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メイカソン2023を振り返る | 運営座談会

こんにちは、ユカイ工学デザイナーの樫村です!

ユカイ工学では毎年「メイカソン」というものづくりイベントを社内で開催しています。このメイカソン、ただ作って終わりではなく実際に商品化へと繋がる可能性のある、ユカイ工学にとって特別なイベントです。最近ではテレビでも取り上げられたりと、メイカソン自体が注目を受けることもしばしばありました。嬉しいですね💪

そこで、今年のメイカソンではどんなことをしたの?という内容をちゃんと文字でまとめてみようと思い、カタカタとnoteを執筆してみました。
半分は発信として。半分は社内記録として。
座談会形式でゆるくお届けします。


メイカソンってなに?

メイカソンとは、毎年ユカイ工学が開催している、社内のものづくりイベントです。全社員が参加し、5〜6名ずつのチームに分かれて約3ヶ月間ものづくりに取り組みます。アイデア出しからはじまり、デモンストレーションができる試作品の開発、そして合宿でのプレゼンまで、をひと通り行います。実はQoobo甘噛みハムハムも、このイベントを通して生まれてきたプロダクトたちです🤖

毎年、テーマや運営メンバーを変えつつ、少しずつ進化しているメイカソン。そんな一大イベントを運営した今年のメンバーは以下の4人です🕺🕺🕺🕺


メイカソン2023運営メンバー

左から鷺坂、山本、樫村、小田嶋

鷺坂 隆志( Sagisaka Takashi ) - CTO
2007年12月東京大学大学院在学中に、CEO青木と共にユカイ工学を創業。以来、主に自社のコミュニケーションロボットのハードウェア開発をリード。メイカソンは今年で6回目。【 インタビューnote 】

山本 奈都美( Yamamoto Natsumi ) - エンジニア
かわいい・遊べるロボットが作りたい一心で2019年4月にユカイ工学に入社。Petit Qooboの生みの親。甘噛みハムハムのハムゴリズム考案者。
メイカソンは今年で3回目。

樫村 京(Kashimura Miyako)- デザイナー
ユカイ工学の製品に自身の作品と共通のものを感じ、ユカイ工学に新卒入社。メイカソンは今年で2回目。

小田嶋 紗世(Odajima Sayo)-バックオフィス
大人になっても文化祭前日のような高揚感を味わいたい、と思い2023年1月にユカイ工学入社。メイカソンは今年がはじめて。


今年の方向性と挑戦

ーー今年のメイカソンの方向性とその経緯を教えてください。

樫村
毎年、運営メンバーとテーマが変わるのでその年によって少しずつ色が変わります。今年も特色が出たんじゃないでしょうか。

山本
大きいところで言うと、例年は発表されたプロダクトに順位を決めていたけれど今回は順位を決めない形でしたね。

樫村
順位を決め始めたのはそもそもいつ頃からなんですか?

鷺坂
初期から順位を決めてました。気に入ったプロダクトにシールを貼っていって、多いやつ、優勝!みたいな感じでやっていましたね。

小田嶋
原始的〜!
それから何年くらいその形が続いたんですか?

鷺坂
投票に使う方法とかはちょっとずつ変わったかもしれないですけど、前回までずっとそうだったと思いますね。

小田嶋
そのやり方が、今回は順位じゃなくて、みんなで盛り上げる方向に。
順位ってやっぱり勝ち負けの要素があるから、それで燃える人もいるけど、そのプレッシャーが性格的に合わない人もいる中で、順位じゃなくてみんなでイベントを盛り上げるアプローチはないか?っていうのを今年の運営会議の初回ぐらいから探し始めていました。

鷺坂
順位を決めても、それが製品化されるかどうかに直結しているかというと、あまり関係がなかったりするんですよね。だから、順位を決めることは本質じゃないんじゃないか?という仮説を今回は立てました。

山本
あと順位を決めるとなると、プレゼンが上手い人や主張の強い人が勝ってしまうなぁ、と例年思っていて。だからこそ今年は、普段は上手く自分のことや自分の作りたいものを表現できない人でもちゃんと舞台に上がれるようなメイカソンにしたいなと思っていました。


ーー具体的にどのようなことをしましたか?

小田嶋
アプローチのひとつとして行ったのが、全チームで協力して目標をクリアしていくっていうゲーム要素を作ってみたことですよね。

鷺坂
社員の連絡手段であるSlackチャンネルの投稿数を全チーム分合算し、その合計値を全体の盛り上がりとみなしました。その上で、全体の盛り上がりが最終的に獲得できる打ち上げ金額に反映されていく仕組みにしました。

山本
みんなで目標を達成するレイドバトル方式っていうのかな?

小田嶋
でも、まぁ、終わってみたら賛否両論で。楽しかったっていう人もいれば、やっぱり順位を決めたかったっていう人もいて。ただ、そういう試みはこれまでなかったから、1つ今年の特色として出せたと思います。

鷺坂
反感を食らいそうだなって思ったところは予想通り反対意見が出たりしたけれど、思ったより全体としてのアンケートの結果は結構好評で、満足度は高かったので、僕は頑張ってよかったなと思っています。

小田嶋
もう1つの試みはアイデアを主体にしたことですね。
これまではチーム分けの時に、有志メンバーが作りたいもののアイデアプレゼンをしてから、全員で自分も作りたいアイデアに投票していました。ただそれだとプレゼンが上手い人に惹き付けられがちなのでバランスが取りづらかったんですよね。なので、今回はあえてスライド提出のみとし、匿名でアイデアを募集しました。

発案者数とアイデア数が過去最多

樫村
社員全体が参加する定例MTGで行ったメイカソン通信と推奨タイムも今回がはじめてですが、やってよかったですね。
長期間かつ通常業務と並行して進むイベントなので、毎週アナウンスすることで参加者にメイカソンのことを忘れさせない、という点でうまく機能していたと思います。

毎週、情報発信を実施
メイカソン推奨タイムに集う社員のみなさん

鷺坂
CEOの青木さんや忙しい人を捕まえられたのはでかいと思いますよ。
推奨タイムをカレンダーに設置したおかげで、青木さんも他の予定が重ならないで済みました。

樫村
やっぱりスケジュールを押さえるって大事ですよね。

一同
そうそうそうそう。

小田嶋
当日のプレゼンでは、発表のプロジェクターにSlackに投稿したスタンプやコメントがリアルタイムで映るようなシステムも作ったりしましたよね。

山本
リモートの人って現場にいる人と比べるとあまり発言できないじゃないですか。だから、画面に自分のコメントを投稿できることによって、臨場感がリモートの人にもあればいいのになと思い、Slarrageという拡張機能を使って作りました。
普段はあまり自分から喋らない人でも、当日の発表の投稿で積極的に書いてくれたのでよかった。


メイカソン運営もプロトタイプの場

ーー今年の運営をしていく上で大変だったことは?

小田嶋
やっぱり今までアプローチしたことのないことだったので、みんなで楽しむというコンセプトをどのような仕組みに落とし込めばいいのかを考えるのが難しかったです。

樫村
塩梅も難しいですしね。
あと、毎年恒例のイベントなので、社員の中でメイカソンの常識みたいなものが無意識に形成されていて、今年は違うよって伝えるのが難しかったですね。

小田嶋
でもやっぱりメイカソンは新しいアイデアを生み出す場だから、やり方やその場所 • 雰囲気づくりとしても毎年新しい試みを入れていきたい、みたいなのは方向性として間違ってないと思うんですよ。だから、今回そういった今まで見たことがないメイカソンを見せれたのはよかったんじゃないかなって思いますね。

山本
参加してくれた社員からもよく言われてましたよね。
運営メンバーがメイカソンで思いっきり遊んでいるから良かったって。

鷺坂
毎年やり方を変えないといけない訳ではないんですけど、課題があるからそれを解決してアップデートしていく、ということを毎回取り組んでいますよね。

小田嶋
運営が変われば課題だと思うところも変わるから、ちょっとした変化もおのずと生まれるみたいなことだと思っています。

樫村
そう考えると運営メンバーが毎回変わるシステム、面白いですね。


今年のメイカソンのハイライト

ーー今年のメイカソンで印象に残っていることは?

鷺坂
メイカソンの発表で売り上げを上げたチームがいたことですね。
彼ら、実は開発予算が足りていなかったんですけど、足りない分はこの売上で補うんでやらせてくれっていう風に言ってきてくれたことがすごい。絶対やりたいんだっていう熱意、その気持ちがすごく感じられたので僕は感動しました。

売り上げを上げた瞬間

小田嶋
あとユカイ工学といえばかわいいイメージが強いかと思いますが、意外とカチッとしたプロダクトも生まれたり。

プロダクトの雰囲気にあわせてプレゼンもセミナー形式でした

樫村
ライブ形式のチームもありましたね。

プロダクトの実演をしている様子

鷺坂
発表が終わった後に、ひと部屋にみんなで集まって飲み会ができたことも印象に残っています。あれ、たぶん創業初期と同じ雰囲気ですね。
よかったですね〜、特に飲み会を設けたわけでもないのに自然とああなったのは。

樫村
ですね〜。全然強制じゃなかったのがよかった。私も途中で自分の部屋に戻ったりしましたし。他の部屋で楽しんでいた人もいたり。

今年はレクリエーションも盛りだくさんでした


今後のメイカソンについて妄想

ーー今後、メイカソンをどのように発展させていきたいですか

鷺坂
これまでは社内イベントとして、社員が楽しめることだけを追求してきてたんですけど、お客さんのメイカソンをユカイが運営する、みたいな形で社外展開できるといいのかなとは思いますね。

ただ社内メイカソンは普段の仕事ではできないことを社員がリラックスしてできるのがポイントだと思うので、社内メイカソンと社外メイカソンは明確に分けつつも、並行してやれると良さそうかな、と思います。

樫村
”楽しい”が消えちゃうと本末転倒ですよね。

新しい技術に挑戦したり、普段の仕事とは違うことを体験したり。

山本
今後のメイカソンの展開で言うと、出てきたアイデアに引き続き新規事業開発として予算がついたりしてますよね?

鷺坂
毎年メイカソンまでは盛り上がるけど、それ以降は平常業務に戻ってしまい、発表した試作品たちが眠らされてしまうのがもったいないねっていう意見をよく聞いていたので。
メイカソン後もこれだけの業務時間を使いたいです、という申請をしてもらったら審査して承認していくことを今年から始めてみました。まだ始めて3ヶ月とかなので結果をまた1年後に振り返れれば、と思っています。

樫村
他の会社を知らないので普通がわかりませんが、新卒の人間がアイデアを持ってきてやりたいですって言って、それを実際に新規事業にしてしまう事ってなかなかできないと思うんです。でもユカイ工学はメイカソンが入り口にあるので、スムーズにそこにに挑戦できるのがとてもいいなと思っています。私も今年はチームリーダーをやっていますが、それがメイカソンのいいところだなぁ、と思いながら進めています。

樫村
あと、つくりたいものを受け入れてくれる文化がユカイ工学はつよいですよね。メイカソンも毎年、自分がつくりたいもの、面白いと思うもの、を作っているチームが多いように感じます。

鷺坂
ユカイ工学の製品が世に与えたい事って、僕らが考える遊び心みたいなのを製品を通してユーザーの人にも共有するっていうことなのかな、と僕は思っていて。こういうのあったら面白いよね。絶対こういうの作りてぇ、っていう気持ちが作る側にはあって。それを手に取った人も、何これ?めっちゃおもろって思う。遊び心をうまいこと人から人に製品を通して伝えるっていうことをやりたい人たちが揃っているのかな。
みんなそれぞれの遊びを製品作りの中でやっている、そういう会社なのかな、と思っています。


終わりに

改めて振り返ると、運営としても、個人としても、多くのことに挑戦できたメイカソンだったと思います。今年の反省や実験結果が今後のメイカソンの糧になれば嬉しいです。
来年のメイカソンは誰が運営メンバーになるんだろう。
今から楽しみです🕺

  • ユカイ工学とアイデア出しをしてみたい。

  • メイカソンのようなワークショップを会社で開催してほしい。

  • ユカイ工学となにか一緒につくりたい。

そういったご要望も受け付けております。
まずはご気軽にご相談ください。


過去のワークショップ実績
コクヨ株式会社様インタビュー
https://www.ux-xu.com/report/2023_kokuyo



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