なつ

社会人になって初めての夏休み
短すぎる夏に彼だけ一足早く わたしより2日早い夏休みの終わり

天気とか タイミングとか 今年の夏は22年間生きてきた中で1番インドアで思い通りにいかない

そんなことで悶々としてたら こんなタイミングで今年は水着を着てないことを思い出して悔やみ始めた

「最終日はプールに行こう!」

2人だけの満場一致
無事予定も決まり
わたしがマッサージしてる横で小1時間
トイレにこもって20分弱
彼が携帯に向かって百面相した結果

「よみうりランドのプール!」

場所も決定
明日に向けて早めに寝よう と
意気込んだ矢先

去年から15キロわがままになった彼の身体に水着が入らない

少し不機嫌になったわたしを横目にわざとらしく残念がってた彼

「海入らなくていいから 九十九里に行きたい」

日焼け止め!!日傘!!を夏に徹底しているわたしには似つかない場所

だからかもしれない
なんだかあの九十九里に続く道のりが好きで
家から行ける江ノ島とは違った雰囲気が好きで
夏、片道2時間半かけてふらーっと(行ける距離ではないのに)行ったことが多々ある
そんな感慨深い地に 初めて彼と行くと決まれば誰だって楽しみで仕方ないであろう

しかし ここでまただ
最終日のわたしのわがままはお天道様が許さず

朝起きて天気予報が曇りマークから傘マークに
表記には"断続的な雷"

そんなに日々の行いが悪いのか

とりあえず と走らせた洗車したての車の窓には大粒の急な雨が降ったり止んだり

「着いても雨が降ったら勿体無いね」

彼がそう言った

確かにそうだ
雨の日の海をバックに とびっきりの笑顔ではしゃげる自信はない

「じゃあ今日は別のところに行こう」

この日の予定は変更 前々から気になっていた川崎のとあるゲームセンター

異空間なその場所に飲まれて我慢してたUFOキャッチャーについ小銭全てをつぎ込んでしまった

普段はわたしの方が上手なはずなのに
この日は彼の一人勝ち
日頃はやらないようなお菓子まで取ってしまった

戦利品を両手に抱え ホクホクしながらお昼は2人で穴場であろう焼肉屋さんへ

男気じゃんけんでわざと勝つ彼にご馳走してもらった

「こうでもしないとご馳走させてくれないもん」

可愛げのない私にそう言ってご馳走してくれた彼の気持ちがとっても嬉しかった


「昔は〜してくれたのに」

付き合いたてはゾッコンだった彼が
私に常に至れり尽くせり

デート当日 迎えにきてくれる助手席のドリンクホルダーには飲み物
絶対に持ってきてくれる手土産
毎日してた長電話
記念日のたびにくれた手紙
飲み会帰りに毎回迎えにきてくれてた彼
何かしてる私をこっそり隠し撮りしてた彼
私より先には寝なかった彼

同棲した今は待ち合わせのデートも 休日のお泊まりも ちょっとしたドキドキも 無くなってしまった

そんな今と昔の差に我慢ができなくなって大喧嘩

外まで裸足で追いかけたこともあった

だけどふと 先に寝る彼の寝顔を見ながら思ったことがあった

付き合ってまだ1年とすこし

同棲しなければまだどきどきしてたであろう
この2人の関係も
2人でお出かけした場所 とか 写真とか
思い出のものだけじゃなくて
毎日一緒にいると見える 何気ない仕草とか
意識せずともかけた言葉とか
嫌なところも全部
本当になんともない毎日の積み重ねで築かれた
2人の信用 言葉にできない見えないものが
きっと2人にしかないものがあるのだろう と

今日の夜の彼の可愛い寝顔はこれからも私しか見れないはず

そんな素敵な2019年のなつ。

#思い出 #日記 #恋愛 #なつ