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2話 高校3年就活中、2件隣に漫画家が引っ越してきたので、 とりあえず押しかけて僕が漫画家になるまで

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3話はこちら

https://note.mu/valensia/n/nfc9e4df0e7fe


さて…
毎回読みにくいマンガでスイマセン。

最初文字は打ち込みにしようと思ったんですが、この漫画は
全部手書きの方が「面白く見える」気がするので、この落書き感満載の
感じでやろうと思ってたりします。
後はアレです、自分の恥部を見せることでメンタルを鍛えたい(笑)

で、今回も補足というか、描き飛ばしている所をこっちで話す、
みたいなコーナーですが…

私事で恐縮ですが
僕は子供の頃から絵が好きで、よくいる「クラスで絵や工作がうまい子」でした。
ただ、それも中学位まで……高校に入るとですね、
いるんですよ本格的に絵の上手い人達が。

高校は地域ではなく、色々な所から人が集まり、
各々得意なジャンルの部活等に入るので、必然的にうまい人の横並び現象が起き、
その中でも僕は多分下の方。下手な方になるわけです。自信喪失です。

なので中学で陸上部にいたんですが時結構大変で、
もう二度と運動部には入らないと決めた僕は
細々と美術部で好きな絵を描いていたんです。

この頃の僕は

「美術部なのにリレーの選手に選ばれる程度に足が速い
白魔術書とタロットカードを持ち歩くTM NETWORK好きの
夜中までゲーセンにいるよくわからないやつ」

基本雑学を貪り遊んでいるだけなので
成績は雇用統計のダウントレンドの如く下落。

学校が終わると夜中までゲーセンにいて、
家に帰ってから明け方までゲーム。
朝になると当時数年続けていたファミコン版ウィザードリィの自動レベル上げ
(ジョイカードの連打ボタンを調整して特定の敵を連続で出現させオートで
戦わせる)をセットして学校に行き、寝るという欲望でしか動かない生活を
送っていたので、マンガ自体描く根性がなかったのです。
どうすれば沢山のゲームをこなせるかばかり考えてました。

1話でも描いた通り、漫画家などそもそも一部の才能あふれる天才だけが
なる職業だと思っていたのと、
今回描いたようにペンでマンガを描くこと自体したことが無く、
小学校の時ノートに描いていた漫画や学級新聞の4コマ漫画以外、
完成させたことすらないのです、ただの一本も。
何かちょっとしたファンタジーを描こうと思って数ページ描くと
筆が止まる。
漫画家になりたいのでバンバンマンガを描くぜ、と言う人間ではなく、
後輩などが既に持ち込みに編集部に行ったりしているのを横で見ているだけ。
最初からあきらめていたわけです。

ところがなぜか

そんな奴の生息区域に

漫画家が、家から数歩の所に引っ越してくるのです。

なぜ自分とゲームの話を長々したかと言うとですね。
漫画で描いた通り、僕は当時ゲームが得意だった事で
アシスタントに雇ってもらえるのです。
(一応アシスタントやりながら某企業に就職はしましたが、
その話は追々マンガで)

実際この時本当に皆川さんが絵を観てくれると言ってくれまして、
とはいえ漫画を描いていない僕は面接に持って行っていた素材を
持っていくしかなく、
皆川さんも「これは…観てもよくわからないなあ」となるわけで、
ここでゲームオーバーだと思ったんですよね、
やはり実力がないのに、もしかして、などと甘い期待を抱いた自分が
恥ずかしいというか。

ですがなんだかんだ話をしている時にゲームの話になり、
この頃はまだ皆川さんがそれほどアクションなどに傾倒しておらず
ファイナルファイトの様なジャンルと格闘ゲームの違いを
教えたり、このメーカーが今凄いとか、何かそういう話を沢山したのです。
その流れで
出来ないゲームがあるからやってくれとなり、
マンガで描いたグラディウスⅢのエンディングを見せる、というのと
もう一本、レースゲームのF-ZERO。
僕が当時ミュートシティのタイムアタックで2分を切っていたので、
これのスタートダッシュのやり方とコース取りを教えたという。

どうでしょう。

これで、ゲームの情報とテクニックを皆プロに供給する代わりに、
漫画を教えてもらうという等価交換が成立したわけです(笑)

僕の漫画家修行は18から始まるわけです。

当時の僕に漫画を教えてくれた皆川さんと、当時の先輩スタッフさんには
本当に足を向けて眠れない、人生のターニングポイントは多分、この瞬間。

激運はもちろんありましたが、グラディウスⅢとF-ZEROに切り開かれたわけです。

その直後原稿をじっくり見たいから貸してくれ、と言ったのも
本当です(笑)
しかも皆川さん、貸してくださったんですよ。
こういう空気はやはり昭和を生きた我々というか、大らかすぎる時代というか
この顛末は次回。

前回今回は多少は自分の話をしておきたいと思い、こんな感じになりましたが
次回からは実際にアシスタントに入ってからの話にも触れていこうと思っているので、技術的な話や、実際の漫画家の仕事サイクル、編集さんとの付き合い方等
文章パートはちゃんとした情報コーナーにしたいです。

ではでは次回は原稿を借りた顛末と最初のアシスタントのお話です。
また読んでやってください(^^)



もし気に入って頂けましたらサポート頂けると大変嬉しいです(^^)業界が偏ってしまう内容が多いですが、色々参考になるような記事が書けるようにしていこうと思います。