聞いてみた#3 :姶良市北山地区

聞いてみた#3は、最近ときどきお邪魔している姶良市北山地区から。

北山地区は姶良市中心部より車で25分くらいの山間にあります。

北山校区コミュニティ協議会の、内甑会長にお話しを聞きました。

北山校区コミュニティ協議会(姶良市ウェブサイトへ)

取材にうかがった日、北山伝承館の前にはこんな商品がずらり。

超巨大な白菜。

12月でもうこんな大きな筍が掘れるんですね。まだ頭を出していないので、地面に棒を突き刺して探すんだそうです。

加工品もたくさん。

北山は米どころでもあります。

豊かな農産物に恵まれている北山地区ですが、人口減少・過疎化の流れは全国各地と同じ。しばらく地元を離れていた内甑さんは、7年前に戻ってきたときから様々な地域づくりに取り組まれています。

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どんな事業に取り組まれていますか?

商業施設でアンケートを行った結果、「北山で農業体験をしたい」という声があったんですね。そこで北山地区で体験できることを、と「蕎麦」を作ってもらう企画などを行っています。
そば植え、そば刈り、そして実際に蕎麦を自分で打って食べられるイベントも毎年行っています。

これまでどんな方が参加されましたか?

いろんな方がいらっしゃいますが、お子さん連れ、ご家族での参加もけっこう多いですね。

このような企画を通じて北山地区にどうなって欲しいですか?

北山小学校の児童もほとんど地域外から特認校制度を利用して来てくれている子どもたちなんですね。この地域や小学校を維持するため、市は北山地区に北山定住促進住宅を作り、移住定住を図っています。
イベントなどをきっかけとして北山地区に来てもらい、いろんな体験をしてもらって、移住につながれば、と思いますね。

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特別にこの日、内甑さんに蕎麦を打ってもらい頂くことができました。

北山地区定住促進住宅は、子育て世代を対象とした住宅で、子どもの人数によって家賃が減額となる制度もあります。
18歳未満のお子さんが1人だと13,000円、3人以上だと家賃は5,000円(!)になります。
北山地区定住促進住宅(姶良市ウェブサイトへ)

過疎化・人口減少という流れは全国的なもので、これに歯止めをかけることを目的とした事業は全国各地で行われています。

姶良市は鹿児島市のベッドタウン的性格が強い地域特性から子育て世代の定住に力を入れており、そのスタンスがこの事業にも現れていると思います。

働き方も暮らし方も多様化している現代において、「どこでどのように暮らすのか」はどんどん流動的になっていきます。各地域が単純に(たとえば家賃の額で)人を奪い合うような関係では、いずれ無理が来るでしょう。

自分はいわゆる就職氷河期世代で、現行制度だと生涯割を食う世代なんて言われてたりします。少子化問題は所得の問題でもあり、世代間の問題でもあります。

所得の世代間移転、あるいは意思決定の世代間移転を行うべし、は正論でしょうけれどそう簡単にはいきません。

いっぽうで、どの世代でもすぐに恩恵を受けられるのは地域が長い時間かけて守ってきたもの、積み上げてきたもの、だと思うのですね。それを環境と呼ぶのか文化と呼ぶのか、呼び方はいろいろあると思いますが。

農産物を作ることが出来る土地、作れる人、学校、お祭り。
これらは一朝一夕に作れるものではありません。危機感は持ちながら、でも決して背伸びをするわけではなく、この地域でいま出来ることを目一杯楽しんでもらおう。内甑さんはじめ北山地区のみなさんとお会いしてこの地域の良さはそのような姿勢にもあると感じました。

内甑さん、「なた豆」も生産されています。こんな状態のなた豆は初めて見ました。

これから北山のイチオシ農産物は「いちご」。1~2月が最も美味しい旬だそうです。

直売所「北山いちごの家」はこのあたり。

そば打ち体験ができる「北山木津志の師走の集い」の詳細はこちらから。

北山・木津志師走の集い
日 時:12月24日(日)9:00~
会 場:伝承館・野外研修センター特設会場
参加費:大人500円 小人300円
定 員:20組程度 ※当日参加も大歓迎

申込先:北山コミュニティー協議会
コミュニティ協議会会長(内甑さん)
TEL:090-1888-8939


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