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#68 パルテノン神殿!そしてバンコク以来の孤独感再び🇬🇷

6/19 ゼウス神殿/リュケイオン/パルテノン神殿🏛️

目が覚めた時にはホステルにはもう誰もいなかった。スマホの時計は11時を指している。昨日は暑い中かなり歩いたので、疲労がかなり溜まっていたのだと思う。自分のベッドはスペースの関係上廊下にあるのだが、他の人が横を通った気配すら感じなかった。付近にコンセントもないので夜スマホを充電することができず、現在バッテリー残量75%だが、まあ今日一日は持つだろう。
今日は共通チケットでまだ訪れていないパルテノン神殿とゼウス神殿、そしてアリストテレスのリュケイオンを訪ねる。大通りに出たところで、ブランチにハムチーズパイを2€で買って食べながらアクロポリスに向かって南下する。これだけでは栄養価が偏るので、途中スーパーに入りミニトマトを買う。旅人の資本は健康な体なのだ。そしてこのスーパーでは、幸運なことに日焼け止めが半額で売られていた。タイで買った日焼け止めはもう無くなりそうだったのでナイスタイミングだ。

8.5€

ミニトマトを頬張りながら古代アゴラの横を通る。現在12時。体力があるうちにメインのパルテノン神殿を観光しようと思い、アクロポリスを登ったのだが、入り口は他の観光客が殺到していて長蛇の列ができてしまっていた。2時間待ちだとかいう声も聞こえてきた。これは予想外。暑い中、せっかくここまで登ってきたのが無駄になったぜ。観光白書があるならこう書くべきだろう。「もはやコロナ禍ではない」

ハムチーズパイ🧀

仕方がないのでパルテノン神殿は最後に回す決断をした。気を取り直して次に向かうのは「ゼウス神殿🏛️」。今日も日差しが強い。町の温度計は34℃を示している。水を切らすのは即ち死を意味するので1.5Lのペットボトルを1€で買っておく。
ゼウス神殿の前で、「皇帝ハドリアヌスの凱旋門」が出迎えてくれる。パリの凱旋門と比べてしまえば見劣りするが、建てられた時代が時代である。それでもなかなかの大きさだ。ベンチに座り、残りのパイを齧りながら鑑賞した。

ハドリアヌス凱旋門

そうしているとふと、暑さと疲れからだろうか、ここにきて孤独を感じてきた。2ヶ月前のバンコク以来のことかもしれない。

「孤独を感じる場所」というのは孤島や田舎ではない。大抵が「都会」で起こる。なぜそうなるのか、この一人旅を通して理由がわかってきた気がする。人が多い都会では、自分と周囲の関係が希薄になるからだと感じる。その他大勢にとって、自分は背景の一部でしかない感覚。自分が消えたところで誰も気にしない、むしろ認識さえしていないから気づかないといった方が正しいかもしれない。都会でのそんな無力さが寂しさに変わるのだと思う。

長旅において、観光だけをしていると、時に悲しくなってくる時がある。まるで無意味なスタンプラリーをしているように思えてきてしまう。自分は観光スポットを写真に収めるために旅をしているのではない。では結局、何をする為に旅に出たのだろうか。

「この旅の原点、何だったっけかな。」

一年前、仕事をしている時から書いてきた世界一周旅の計画ノートを見返す。見開きには命題が記してあった。

「世界を楽しもう。心ゆくまで。」

そうだ。失敗やハプニングを含めて、自分はこの旅で自分に起こること全てを楽しまなければいけないのだ。4年間勤めた会社を辞めてまでして日本を出てきたんだ。観光なんぞは旅のほんの一部でしかない。体力がまだ余っている20代のうちに、重いバックパックを背負ってドミトリーの安宿に泊まり、世界中の人と話す。世界中の子どもたちとサッカーする。そしてこの旅で起こったことや、感じたこと全てを文章にして記録し残したい。齢を重ねてから「やっておけばよかった」という後悔はしたくない。そう決心して出てきたんだった。
たまに感じる孤独は、原点に立ち返る良い機会なのかもしれない。そう思った。

ゼウス神殿は数本の巨大な石柱が5本ほど、鉄骨で組まれた補強の中にあった。柱は巨大で、紀元前2世紀に完成されたものとはとても思えない。神殿前には大衆浴場のテルマエがあったのだとか。

ゼウス神殿

アリストテレスによって設立されたリュケイオンは他の名所より少し東に位置していた。歩いている途中、大統領邸を発見した。このクソ暑い中、警備をしている守衛さんには頭が下がる。そこを通り越すとリュケイオンはあった。レスリングとボクシングを組み合わせた格闘技が盛んに行われたそうだ。ソクラテスも青年たちと対話する為に足繁く通ったとか。当時の遺構が残されている。

大統領府
リュケイオン
遺構


レスリング×ボクシング

気づけば15時半になっていた。シンタグマ広場を通過して今度こそパルテノン神殿に入場する。昼間の長蛇の列は 無くなっていて、待つことなく入ることができた。
パルテノン神殿も補強のための骨組みがされていた。もはや現代の技術で観光地として何とか生きながらえているという感じが否めない。しかしその壮大さはなかなかのもので、そして高台に位置しているため市内を一望できる景色は壮観だった。

イロド・アティコス音楽堂

ベンチに座っていると、現在マドリードで仕事をしているというインド系の男性が話しかけてきた。どうやら彼はキリスト教伝道師のようで、自分は幼少期、イエスを信じて居なかったが、12歳のときに夢で出会い、その翌日から世界が全て変わって見えたと言っていた。自分も会ってみたいものだ。

伝道師と

本当は明日ミケーネ遺跡に行く予定だったが、この二日間で思いのほか疲労が溜まったので、もう一泊アテネで過ごすことに決めた。今日はWi-Fiを使いたいということもあって、レストランに入り、奮発して12€のチキンフレットを注文した。

12€(約1900円)😵

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