聞いてみた#15:アートスペース展

加治木高校の近くに、こんな看板があるのを見つけました。

神話に残る柁の木伝説。柁木→加治木ということでこの地の地名の由来でもあるそうで。加治木高校は加治木島津家の屋形跡に建っているのは知っていましたが、記紀の神話まで遡るとは加治木の歴史恐るべし。

さて、ここにやってきたのは、この看板の隣のギャラリーが目的でして。

加治木高校の目の前にある、Gallery Do-Ma では、
「加治木高校生文化の饗宴アートスペース展」が3/17~21の日程で開催されています。

加治木高校の文化系部活(美術部・書道部・写真部)が合同で、地域のみなさんに見てもらおうと企画したもの。

古民家風のとても雰囲気のあるギャラリーです。

誰もいないのかな?と入ってみると、声をかけられました。

お話を聞いたのは美術部の1年生、外薗実弓さん。

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ーこの「アートスペース展」は毎年やっているんですか?

文化系の部活動がみなさんに見てもらう機会をつくろうと、ここ最近は毎年開催しています。きょうはこのギャラリーで、吹奏楽部の演奏もありました。

ー外薗さんの作品も展示されています。これは、油絵?

そうです。絵を書くのは好きだったんですが、もともと中学校までは吹奏楽部で、油絵は全くやったことがなかったので、高校に入ってから教えてもらって、この絵は構想から3ヶ月程かかりました。

ー作風もみなさんそれぞれだいぶ違いますね。

(女性の顔がモチーフになった絵について)
この絵を描いた部員の描き方がとても面白くて。
動画があるんですけど・・・
(スマホを取り出す)

※ 顔が描かれたキャンバスに、たっぷりと絵の具を付けた自分の手で髪の毛を描いていく。見ている側から悲鳴が聞こえる動画。

ーこうやってギャラリーに常駐するのも部員のみなさんでやってるんですね。

平日は学校があるので土日と21日祝日は誰か担当がいるようにしています。そのときにきていただければこうやってお客さんとお話もできるので。

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作品はどれも高校生らしいみずみずしさというか、年齢が軽く高校生の2倍以上になった自分が見るとなんだか背中をチクチク刺されるような、なんともいえない感じを受けました。技術も素晴らしいと思います。外薗さんの作品も、とても油絵を始めて数ヶ月のものとは思えませんでした。

作品の写真は撮れなかったので、ぜひ実際にギャラリーに足を運んでほしいと思います。

そして、音楽やアートに真剣に向き合っている若者に出会ったとき、聞いてみたくなる質問があります。

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ーこれから将来、絵をずっと続けていきたいと思いますか?

将来は出版関係の仕事に就きたいと思っているので、仕事はその分野を目指しつつ、でも絵は好きなのでずっと描いていきたいと思っています。

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この、将来をきちんと見据えつつ、計画性もありながら好きなものに取り組んでいる感じ。これが自分たちが高校生だった頃にはあまりなかったものかもしれません。いや、当時もそういう人いたんでしょうけど。自分の周りにはもっと若者らしい無鉄砲さというか、好きなものだけに没頭していくタイプが多かったので。

それはそれで生き方の美しさを感じるんですが、今回聞いたようなスマートな美しさというんでしょうか。次の世代を作っていく若者になにかこういうところが共通しているような気がしています。スマホを出して制作動画をすっと見せるところなんかも、すごくいい。

そして大人になればなるほど、そういう感覚を理解できなくなったり、「我々が若い頃は」みたいな話をしたくなったりしませんかね。そういうのってとても非生産的なことだと思うんですよ。

そういう感覚差を乗り越えるのに、アートってとてもいい。言葉をすっ飛ばしてズバッと心に斬り込んできます。背中をチクチクしながら。

いい大人にこそ、見て欲しいアートスペース展でした。
加治木高校からすぐ、ギャラリーDo-Maにて3月17日〜21日まで。 

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