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"Tell it like it is "

十月五日付近の読書中座記


お昼ご飯にお稲荷さん、読書の為にレイモンド・カーヴァーを一冊持ち休憩室へ。今日は沢山フライヤーが届きました。最近は徐々に本関係のイベントチラシが増えてきた感じがします。横須賀から何十キロも離れた県外のチラシでも置いておくと面白いことが起きます。
たまたま置いてあったイベントのチラシが十年以上も会っていない旧友の企画したものだったことが発覚し、そのチラシをきっかけに横須賀から会いに行ってきたという出来事も過去にはありました。



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読書用に持参したレイモンド・カーヴァーは近所の書店AMISさんで購入したもので『水の出会うところ』というタイトルの詩集です。黒田絵美子さん翻訳。この詩集はもう一冊別のタイトルでも出版されていて上下のような雰囲気があるみたいです。ただ、もう一冊の方は出だしにカーヴァー本人ではなく奥さん(?)だったと思うけれど誰か別の人の前書きが何ページか続きます。それがちょっと読む気分ではなくて『水の出会うところ』の方を購入しました。この本は読み終えたら渡す人が決まっています。その人が初めてカーヴァーに触れる本になるかもしれません。それならばなおのこと、少し長い別人の前書きから入るよりも、本人の言葉が直ぐに始まった方が好ましい。そう思ったことも一因です。


深夜読書


先日、夜中というよりは朝に近い時間に目が覚めました。寝返りを打ってみても暫くは眠れそうにないので、枕元に薄明かりを点けて本を読むことにしました。レイモンド・カーヴァーの続きです。少しの気だるさと、ぼんやりした頭でページをめくりました。紙上では少年たちが無言で楽しそうに新聞配達をしていました。今、そのページを引用しようと思い、掲載場所を探したけれど見つかりません。でもきっとそのうち見つかると思います。誰かが教えてくれるかも知れないし、いつかまた腰を落ち着けて最初から読み直す日が来るから。それともあれは買わなかった方の詩集を夢に見たのだろうか。


4am

午前四時というのはTwitterを覗いても起きていてる人は少なそうでしたが、ある海外在住の方のTwitterに目がとまりました。その日は日曜だったのですが、彼のツイートには「よい日曜日を!」というような短い文とyoutubeのアドレスだけが貼り付けてありました。そのリンクを押してみると、時計の音さえしない静かな部屋にNina Simone  の"Tell it like it is "が流れました。彼女の声と音色は、カーヴァーの言葉使いと、これから訪れる夜明け前の空気にぴったりと合いました。本を閉じてもまだカーヴァーを読んでいるような気分が薄明かりの中で続きました。そうだ、今日は起床したらレコードをかけよう。最近聴いていなかったCarmen McRaeなんて良いかもしれない。いや、やっぱり妙に気になっている杉山清貴&オメガトライブかな。そんなことを考えながら目を閉じ、もう一度眠る支度を始めました。




<今回の本と音楽>


レイモンド・カーヴァー著『水の出会うところ』黒田絵美子訳 論創社
WHERE WATER COMES TOGETHER WITE OTHER WATER



Nina Simone  "Tell it like it is "  
1971 アルバム『Here Comes The Sun』に収録

 

追記
 後日、三年後ですが同じ古書店で別のカーヴァー詩集に出会いました。その日のことはこちらで読めます↓


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