めるだけではなく、そのための「目」を持たなければいけません。

NHKの『ブラタモリ』では、タモリさんがちょっとしたくぼみや地形の高低差を見て「ここには昔池があった。だから地名に"池"とつくんですね」と、その場の風景をもとに見事にその土地の過去の姿を言い当てる姿を見ることができます。

僕はこれを、「土地をコンテンツ化する色眼鏡」と呼んでいます。※タモリさんがサングラスをかけているので、この喩えはややこしいですね。

色眼鏡とは景色の読み解き方と言えるかもしれません。与えられた情報を理解するだけではなく、目に映る景色をコンテンツとして、この場合は歴史コンテンツとして読み解く力のことです。

「大手町」という地名があったらそこにはかつて門があり、その土地のお城はそこまで広がっていたのかもしれない。秋葉神社があったら、そこでは昔大きな火事があったのかもしれない。

僕はMATCHAを通して、そのような「日本の風景の読み解き方」を伝えていきたいと思っています。


日本人にも持って欲しい「インバウンドの色眼鏡」

これは日本人にも同じことが言えます。例えば僕はMATCHAに入って、「訪日客目線」という色眼鏡を、擬似的ではありますが持つようになりました。

観光地に降りた時そこに多言語の案内表示があるか、キャリーケースを持ち歩くのに便利なエレベーターは無いのかなど、以前は気にしなかったポイントに意識が向くようになったのです。

先日MATCHAの日本語版では、「車いす利用者も安心!トリップデザイナーのバリアフリーツアー」という記事を公開しました。

車椅子利用者のための東京観光ツアーを紹介したものですが、これも僕には新鮮でした。この記事を読んだあとは、近所の道を歩いていても「この段差は車椅子だと上がれないな」と考えるようになりました。これもまた別の色眼鏡でしょう。

よく「訪日メディアなのに、なんで日本語版があるの?」と聞かれることがあるのですが、その理由のひとつに「海外の方がどのような点を気にして日本を歩いているのかを日本人にも知ってもらいたい」という思いがあるのです。

日本人がそのような自分とは違う色眼鏡で日本を見られるようになれば、日本はもっと海外の方やその他いろいろな方にとって魅力的な国になっていくことでしょう。

気になった方は、ぜひ上記なような目線でMATCHA日本語版を読んでみて、訪日旅行者の気持ちで身近な町を歩いてみてください。

きっと普段とは違った印象を感じることができるはずです。

おしまい。

植松

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