株式会社DonutsはVTuberとファンが１対１で会えるサービス『ときめきVR』を発表しました。

公式プレスリリース：
人気VTuberとファンの方々が、1対1で気軽にファンミーティングを行うことができるVRコンテンツサービスです。このサービスでは、VTuberは大規模な機材を使う必要がなく、iPhoneのみを使ってライブ配信が可能です。
ファンの方々はVtuberが販売を開始したトークLIVEチケットを購入することで、2分間の1対1トークが可能となります。
オンラインだからこその安全性と、VRによる体験の臨場感を両立したサービスとなっています。
https://tkmk.live/top.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000688.000004237.html

これはいちから株式会社の『ユメノグラフィア』のように「VTuberと1対1で会う」体験を売りにしたサービスです。
2021/2/27にトライアル体験イベントが開催されます。

「VTuberと1対1で会う」という需要は大きいですが、私は、このサービスが普及するかは懐疑的に見ています。

アプリが難しすぎる可能性

こちらのサービス事業者である株式会社Donutsは、YouTubeと他プラットフォームを連携できるMixTubeというサービスを展開しており、私は公認VTuberとして選ばれた経験があります。
しかし、アプリの連携が非常に面倒くさく、私は１度だけで止めてしまいました。

ユーザーが満足するVR体験を与えられるのか？

にじさんじのユメノグラフィアは演者側もVR機器を使いますが、『ときめきVR』ではVTuberはVR機器を使わないようです。
VTuberはその分手軽に配信できるかもしれませんが、ファンに満足できる体験を提供できるかは懐疑的に見ています。
VTuberもVR機器を使う、『ユメノグラフィア』や『X-oasis』（VR風俗）
のような形のほうがファンの満足度を高められるのではないでしょうか。

価格設定が強気すぎる

トライアル体験イベントでは2分で2000円のチケットが売られています。
競合となるユメノグラフィアでは30分4400円ですので、かなり強気な価格設定です。
トライアルだけの価格なのかもしれませんが、この価格帯が標準ならば、ファンといえどもリピートは難しいでしょう。

後乗りでOK

『ときめきVR』は普及させるには課題が多いように感じますが、試み自体は面白いですね。
VTuberとしての戦略は、「アプリが使いやすくサービスが波に乗れば参加してみる」程度でいいでしょう。自身のファンに向けたサービスですので、早く始めた方が有利というわけではありません。

腕のいい3Dモデラーの取り合いへ

今回のニュースから分析できるのは、もはや3Dのアバターを持っていないとVTuberの活動が狭められる時代ということです。今後増えていくであろうVR空間で行われるサービスでは3Dのアバターが必須となります。
これにより、
・3D VTuberの需要増加
・3Dモデラーの需要増加
が見込まれます。特に3Dモデラーは全くと言っていいほど足りていません。ココナラでの3Dモデリングの平均価格はどんどん増加しています。

私は3Dモデラーのコンサルも請け負っていますが、コミッション（直接依頼）のモデリング価格はどんどん増加しています。3Dのモデリングには１体１カ月程度の時間がかかります。腕のいいモデラーには依頼が殺到するので、新規着手まで半年待ちなど当たり前です。
今現存するVTuberがいっせいにに3Dモデルを求めると当然供給は追い付きません。

既に3Dモデルを持っているVTuberであっても、常にモデルのアップデートは必要です。モデラーによっては「最後まで面倒を見てあげたいから１度に１体のVTuberしか担当しない」と決めている人までいるそうです。

モデリングはキャラクター以外にも需要があります。今後は3Dモデラーという職業に注目が集まっていくでしょう。

絶対にアイドルVと見てもらえないVTuberのお気持ち表明

私は個人VTuberとして、登録者数2万人の数字を持っているのですが、『ときめきVR』のようなアイドルVTuberの集いに呼ばれたことがありません。
有難いことにABEMA NEWSやNEWS PICKSなどのメディアには呼んでいただけるのですが、これは「おじさん経済解説枠」としてのものでしょう。

私もアイドルVTuberの集いに呼ばれるようになりたいものです。

以前クレーンゲームのグッズになるお話をいただいたのですが、その枠を（おそらく）アイドルVに取られたこともありました。ふぁ〇く!!
最後に、今回取り上げた株式会社Donutsの別サービス『MixTube』でアイドル達の集合絵に入れずハブられたエピソードを紹介して終わります。

VTuber向け新サービスのスタートアップメンバーに選ばれたが……ハブられた話