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UXデザインチームが受託開発も始める話。-面白い仕事を求めて-

「エンジニアリング込みでUXデザインをやりたい」

これまで私たちはUXデザインとUIデザインでお仕事をしていたのですが、常にある欲求を感じていました。

それは、

「自分たちでデザインしたものは、自分たちで作りたい」

という欲求です。

たとえクライアントのプロダクトであっても、私たちUXデザイナーにとっては自分のプロダクトも同然です。

UXデザインの過程でプロダクトやユーザーに対して愛着が湧いて、四六時中そのプロダクトやユーザーについて考えています。

しかしエンジニアリングチームが無い以上、私たちはデザイン以降のプロダクト開発に関わることはできませんでした。

デザインの後もUXにこだわってモノづくりをしたいという欲求を叶えるには、エンジニアリングチームを作って、開発も担えるようにしなければいけない。

そう感じた私たちは、まずフリーのエンジニアさんたちの話を聞いてみることにしました。

😇 フリーランスエンジニアの愚痴

まわりにいるフリーランスエンジニアの話を聞くと、彼らは彼らでいくつかの悩み事があることが分かりました。

それらは私たちのクライアントワークでは起こったことがない問題だらけだったので、驚きました。

彼らの悩みはたとえば、次のようなものです。

1.
「誰にとって必要なサービスなのか不明確で、モチベーションが湧かない…」

私たちのクライアントワークでは、これは起こり得ません。

誰にどういう価値を届けるのかという定義を、お仕事が成約する前の打ち合わせ時に行うからです。

これは、UXデザインの第一歩であるユーザーへの共感を、自分たちの中に生む目的で行っています。

ここで定義出来ないよく分からないプロジェクトの場合は、まず受注に至りません。

2.
「プロジェクトが方針転換した時、その理由がよく分からないことが多い。偉い人の思いつきかなと思ってしまう」

私たちのクライアントワークでは、極少コミットの案件を除いてクライアントから急に方針転換の通知が来ることはありません。

方針転換のための最も重要な情報(即ちユーザーに関する情報)の大部分に私たちが触れるため、必要な場合はむしろ私たちから方針の転換を提案しています。

3.
「デザイナーさんと意思疎通がとれない」

デザイナーさんがクライアントの社内にいる場合も、外注されている場合も、うまく意思疎通がとれないようです。

一方、私たちUXデザイナーはステークホルダーもエンジニアも、すべての人を巻き込んでデザインを行います。

よって、エンジニアがデザイナーとのコミュニケーションコストに悩むことはありません。話しかければいつでも反応しますし、チームの中で最も饒舌です。

またワークスタイルとして、分報などを通して仕事以外のコミュニケーションにも努めており、全員に顔が見える体制でプロジェクトを進行していきます。

4.
「画面繊維図すら無いから作るものの全体像を誰も把握してない」

これはかなり基本的な悩みですよね。

画面遷移図? 作るに決まっています。

一覧性の高い中途生成物は誰が見ても明らかなものとなり、チームでの仕事において高い価値を持ちます。

私たちUXデザイナーがチームで仕事をする時、遷移図を作らないことはあり得ません。

そして、画面遷移図だけではありません。

実際に触って動かせるプロトタイプも、デザインアセットも、デザイン仕様書も作成するケースがほとんどです。

これは私たちの意図通りに実装してもらうためで、エンジニアのために実施しているわけではありませんでしたが、彼らのためにもなることを理解しました。

5.
「iOSもAndroidも同じレイアウトで作らされる」

iOSとAndroidのレイアウトを同じにすることがエンジニアにとって辛く、時としてトラウマものであることを私たちは理解しています。

重要でない箇所に割くコストが増大し、開発スピードが無駄に低下することを理解しています。他に様々なデメリットがあることも。

クライアントには次の点を伝えています。

- デザインを揃えることで削減できた工数以上に、エンジニアリングの工数が大きくなること
- iOSユーザー、Androidユーザー両方にとって微妙なUIになること
- ストアでのランクが下がり、長期的な広告コストが大きくなること

これを聞いたクライアントの多くは、デザインを別々にすることを許諾してくれます。

私たちのデザインワークは、エンジニアの仕事をかなり幸福なものにする可能性を秘めていることを理解しました。

🤔 エンジニアリングが得意な企業も、UXデザインに興味はある

UXデザインは、既に開発者が広く知る言葉となりました。

ただ、UXデザインを実践できている企業はまだまだそう多くありません。

エンジニアリングのリソースはあってもデザイナーがいない企業や、グラフィックやWebデザイナーしかいない企業など…。

しかし話をする中で、彼らも独自に勉強していたりイベントに参加していたりと、UXデザインに関心があるのだと分かってきました。

問題は、興味もありインプットの方法もあったとしても、実践の機会が少ない(もしくは無い)ということです。

彼らは私たちとUXデザインの過程をともにすることで、実践投入の前にその効能や進め方を理解しておきたいようでした。

私たちは、UXデザインの仲間が増えることを大いに歓迎します。彼らと良い関係を結べると感じました。

🙌 パートナーができました

以上の経緯で、私たちは、個人・企業問わずエンジニアのパートナー候補を探し始め、つい最近、充分な数のエンジニアさんとパートナー契約を結ぶことができました。

エンジニアは、デザイナー以上に知的好奇心旺盛な存在です。彼らが面白く仕事を出来るとき、私たちも面白く働けます。

もしあなたが魅力的な事業を構想していて、作り手にもモチベーション高く、楽しんで作ってほしいとお思いなら、UXデザイナーと一緒にお仕事してもらってはいかがでしょうか。笑

そのデザイナーが私たちだと、尚の事嬉しく思います。😃

この記事は、UXデザインチームが受託開発も始める話。をnote向けにリライトした内容になっています。

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