インテリアコーディネーターに独学で一発合格した勉強法(筆記2ヶ月、製図1ヶ月)

勉強期間の前提として

ここで書いている勉強期間は大学などで建築を専攻している人向け、つまり建築やインテリアに関する基礎的な知識がある人向けです。しかしながら、インテリアコーディネーターの試験内容は、身近な暮らしと関連が深い分野なので、インテリアが好きであれば楽しんで学べると思います。そして、建築士試験ほど固い物ではなく、過去問からの繰り返しの出題がほとんどなので攻略しやすい資格試験と言えます。
合格率は筆記試験と製図試験と合わせて約23〜24%程度ですが、過去問を中心にコツコツやれば必ず報われるタイプの試験なので、ぜひポジティブにチャレンジしてください!
以下は、私の独学法の内容ですが、少しでも役に立ったら嬉しいです。

一次試験(筆記)の勉強期間は約2ヶ月

建築学科を卒業している人ならば、2ヶ月間集中的に勉強すれば十分合格が見込めると思います。あと、私は単純に仕事が忙しくてそのくらいしか勉強期間を確保できませんでした。(筆記試験の直前まで他の資格試験を受けていたせいもあります。)
2022年までマークシートだった回答形式が、2023年からパソコンでの入力形式(CBT方式)に変わるようですが、出題内容は大きく変わらないでしょう。

一次試験対策で使用した問題集

使用した問題集は3種類です。
●インテリアコーディネーター1次試験 過去問題徹底研究 上巻・下巻
●インテリアコーディネーター年度別過去問題集(1次試験問題4年分を収録)
●インテリアコーディネーター1次試験 一問一答徹底研究

一次試験対策で使用した問題集

すべてハウジングエージェンシーが出している、めちゃくちゃ王道なやつです。私も色々な方の独学勉強法記事を調べましたが、特に「過去問題徹底研究」は、ほぼ100%の受験生が使っているのではないでしょうか。書店でも平積みになっていました。
それぞれ範囲が被るのに何故この3種類なのか?というのを以下、解説します。

●インテリアコーディネーター1次試験 過去問題徹底研究 上巻・下巻
一番合格に貢献したのはこの問題集でした。解きながら学んで行く感じです。特に強調したいのが、正答以外の選択肢と、解説ページの内容まですべて理解することを意識してください。
あと、どんな資格試験でも言えることですが、学んだことはすぐに復習するほど記憶に定着しやすいので一度解いた問題はできるだけ早くもう一度解いてください。これをやるだけで知識の定着度が全然違います。しかも時間が経って忘れてしまった頃にやると、忘れていて分からないことでストレスを感じて勉強が嫌になっちゃったりしますので。(脳には、すぐに成果に結びつく行動=簡単なタスクが大好きという性質があります。)私は大体、毎晩1単元やって翌朝にその復習をするという形で進めました。また、解説に書かれていない内容や分からない用語があったら調べて書き込みをしていました。最終的には3周しました。
ちなみに、同じシリーズで、これ以外にも「合格教本」というタイトルのテキストもあり、購入するか迷ったのですが、そこまで手を付けられないと思ったのと、この「過去問題徹底研究」は解説が丁寧で、かつ過去問の形式にも慣れることができるので合格教本は無しでも全然大丈夫だと思いました。

●インテリアコーディネーター年度別過去問題集(1次試験問題4年分を収録)
上で紹介した「過去問題徹底研究」ともろかぶりな内容ではあるのですが、資格試験の基本は兎に角過去問です。なので、過去問の形式を知っておくために購入しました。
上の「過去問題徹底研究」を一通り解いた後に、理解できているか復習するのに使うのもいいと思います。最終的には2周やりました。

●インテリアコーディネーター1次試験 一問一答徹底研究
過去問が一番大切とは言いつつも、過去に出ていない新しい設問対策もしておきたいところです。ハウジングエージェンシーのシリーズの「予想問題徹底研究」を買うという選択肢もありましたが、それとこの「一問一答徹底研究」どちらかでいいと思う、という体験談を見つけて私は一問一答徹底研究を選びました。
ちなみにこの一問一答徹底研究は持ち運びに便利なサイズなのがおすすめポイントです。私はこれを通勤電車の中で読むようにしてスキマ時間を活用するようにしました。単元ごとにまとめページ→問題の構成なのですが、このまとめページが図や表で暗記内容がまとまっていて(例えばカーテンの種類が図とともに1ページにまとまっている)、さらに赤シートで隠せるようになっているので暗記ツールとして持って来いの一冊でした。これも3周しました。

以上の学習方法で、自己採点の結果、合格点(予想)プラス約15点で一次試験を通過できました。
※合格点は毎年およそ総得点の70〜75%と言われていますが、得点は非公表となっています。

当日自己採点のすゝめ(意外と大事)

試験後は製図試験に向けて気持ちを切り替えるためにも試験当日の自己採点をおすすめします。合格発表を待ってから製図試験対策に取り掛かっていてはとても間に合わない、ということもあります。
試験の帰り道に各予備校スタッフが「無料で自己採点できますよ〜」とチラシを配っているのを利用してもいいと思いますが、私はその後の予備校勧誘がだるすぎる…と思ったので、ツイッターで検索し、筆記試験当日夜に解答速報を流してくれる親切な予備校のyoutubeチャンネルを探し当てて自己採点しました。

二次試験(論文+製図)の勉強期間(一ヶ月)

この年は個人的に転職したすぎて、4〜12月にかけて合計5つの資格試験を並行して受けるという無茶なスケジュールを組んでいたので、製図試験の直前までカラーコーディネーターアドバンスクラスと色彩検定1級一次試験を受けていたこともあり、インテリアコーディネーター二次試験の準備期間が一ヶ月しか確保できませんでした…。はっきり言って一ヶ月はぎりぎりの勉強期間です。
さらに製図未経験者の方は最低二ヶ月は見ておいた方が無難と思われます。
あと、平面図は毎年必ず出ますが、その他の図面(断面図、アイソメ、パース、家具正面図等)でどれが出るかによってその年の難易度が左右されます。アイソメとかパースが出ると、試験時間がなかなかタイトな傾向かと思います。時間を測りながら練習するのがおすすめです。
ちなみに、製図そのものの難易度ですが、アイソメとかパースはちょっと厄介な部分もありますが、建築学科では大抵大学1年で製図(手描き)の勉強をしますし、院試や建築士試験で製図試験の経験がある人にとってはそんなにハードルの高い物ではありません。

二次試験対策で使用した問題集

使用した問題集は以下の2冊です。
●インテリアコーディネーター2次試験過去問題徹底研究
●インテリアコーディネーター2次試験予想問題徹底研究
これもお馴染みハウジングエージェンシーの出している問題集。もはやハウジングエージェンシーに足を向けて寝れないレベルで試験対策としては万全の問題集だと思います。

二次試験対策で使用した問題集

製図道具

試験で持ち込める製図道具は必ず各年度の受験票で確認してください。私が持ち込んだのは以下の道具でした。
●製図用シャーペン(HB 0.3ミリ、0.7ミリの2本)…大学時代のをそのまま使っただけで、この太さがおすすめという訳ではありません。むしろ0.7ミリだと縮尺1/50で太線を描くにはちょっと太さが足らないこともありました。人によって筆圧なども違うのでご自身にとって丁度良く太線と細線が描ける芯サイズを用意するのがベストです。
●消しゴム…消しカスが纏まりやすく、しっかり消せるハードタイプ
●字消板…細かい修正に便利です。
●製図用ブラシ…手ではらって図面が汚れるのを防ぐ
●三角スケール
●15cm定規
●30cm定規
●三角定規
●型版(テンプレート)円定規だけのもの
●色鉛筆…持ち込める本数が毎年違います。試験会場の机は狭いので、自分が使う本数を厳選して持ち込みましょう。
●ミニ鉛筆削り

製図の勉強方法

図面は30枚描いたら安全圏、最低でも20枚は描いた方が良いという情報をよく目にしますが、自分が体験してみて最低20枚を目標に、というのはおおよそ正しいと思いました。
ちなみに過去問題集に10題、予想問題集に8題載っていたので最初はこれを2周するぞと意気込んでいましたが、結局ぎりぎり20枚+苦手な種類の図面(パースとアイソメ)を個別に練習して終了という感じでした。特に、予想問題集の2、3問は解く時間が無く、解答例のチェックだけで終わってしまいました。
具体的な学習方法について、まずは、過去問の解答例をそっくりそのまま写す→見ないで描いてみる、というところから始めてみてください。最初はこれだけでもかなり時間がかかると思います。製図の学習は、このお手本をなぞるということが一番大切だと思います。また、一度見て写した物でも見ずに描こうとするとなかなか思い出せなかったりします。そうすると自分のわかっていない部分が浮き彫りになります。これを繰り返すうちにだんだん要領が掴めてきます。この試験ではオリジナリティは求められないので、解答例を見ずに一から図面作成する必要はあまりないと思っていて(ただし、慣れてきたら予想問題集などで、問題文を読み、エスキースレベルで自力で解答を一度考えてみる→解答例の確認ということを最低数回はやった方がいい。)、解答例を写しながらひたすら、各種寸法を頭に叩き込むこと、線の引き方(どこが太線になっているかあるいは細線か、棚の断面で板の線は側面と後方でどちらが勝つのか、フローリングは全て描くか省略するか)、描く順番(漏れがないように問題文に沿って埋めていく、大きい家具や壁際に近いアイテムから描く、フローリングの線や文字は最後の方など)、色の塗り方(速く綺麗に塗る意識、家具ごとに使う色を大体決めておく)など、本番で再現することを意識した訓練が必要です。三角スケールで速く線を引く練習も大事かと思います。
あと細かい話ですが、線はできるだけはみ出さない、文字は大きさを揃えるなど少しでも意識すると図面の見映えが良くなります。他の方の体験記事を読んでいるとたまに練習図面を載せてくださっている方がいますが、私自身の図面のレベルを振り返っても、解答例ほど綺麗に描けなくても(正直少し下手でも)合格できるようなので、採点者に最低限の意図が伝わる物を描くことを目指しましょう。
この製図試験は問題文に記載されている要求を一つでも落としたら命取りです。スマートじゃなくても、綺麗に描けなくてもいいので、問題文に書かれている内容が全て網羅できているかを鬼のようにチェックしてください。最後に10〜15分以上見直しの時間が設けられるのが理想です。文字の描き忘れ、寸法ミス、植栽や照明の描き忘れなどありがちだと思うので、問題文と図面を見比べるチェックは必ずしましょう。着彩後にミスを見つけると修正が大変なので、着彩前に見直しても良いと思います。そして、色鉛筆で色塗るのが意外と時間がかかるので、着彩の練習も必ずしておきましょう。

忘れてはいけない論文対策

文字数もさほど多くありませんし、大学のレポートや何かの論文試験に慣れてる方であれば、難易度的には問題ないと思います。
まず過去問の解答例をパラパラと見て傾向が掴めたら、何も見ずに書くということを2、3年分やれば十分かと。あとはすべての解答例について、テーマごとにどんな事例や対策を取り上げているかをピックアップして、高齢者対策や省エネ、エレメント(例えばカーテン)等、「こうやって回答しよう」ということを準備しておけば大丈夫です。
私は試験時間の最初の30分で論文をやっつけてできるだけ製図に時間を割くことに決めていました。
二次試験のウェイトは製図の方が圧倒的に重いので、論文はあまりにも的はずれなことを書いているか、文字数が足りないなどで無ければ合格点がもらえるはずですが、油断しすぎてここで点数を落とすことがないよう、最低限の準備をして試験に臨みましょう。


(余談)買わくても良かったな…と思った参考書

●インテリアコーディネーター合格テキスト
●これ1冊で最短合格 インテリアコーディネーター2次試験対策テキスト&問題集

上記2冊は一般的なインテリアコーディネートの知識を学ぶということであれば良いかと思いますが、この試験対策としては無くてよかったというか、試験対策には直結しない印象だったので、ほぼ使用しませんでした。

私の独学勉強法は以上です。一人だとネット以外で情報が得られませんし、たくさん不安になると思います。でも、信じて学習を進めれば、あるところで「わかってきたぞ!」という感覚がじわじわ出てくる筈です。勉強した時間は必ず報われます。ぜひ自分を信じて頑張ってください!

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