he is for She is (8)

女の気持ちになって文章なんか書いてもダメ、猫だか犬の気持ちになって漫画を描いたらバズるしモテるよ、と言われて呆然としている。



he is for She is 連載8回目
(1200文字 40分くらい?)



『日常こそドラマチック』




あたしはあたしのことをアメリカ人みたいな気分にさせてくれるような人が好き。


別にアメリカに対して特別な感情を抱いた事はないけれど、アメリカの文化に対しては憧憬の念を抱く事があって、例えばプロムの日にタキシード姿の彼(この場合は付き合ってないほうがロマンティックでよい)が家まで迎えに来て、髪をアップにしてドレスを着たあたしを見て玄関で大袈裟に褒め続けるんだけど、途中から横にママが居たことに後で気付いて顔が真っ赤になってるのにパパったら呑気に写真を撮りだして、お揃いのコサージュとブートニアを見て照れ笑いなんかしてみたいなって思ったり。


ちょっと具体的過ぎ?あとは勿論バチェロレッテ・パーティーで、壁にケータリング業者がドン引きするくらい元カレとの写真を貼りまくって、筋肉隆々の腕に訳わかんないタトゥーが入ってるタイプのイケメン人気ストリッパーを呼んでバカ騒ぎしたいし(あたしは警官より断然消防士派!)やっぱ最後はクラブでBitches〜!!って叫びながら色んな男を誘惑しつつ踊り狂いたいの。


えっ?海外ドラマの見過ぎじゃない?って言われるとまぁ確かにそうかもしれないけど、一番あたしが良いなと思ってるのはそんなんじゃなくって、家族や恋人の写真を飾る文化。そうそう、あの巨大な冷蔵庫にベタベタ貼ってあったりする感じのやつね。あれが心から羨ましいなあと思ってて、もしあたしも結婚して家族が出来たら(別に恋人でやるのは今のところいいや)絶対に真似したいなと思ってる。


あとは初出勤のタイミングとかデスクが移動した時に、バンカーズボックスをボンボンボンって机に置いてから、お気に入りのスポーツチームのマグカップを取り出して、壁に卒業証書を掛け、最後に家族の写真を飾り「フゥ…」とため息をついてみたい。日本でやったらバカ丸出しかもしれないけど、とりあえず子供が産まれるまでは旦那さんと新婚旅行で撮った海辺でのツーショットかなんかを置いて浸ってみたいのよ。わかるかなぁ、残業してる時にその写真を見てもうひと頑張りするかって思ってみたくない?


まずあたしには旦那どころか恋人も居ない訳だけど、まぁ夢を語るのは個人の自由と言うか、もう少し現実的なところでは携帯の待ち受け画面にできるくらい好きな恋人が欲しくって、それって色んな意味でハードルが高いけれど、でも今のあたしにとって恋人の条件がそれなの。あんま多くの人から共感は得られないだろうけれど、別にそれはいい。


逆に彼の財布の中にあたしの写真が入ってたらどんな気持ちになるのかな。うーん、悪い気はしない。どちらかと言えば最高かも。やっぱ来年はジムちゃんと行こうかな。あたしがアメリカ人でいられるためにも。




仕事初めの際は、マグと学位と写真を職場に持ってって、働き方改革してみてはいかが。はー、大晦日が始まる深夜にこんな文章を書いてるあたしってなんなんだろ。。

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