聞いてみた #18: 花の森 徳重の芝桜

今年は例年に無く桜が早く咲いたということでそのぶん散るのも早く、もうほとんど葉桜になってる鹿児島県内ですが、今がまさにピーク、という桜もあります。

芝桜。サクラと名前がついていますが、ツツジ目ハナシノブ科ということでバラ科のサクラとは種類が異なります。

この芝桜を、ご夫婦でおよそ2万株も育て、「花の里 徳重」を運営されているのが姶良市蒲生町の徳重さんご夫妻。

もともとは、徳重さんのお父様が79歳のときに10株ほど譲り受けたものが、増えて増えて2万株にまでなったのだそうです。芝桜園は一般公開されていて、見頃を迎えるこの時期は毎日たくさんの方が訪れ、観光名所となっています。休憩所などもすべて手づくりだそうです。

===

ーー これだけの数の芝桜。お手入れも大変じゃないですか?

ふだんはもう、毎日草取りです。でも、そのぶんお客様が喜んでくれますから。

ーー 見に来られるのはどんな方が多いですか?

遠方は海外の方もいらっしゃいます。ここを始めた親父あっての芝桜園ですから、その話題が出ることが多いですね。

ーー 園内に二宮金次郎像が置いてありますね?

二宮金次郎さんの「積小為大」という言葉があります。小さいことを積み上げていって、大きな事を為す、まさにこれは親父のことだなあと思って、この芝桜園に二宮金次郎像を置きたいと思っていました。最近は「(金次郎像の姿を真似して)こどもが本を読みながら歩いたら危ない」という声があり、学校でも置かなくなっているところもあるらしいので、なおさらここに置こうと。

なかなかいい像が無く、宮崎の石材店で見つけたのですが交渉に難儀しました。何度も交渉を重ねて、やっと譲ってもらったものです。

ーー 現在、芝桜園の名称を変えようと新名称の募集をされていますが、なぜ名称を変えようと思われたのでしょうか?

今後のことを考えると、私達夫婦だけでこの園を管理していくのは難しいだろうと判断しました。少しずついろんな方に関わっていただいて、この芝桜園をみなさんで管理して頂く、みなさんの園にしていこうと思っていますので、「花の森 徳重」から「花の森○○○」と名称をまず変えようということで現在募集しています。

===

この時期は週末になると1日700~800名ほどのお客様が来られるそうです。
4月7日(土)8日(日)には「第6回蒲生花の森祭り」と題したイベントを開催。毎年2000名以上来られる規模のイベントになっています。

こうして観光名所となっている「花の森 徳重」ですが、お父様が79歳からコツコツと増やしてこられたこと、そしてお父様の思いを引き継がれた徳重さんご夫妻が毎日丁寧に手を入れられていること、どの一日が欠けても実現なされなかったことだろうと思います。まさに「積小為大」。

そして、自分たちだけで出来るところまでやろう、ではなく、芝桜園を楽しんで下さる方々のものとして残していくために名称を変え、管理してくれる園のオーナー募集も始められたとのこと。

あるプロジェクトを始める人の想い、それを引き継ぐ人の想い。
最初は個人の想いがプロジェクトを育て、それを支持する方々にバトンタッチしながら地域の共有財産になっていくことを目指す芝桜園の姿は、後継者不足や事業の継続性問題に対するひとつの答えのような気もしました。

名称募集だけに応募もできますし、定期的に訪れることが可能な人であれば部分的に好きな区画をオーナーとして管理してくれる人も募集されています。

詳しくは、ブログでも情報発信されています。

花の森徳重 ブログ

ことし「花の森 徳重」の芝桜は、4月20日頃までは楽しめそう、とのこと。まずは2万株の芝桜が咲き誇る姿を見に、蒲生町を訪れてみてはいかがでしょうか。

花の森徳重【地図】
姶良市蒲生町白男1396

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?