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ロボットを活用し、子どもの忘れ物を減らそう!~BOCCO emoとおしゃべりしながら持ち物準備~

はじめに

こんにちは。エンジニアアルバイトの木村です。
本記事では昨年10月に公表した「BOCCO emo APIs」(ボッコ エモ エーピーアイズ)を使った作例を紹介します。
今回は、子どもがいる家庭向けの機能を開発しました。

子どもの中には、持ち物を準備することが得意じゃない・うっかり忘れ物をしてしまうという子がいると思います。
親としては忘れ物を防ぐために、子どもの手助けをしますが、毎日確認するのは大変です。
できれば、子どもだけで準備出来るようになってほしいと思う方がほとんどだと思います。
そんなご家庭を支援するために、子どもと一緒に持ち物を確認してくれる機能を作りました。
ロボットと一緒に持ち物を確認することで、楽しく準備ができそうです。

今回は小学校低学年〜中学年の児童が使うことを想定し、以下の2つの機能を実装しました。

1.持ち物登録機能

BOCCO emoとの対話により、持っていく持ち物を登録します。

2.持ち物通知機能

BOCCO emoが持っていく持ち物を教えてくれます。また、BOCCO emoと一緒に準備したり、競争したりすることもできます。

開発環境

・ハードウェア
    ・制御用PC(今回はMacBook Air 2020を使用)
    ・BOCCO emo Custom Kit

・ソフトウェア
    ・Python Slack SDK
    ・AWS SDK for Python (Boto3)
    ・Dialogflow Python client library
開発に使用したプログラム言語はPythonのみです。

持ち物登録機能

BOCCO emoを使って、音声で持ち物を登録できる機能です。登録したい「持ち物の名前」と、通知して欲しい「時刻」をデータベース(Amazon DynamoDB)に登録します。

今回は、「定規とコンパスを覚えて」のように1〜2個の持ち物を登録するパターンと、「定規、コンパス、ボンド、、」のように沢山ある持ち物を列挙して登録するパターンの2通りの登録フローを作成しました。

対話によって持ち物を登録することで、連絡帳を書くことが苦手な子どもでも、BOCCO emoとの自然なやり取りの中で登録を行うことが出来ます。

-動画(登録機能)-


持ち物通知機能

先ほどの登録機能で登録した持ち物を、通知する機能です。

音声で読み上げるだけだと覚えられないことがあるため、子どもが所持しているタブレットにも通知します。今回はSlackを使用し、BOCCO emoが読み上げた持ち物をタブレットにも通知するようにしました。

データベースに登録した持ち物をBOCCO emoが発話し、Slackを使用してタブレットにも通知します。

さらに、持ち物を通知する際にBOCCO emoとのやり取りが可能です。例えば「〇〇は持った?」という通知に、子どもが「まだ持ってない」と返すと、それに合わせてBOCCO emoが「今準備する?」のように聞き返します。子どもの状態や気分に沿ったやり取りを通して、子どものペースで準備することをサポートします。

今回は、子どもが持ち物を準備する際に役立ちそうな、5つのやり取りを実装しました。

1.通知(肯定/否定)
2.再通知
3.繰り返し
4.一緒に準備
5.競争

1.通知(肯定/否定)
「○○持った?」という通知に対して、子どもが既に準備を終えている場合は「バッチリだね!」「すごい!」のような喜ぶアクションを返します。
まだ準備していない場合は「今準備する?」と確認を行います。
子どもの準備の有無に対応する、基本的なやり取りになります。

2.再通知
通知に対して、後でやりたい場合は、「後でにして」と返すと一定時間空けて再通知を行います。
準備して!と促されても、別のことに取り組んでいてタイミングが合わなかったり、気分が乗らなかったりすることは大人にもあることです。こうすることで、子どもが自分で準備できるタイミングを調整できるようにします。

3.繰り返し
通知に対して再度確認したい場合は、「もう一回言って」と返すと持ち物を再度ゆっくりと読み上げます。
通知を聞き取れなかった時はもちろん、何度も自分で聞き直したい時などに使用します。人だと繰り返し聞くことが憚られることがありますが、BOCCO emoなら何度でも答えてくれます。

4.一緒に準備
「一緒に準備しよう」と答えると、持ち物を一つずつ読み上げ、その都度かばんに入れたかどうかを確認し、一緒に準備するようなやり取りを行います。
大人が常に隣で確認しないと準備が難しい子どもには、持ち物を一つずつ準備出来たかどうか、大人の代わりに連れ添って確認してくれるこういったやり取りが重宝されるかもしれません。

5.競争
「競争しよう」と答えると、BOCCO emoと競争対決が出来ます。BOCCO emoが10数え出すので、子どもはその間に持ち物の準備を行います。
モチベーションさえあれば準備ができるタイプの子どもにとっては、こういったゲーム性あるやり取りはそのきっかけになるかもしれません。
最後に準備ができたことを報告すると、喜ぶアクションを取ってくれます。

-動画(通知機能)-


おわりに

今回は子どもが楽しく持ち物を準備できるように、BOCCO emoをカスタムしました。
今回は持ち物の名前だけの通知でしたが、明日の予定と合わせて教えてくれたり、持ち物の準備だけでなく、宿題をやるタイミングの声かけをしてくれたりしても面白いかもしれません。

子どもにとっては親に言われるとやる気が出づらいという時があります。親もついつい強く言い過ぎてしまうという日があると思います。そんな時に、BOCCO emoが優しくその間を取り持ってくれるような場面が増えたら嬉しいです。

BOCCO emo APIsの活用について、サポートしますので、ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください!



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