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発想の転換

社会、経済が混乱する中で、発想の転換が求められています。日本経済は、1990年にバブルが崩壊してから「失われた30年」とも言われ、低成長が続いている。資本主義が本来持つ市場経済メカニズムの資源配分機能(自由競争)が強調されたり、財政政策によるケインズ的な政府の大胆介入が主張されたりの繰り返しです。アベノミクスの需要喚起策は後者ですね。このあたりで本格的な発想の転換が必要なようです。需要サイドの変革から、供給サイドの変革への進化。特に企業の人材投資は重要です。いくら賃上げを叫んでも、労働生産性が上がらなければ、持続的な賃金上昇・維持は難しい。私などは、人材投資の原資があるのであれば、即賃金に反映するのではなく、まず教育投資に回した方がよいと感じます。従業員の能力強化・成長実感向上で事業成果が上がり、採用・定着も進む。その結果、業績が回復し、賃上げが可能になる。まず賃上げしろと言っても、固定費が上がるので無理のある要請だと思います。理想論、ベキ論ですかね。成果が出るまでには時間がかかります。供給(産業)サイドの変革という点では、人材投資、DX推進、脱炭素などがポイント。自由競争経済かケインズ的財政政策かという議論からの転換が求められます。

発想の転換と言えば、モデルナ社が典型的な例です。世界的なワクチン開発競争の中で、一般にはほとんど知られていないモデルナが開発に成功した。設立からわずか10年余りの米国ベンチャー企業です。これまで医薬品の販売実績はゼロ。それがたったの3日でワクチン開発に成功しました。その後9ヶ月余りで臨床試験まで完了。通常10年以上かかるこのプロセスを異次元の短縮です。モデルナが作ったメッセンジャーRNAワクチンというものが、製薬におけるいかに大きな発想転換かがわかります。要は、対外で薬を作って投与するのではなく、設計図のみを投入して体内で自ら薬を作ってもらおう、という戦略のようです。よくわかりませんが・・・。これは一つの例ですが、国家経済にしても、企業戦略にしても、テクノロジーにしても、発想の転換が必要な時代ですね。

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