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鹿児島マラソン2019レポ :ランマガ#6

2019年3月3日に行われた鹿児島マラソン2019に参加してきました。個人的目線のレポです。

心配していた天候と装備

フルマラソンを走るランナーにとって当日の天候はとても重要です。暑すぎると汗がたくさん出て脱水の危険もあるし、日が照っていればそれだけ体力が奪われます。逆に寒すぎると、走り始めてからは多少温まりますが失速するとすぐに身体が冷えてしまう。鹿児島マラソンのように大きな大会ではスタート地点で30分ほどは待たないといけません。誰かウェアを受け取ってくれる人でもいない限り、走り始められる格好ではじっとしていると寒すぎることもしばしば。

この日はとにかくずっと前から雨予報でした。数日前の時点では、雷雨の予報も。雨だから走れないということもないのですが、どのくらい汗が出ているのかもわかりにくく、なにしろ走りにくい。どんな装備で行くのか、なかなか決めにくかった。

ギリギリまで気象情報と向き合った結果、完全雨仕様で臨みました。

まずは帽子とサングラス。できるだけ装備は軽くしたいので使わないことも多いのですが、頭部に雨が当たり続けるのは消耗するので、雨天時のレースでは必須です。

そしてポンチョ。ゼッケンが見えるように透明のゴミ袋に穴を開けたものです。少しでも濡れる部分を減らしたいのと、スタート待機時間のあいだの保温も兼ねています。

走り始めると身体は温まるのですが、気温次第では末端の指先はそうでないことも。給水なども取りにくくなるのでランニンググローブも持ってきましたが、直前で気温は割と高めと判断してグローブは装備から外しました。

結果。自分のタイムではスタートからゴールまで一滴も雨は降らず。途中では少し日差しも見えるほどの天候。気温は15度前後で、結果的に予報とは異なり走りやすいコンディションとなりました。装備としては暑すぎて、帽子も早々に外しポンチョもエイドのゴミ箱に捨てることに。

なお、本気で雨を警戒していてポーチにもスマホは入れていませんでしたのでレース中の写真は無しです。

スタート~10kmまで

スタート地点のドルフィンポート前で1万人以上のランナーが号砲を待っている中。スタートまであと5分を切った頃に眼の前の桜島が噴火。県内ランナーの我々は見慣れていますが、県外や海外のランナーさんを祝福しているかのようでした。写真を撮ってる人多数。

申告タイム別にスタートブロックを分けられるのですが、速いランナーが増えてきたのか昨年よりもずいぶんと後ろからのスタート。ネットタイムとグロスタイムの差は2分59秒となりました。

5kmくらいまではまだ周りに人も多く、イーブンペースを刻みながらポジションを探します。とにかく序盤でペースを乱されないよう、自分なりのペースをつかめるように心がけながら。5km通過タイムは30分21秒。スタートの2分強のロスを見てもまあまあ自分的にはいいペースです。

8kmくらいでファンランの方々とは分かれ、ちょうど鹿児島市街地中心部に帰ってきます。ここから西郷銅像前を抜け、国道10号線へ。10km地点あたりで市街地から徐々に遠ざかります。このへんまではとにかく応援が多いのがこの大会の特徴。バンドやダンスのパフォーマンスなどに見送られ、あっというまに10kmに。56分50秒。ここで1km5分台前半に持ってきてサブ4ペースに乗ります。あとはこれをどこまでキープできるか。

仙巌園~折り返し地点(姶良市重富25.8km)

ふだんクルマでしか通ったことのない鳥越トンネルを抜け、島津家の別邸・仙巌園前を駆け抜けます。ここも応援の多いポイント。近隣の方々や高校生たちがたくさんの声援を送ってくれます。

しばらく海沿いを走り続けると、徐々に姶良市が近づいてきます。15kmのタイムが1時間23分53秒。少し突っ込みすぎかも、と思いつつ走りが乗っているのも感じていたのでそのままペースを維持。

20km1時間51分08秒
中間点21.0975km 1時間56分47秒。
充分サブ4を狙えるペースです。終盤ダレてくることに備えて、少しだけペースを抑えてエイドの給水をこまめに入れるように。

海沿いのあいだ、しばらく応援の少なめな区間が続くのですが、中間点を越え姶良市街地に入るとまた応援やエイドの方々の数がぐんと増えます。折り返してまた10号線を戻りますが、たくさんの声に背中を押されます。

25km 2時間18分26秒。サブ4ペースを維持しています。

30kmの壁と腰痛との戦い

俗にフルマラソンでは「30kmの壁」と呼ばれるハードルがあります。25kmくらいまでは快調に走っていても、30Kmを超えるととたんに足が前に出なくなる。いわゆる食切れだったり脱水だったり、足の痛みだったりでなかなか進めなくなる現象です。

何度も経験はしていますが、今回の「30kmの壁」については足は前に出る。痛いのは痛いけれど走れないほどではありません。2月に入ってから、1ヶ月間は自分なりに走り込みをしてきた成果を少しは感じていました。

が。

ここから腰の痛みが出てきます。もともとここ数ヶ月、腰と背中の痛みはあったのですが、なんとかごまかしながら練習をしていました。走れないほどではないだろう、と思っていた痛みが本番で30kmを越えて一気に襲ってきた感じです。

ペースを維持できなくなり、なんとか35kmまではたどり着きますが痛みに耐えることができず立ち止まってしまいました。

35km以降、メディカルランナーやエイドに助けられる

35kmでのタイム、3時間20分02秒。残り7kmで40分もあれば、ふだんのペースなら難なく4時間以内で行けるところなのですが、何しろ腰の痛みで走り出すことができません。一瞬、棄権も頭をよぎります。

鹿児島マラソンほどの規模の大会になると、医療関係者の方々もたくさん関わってくださっています。救護班のほか、医師や看護師として走っている方も。そうしたメディカルランナーの方から声をかけてもらいました。

痛みを訴えると、「次のエイドで飲むといいよ」と薬を渡されました。なんとか次のエイドまで行こう、とぼちぼち動き出し、なんとかもらった薬を服用。少しは薬の効果もあったのか、痛みはありながらなんとか前に進むことができます。

39km地点でまた仙巌園前に戻ってきますが、そろそろ腰は限界。あと3km、歩いてもたどり着けるだろうか、と思ったところにエイドステーションが。もともと基本的に給水はもらうのですが、カロリー計算しながら走りたい方なので食べ物はほぼ取らずに走る派です。ただ、とっくに4時間のペースセッターにも追い抜かれていて、サブ4は諦めたいま、何か気分でも変えなければ残り3Km進めないと思って「そば」を食べます。

昨年もここでそばを頂いた気がするのですが、塩分多め(に感じただけ?)で染み渡る美味さです。お礼を言って再度走り出します。

腰の痛みと戦いながら、また鳥越トンネルを抜け鹿児島市街地へ。

ゴール。サブ4ならずの悔しい結果に。

市街地へ帰ってきて「おかえりなさい!」と応援の嵐の中、最後の難関の長田陸橋を越えると、ゴールの鹿児島市役所が見えてきました。

タイムは崩れたのはわかっているので、とにかく歩かない、せめて最後まで走ってゴールしたい、とゆっくりながら走ってゴールラインまで。

グロスで4時間11分59秒、ネットで4時間9分あまりというタイムでした。

崩れた割にはなんとか4時間少しで、という思いもありつつ、足も心肺もまだ走れたのに、腰の痛みで減速というのはなんとも悔しい結果になりました。

鹿児島マラソン2019を振り返って

1万人いたら1万通りのドラマがあるのがフルマラソンです。鹿児島マラソンは完走タイムが地元紙の南日本新聞に掲載されるので、終わってからいろんな方に載ってたね、速かったね、と声をかけてもらいました。

4時間台前半というのは全体で上位3分の1くらいより上にはいるのですが、これが決して速いタイムでないことは自分自身が一番よくわかっています。腹筋背筋が弱い、体幹を鍛えるべし、というのは以前から課題としてわかっていたにも関わらず、そこから逃げていたが故の結果。積み重ねてきたもの以上の結果は出ないし、積み重ねた分だけの結果が出るのも、マラソンの面白いところです。

残り7Kmあたりで棄権が頭をよぎったときは、なぜこんなにツライ思いをしているのか、などと思ったのに、ゴールしてみると「次の大会までどんな練習をするべきか」などと考えているのだから、不思議なものです。

以上、鹿児島マラソン2019のレポでした。
ランナーの皆さん、お疲れ様でした。そしてスタッフや関係者のみなさん、ありがとうございました。


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