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パン作りはじめました。 -洋画ロケ地オタクの2020年-(ぽっぽアドベント参加エントリ)

はとさん(@810ibara )主催の #ぽっぽアドベントhttps://adventar.org/calendars/5273) 5日目にようこそ。
2つ目の記事担当、しーなです。普段は洋画沼に住んでいます。

去年、いろんな方の情熱の話を読んで胸を高鳴らせ、いいなー!私も書きたい!と思っていたところ、今年は参加させていただけることになりました。嬉しい!ありがとうございます!!

そんなわけで、私の「変わった/変わらなかったこと」のお話をお届けします。

変わったこと①ロケ地オタクとしての活性が低下

低下というか、もはや活性を失ってしまったような状態です。

いきなり何を言い出すんだ、という感じなのですが、私はダニエル・クレイグ主演の映画007シリーズをこよなく愛するロケ地オタクです。この数年というもの、ジェームズ・ボンドの足跡を追ってイギリスに渡り、ロンドンに住み着いて、そこからトルコに飛んだり、アルプスの山に登ったり、イタリアに出かけてカーチェイスのコースを辿ったり、ついでにミッションインポッシブルCMBYNなど他の映画のロケ地にも行ったり、さらにはウエストエンドで劇場通いをしてみたりと、洋画洋ドラオタクとしての楽しみを全身全霊好き放題満喫してきました。

そんな私にとって、今年は試練の年でした。
3月、本来なら4月に公開が予定されていた映画のシリーズ最新作「007 ノータイムトゥダイ」の公開延期が発表されたのです。

この作品は、ダニクレさんが主役のジェームズボンドを演じる最後の作品だと言われています。言ってみればアイドルにとっての卒業公演のようなもの。私は、全力で楽しんで全力で送り出すつもりで、ロンドンでのプレミアに参加するのはもちろん、そのままイタリアとフェロー諸島のロケ地巡りにも行くつもりで、航空券その他諸々を手配して公開を待ち構えていました。仕事だってそのために辞めて、映画とロケ地とその他諸々の喜びをたっぷり楽しむつもりだったんです。

その知らせが世界を駆け巡ったのは、私がBFIIMAX(イギリス最大のIMAXシアター)の初日初回上映のチケットを買って、遠足前日の子供のようにウキウキと眠りについた翌朝のことでした。
布団の中でTwitterに載せられた公式からのアナウンスを見ながら、全身の力が抜けて絶望に沈んでいくような気持ちになったのを覚えています。あの日の私はどうやって仕事に行ったんだろう? 生きる糧が失われてしまったと思いました。(今にしてみると、ちょっと大袈裟な表現ですね。活力の源が枯れた、の方が正しいかな?)

その後、3月に予定通りイギリスに渡航しましたが、すぐにCOVID-19の流行が悪化し、1週間で逃げるように帰国。映画がなくてもせめて、と望みをかけていた劇場通いも、イギリス国内での旅行もできず、それどころか、日本から出られず、一時は家からも出られないような状況で過ごすことになったのです。情熱を注ぐ対象が目の前から消えてしまい、力なく暮らすうちに、気がつけば、私のオタクとしての活性はすっかり失われてしまっていました。海外とかロケ地のことを考えてもあまり楽しくない。楽しめない。妄想もそんなに湧いてこない。

なんか、カラカラになったサバンナに残されたカバみたいな気分とでもいえばいいのでしょうか? ノータイムトゥダイという名の水が来ればきっとまた元気になると思うんですが、今は絞っても何も出ない…みたいな感じです。以来、すっかりオタクとして失活し、今年はほとんどよぼよぼと過ごしました。(とは言っても、ハルさん(@haru_halll)主催のエア感想本ではエアロケ地巡りをして、ちょっと元気になりました。意外と絞ればまだ出る。)

変わったこと②パン作りに目覚めた

ですが、オタクという生き物は、いや、主語がでかいですね、訂正。私は、何かしら情熱を注ぐ対象がないと生きていけないようです。

4月下旬のイースターの頃、パン作りをはじめました。

これまで、パンを食べるのは大好きでも、作るのとは無縁の人生を送ってきました。自分には難しいんじゃないかと漠然と思っていたのです。それが、どういうわけか、この春、イギリスでイースターの休日に食べられるホットクロスバンズがどうしても食べたくなって、自分で作ってみることにしました。その辺のパン屋さんで売ってないし、レシピを調べたら意外と簡単そうだし。できるんじゃない? というか、やってみたい! 思い立ったが吉日です。

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で、できたのがこちら。ど素人が作ったにしては中々じゃないですか? スパイスの香りが豊かで、噛むほどに口の中に幸せが広がる、大変おいしいホットクロスバンズが出来ました。ビギナーズラックすごい!

家族にもすごく好評で、おかげさまですっかり調子に乗りました。このパンを皮切りに、パン作りの楽しさにズブズブとはまってしまい、以来、せっせとパンを焼き続けています。パン作りが新たなる情熱の行き先としてすっかり定着して、気づけば、イギリスロスやボンド公開延期の痛みを乗り越え、すっかり元気になっている自分を見つけました。情熱を注ぐ対象があるって、いいことだなあ。

パン沼楽しい!

そんな感じでどハマりしているパン作り。何が楽しいのか、ちょっとお話しさせてください。

まずは第一には、おいしいこと。だって、焼きたてパンってそれだけでもう、絶対おいしいじゃないですか。想像してみてくださいよ。オーブンから出てきた熱々の食パンを、手でむんずと掴んで割る。中から湯気がふわっと上がって、乗っけたバターが蕩けて……。焼きたてパンを頬張るときの、あの幸福感といったら! 同じ幸福を家族や友人に分けられるのも良いところですよね。

あと、味覚以外の五感もフルに刺激して満たしてくれるのが、私がパン作りを好きな理由のひとつです。生地をこねる時、発酵の状態を見極める時、主に駆使する触覚。生地の触り心地って、状態によって結構違うので興味深いです。ただの小麦粉と水がパンになっていく過程が指の感触で分かるって、ちょっとワクワクしませんか。それに、単純に、パン生地はとっても触り心地がいい。水分多めのサワードウ生地を丸める時なんて、やわらかくて、ぽよんぽよんしていて、最高です。ついつい余計に触ってしまう。

見た目や匂いもパン作りのための重要な情報を与えてくれます。発酵の具合とか。イースト菌が発酵して増えてきたときの匂い、好きだなあ。まんまるすべすべな生地がゆっくりと膨らんでいくのを見るのも好き。見ているだけで幸せになれる。

パン作りに耳は使わないと思うでしょう? それが聴覚を満たしてくれる要素もあるんですよ。私はハード系のパンを焼いたとき特有の、焼き上がりに皮に亀裂が入るプチプチという音を聞くのが大好きです。陶器に貫入が入る音に似ているんじゃないかと思う。あれは癒される。

それに、今や果てしなく遠くなってしまった異国に憧れを抱く身としては、異国の味を身近に感じられるのも、パン作りの良さだと思っています。料理全般にも言えると思うのですが、自分で作ってしまえば、いわゆる口内帰国というやつがどこか遠くに行かなくてもできる。色々作るために、動画を見たり、インスタを見たり、ブログを読み漁ったり、おいしそうなレシピを探しまわっています。ロケ地を探すときもそうなのですが、情報収集は私の趣味の一つなのかもしれません。延々やっていても全然飽きない。去年まで推しの活動やロケ地情報を調べるために鍛えてきた情報収集能力が、今では食べたいパンのレシピを探すのに役立っています。

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イギリスのパン屋さん、ブレッドアヘッドのドーナツみたいなドーナツを作ることにも成功しました。これを食べながらなら、ロンドンの街にいる架空の人たちのことも妄想もできる気がしてきます。

変わった/変わらなかったこと

そんなわけで、2020年は私にとって、オタクとして情熱を向ける対象が変わり、同時に、何かに情熱を注ぎ続けるという性質は変わらない、そんな年でした。(もうひとつ、恐らくはオタクとしての活動量が落ちていたために、数年ぶりに恋人ができるという個人的大変革も発生したのですが、あまり面白く書けそうもないのでここでは割愛します。)

願わくば、来年こそは、007ノータイムトゥダイが予定通りに公開されて、ダニクレさんのボンド卒業に大騒ぎする記念すべき年になりますように。そして私の洋画ロケ地オタクとしての情熱が帰ってきますように。あとあと、みんなにとって今年より素敵な良い年になーあれ!

明日の執筆者は、ただのさん、安琦さん、真魚さん!!
クリスマスまであと20日、みなさんのお話、楽しみです!!!


↓全参加者の記事を読むのに多分一番便利な、主催者はとさんのツリー@Twitter

↓最近焼いたパンとかお菓子のまとめ@Twitter

https://twitter.com/i/events/1284783253816135680

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