【イベントレポ】Learning From Art ~海外のアート教育を通じ着想の言語化を学ぶ~
最近、コンセプト作成、ネーミング、コピーに関するご相談をいただく事が増えました。
世間で支持を得ているサービスを見ても世界観がはっきりしているものが多い印象を受けます。
(加えてロゴのリニューアルやプロセス、過程を公開しているケースなど)
抽象的な部分の言語化能力を鍛えるにあたり、一般的な正しい日本語の使い方というよりは美術館での「VTSプログラム」などのアート領域にヒントがあると思い参加を決めました。
■参加者
20代~40代の男性がメイン。10名強。
職業は,新規事業開発,UXデザイナー,NPO職員など比較的バラバラです。
成熟業界で新しい価値をどう生み出すか、といった課題が共通している気がしました。
ビジネスとアートの意外な共通点
まず最初に課題意識や開催の背景を話してくださりました。海外の美大では「なぜこの構図なのか?」「この色を選んだ理由は?」プロセスを重要視するため、自分と向き合う事が求められます。
ビジネスとアートの共通項を発見したところから、今回の開催に至ったそうです。講師はロンドンの美術大学を卒業し、現在は日本でアーティスト活動をされている方でした。
続いて仕事のプロセスとアート作品を作るにあたるプロセスの類似性についてのお話がありました。
仕事
情報収集→整理→仮説→企画→伝達→プレゼン
アート作品
リサーチ→発展→実験→発展→製作→プレゼン
リサーチに入り、インプットを繋ぎ合わせて着想に入る。ロンドンではプロセスを最重要視しており、プロセス含めてアウトカムであるためなぜ?と自分の考えを明示する事が常に求められるそうです。
マインドマップを用いたアイディア出し(アート編)
各グループに一つの単語と数枚の写真が配られます。
そこから、各自がマインドマップの作成に入ります。
その単語から直感的(←ここが大事)に、言葉や連想を広げていき、マインドマップの作成に入ります。
作成を終え、今度はその中から5つの単語をピックアップ。
その単語を絵で表現し、言語で他者に説明します。自分は下記の単語を選択し、絵にしました。
・家族
・感動
・体温
・熱
・遊び
ここまでがウォーミングアップで次からが本題です。
マインドマップを用いたアイディア出し(ビジネス編)
今度は同様の方式で、ビジネスモデル、事業を考えます。
同じようにマインドマップを作成するのですが、テーマが異なります。
※与えられる単語は、参加者の勤務している業界とのことでした。
・単語(自分の場合は建築)
・写真
・アーティストの名前
上記から連想するマインドマップを作成し終えたら、そこからサービスを10個考えます。その中から一つを選択。絵で表現して、参加者にプレゼン。
自分がピックアップしたのは「自由がない落ち着かない旅行」でした。
正直、自分で作っておいてなんだよそれ、と思っていました。
「頭で考えている」時は、ニーズないでしょ、旅行って非日常を楽しむものだし、、リラックス出来ないだろうなー、と。旅行の意味ないじゃん。
ここからが気づきとして、大きい部分です。
そもそも旅行ってなんだ?
絵で表現していくうちに、異なる部分の頭が開いていきました。
落ち着かないって事は、自由にできない→行先を誰かに決められる→その人は誰だろう?→その人は何のためにするんだろう?
絵を描いていくうちに、気が付けばコンセプトは変容しました。
旧:「支配される旅行」
新:「どこかに行きたいけど、どこに行ったらいいか分からない人向けの旅行マッチングサービス」
サービス概要
A:どこかに行きたいけど、どこに行ったらいいか分からない人
B:時間はないけど、行きたい場所や思い出の地がある人
結果として両者を結ぶ旅行のマッチングサービスになりました。
実現可能性,具体性はさておき、その場で評判はよく、プロトタイプで動画作って見たら?ともおっしゃっていただきました。
ニーズの検証手段の一つとして、動画作成で反応を確かめる手法もあるそうですね。
意外性と納得感があり、自分でも驚きました。
「前提条件」「思い込み」「固定観念」をいかに打ち崩すか
・頭で考える
・手で感じる
・心で捉える
3つのそれぞれは、異なっておらず、普段はバラバラに動いているのかもしれません。
同時にいかに自分が固定観念に囚われているかに気づきました。
白い紙とペンがある時点で「何かを書く」と思い込んでいたのですが、ちぎってもいいし、極論紙を燃やして熱を表現してもいいとのことでした。
「前提条件」「思い込み」「固定観念」をいかに打ち崩すか、気づけるかが重要になってくるのかもな、と思いました。
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