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キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー見終わった感想。【ネタバレあり】

皆さま、ご機嫌よう。

さて、大分前の映画になるんだけども、シビル・ウォーをもう一度見直しましたので感想です。

と言うのもこのシビル・ウォーという映画は、
ドラマシリーズのファルコン&ウィンターソルジャーや、映画ブラック・ウィドウに直接的に関わってくるキーとなる映画。
この映画なしには、この2作の魅力を語ることができないと思ったので、改めて見直してあらすじと感想を織り交ぜて紹介しようと思いました。

前回自分がシビルウォーを観たのは2年前だったかな。マーベル作品に対してもまだそこまでの興味はなく、キャラの知識も今よりも疎かったあの頃でも、このシビル・ウォーという映画に衝撃を受けたのは覚えてます。

シビル・ウォーの世界では、所謂ヒーロー映画で見るような華々しく絶対的に強いヒーロー像というものは描かれません。
ヒーローと持て囃される超人的な力を持つ人も血の通った人間で、彼らも自分自身の信念に従って時には揺らぎ、葛藤しながら世界を背負っているという内面が描かれる傑作なのです。

この映画の問題提起として、まず触れられるのが救われる代償という大きな問題。
皆さんヒーローものを観ていて思ったことはありませんか?
ウルトラマンとか結構吹っ飛ばされるけど、その衝撃で周りのビル壊れてない?と。

この映画で描かれるのは、まさしくそういうあまり触れられたくない現実的な問題なんです。
ヒーローによって救われる命もあれば、彼らが思うほど力及ばず、逆に彼らがいるからこそ失われてしまった命というものも存在します。
世界中の人々が、未知の脅威から救ってくれるヒーローの存在を心の支えにしています。
ただその一方、その裏には尊い犠牲があります。
彼らのために失われてしまった命を無視できるかというと、当然できるわけありません。

国連は対応策として世界各国を招集し、アベンジャーズに国連の管理の元で活動することを約束させるという、ソコヴィア協定を強いるようになります。

ソコヴィアというのは、東欧のある小国のこと。
映画アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロンにて、その象徴的存在の一人であるアイアンマンことトニー・スタークが開発したAIが暴走して、人類そのものに牙を剥く事件が発生します。
この暴走AIウルトロンと、アベンジャーズが正面衝突することで、激闘の末ソコヴィアという小国が浮島となって地図上から姿を消しました。
その大事件によってもたらされた悲劇を忘れずに歴史に刻み込むためにも、ソコヴィア協定と名付けられたのかも知れません。

このソコヴィア協定を受諾するよう、アベンジャーズに命令が下されます。
ヒーロー達の反応は賛否両論。

アベンジャーズのリーダー的存在の一人であるキャプテンアメリカことスティーブ・ロジャース。
彼は国連の組織としてアベンジャーズを位置付けることは、別の見方をすれば国連という大きな力がNOと言えばこの先どんな非常事態に陥ったとしても、自由に組織を動かすことができないことに繋がるという考えを持ち、これに大きく反対します。
彼はこれまで大きな力に翻弄されてきた過去を持つ人物なので、その経験がそうさせたのかも知れません。
かたやもう一人のリーダー格である、アイアンマンことトニー・スターク。
彼はソコヴィア協定に概ね賛同の意を示します。
ただ手放しで賛同しているというわけではなく、
民間として大きな力を有することは、背負いきれない責任を負うことになるという事実も噛み締めていたので、全て自己責任で動く組織ではなく、大きな力の制約の元で動くのが良いという結論を出します。

自分はコミック版は知らないのですが、結構この展開には驚きました。
キャプテンアメリカは、その名前にアメリカという大きな国が象徴されているので、国連や国というものに従うといったある種忠誠心のようなものがあり、国連の意向に従うと思い込んでいました。
かたやアイアンマンは、自由奔放なお金のある羽振りの良い経営者のヒーローという立ち位置だったので、大きな力に縛られるのが嫌いな彼の方が反対すると思っていたからです。
予想とは全く逆の映画の展開を見て、ヒーローとしての外面だけではなく、二人の人間の剥き出しの内面を見ている感覚に陥りました。
二人が、自分たちを必要としてくれている人々を想って出した生の結論なのです。
だからこそ、見ている側にも説得力があります。

二人のリーダーの意見が二つに割れて、ヒーロー達が自分達の結論を出しあぐねる中、キャプテンアメリカの親友であるウィンターソルジャーことバッキー・バーンズが、各国の首相集まる国連議会での爆破テロ容疑をかけられることに。

この爆破事件はアフリカのワカンダ国王が命を落とすという惨劇を生み、その息子であり後継者でもあるティチャラは、爆破テロ首謀者であるバッキーに報復するという結論を出します。
(ワカンダは世間的には貧しい国だとされていますが、実は宇宙から落ちてきた隕石に含まれていた物質ヴィブラニウムの力を礎に、一般的に考えられる先進国よりも遥かに進んだ文明と都市を有する国となっています)

ワカンダ王子ティチャラはブラックパンサーと呼ばれるワカンダに代々伝わる戦闘スーツを着用しています。
このスーツが異様にカッコいい。
一目見て最高のデザインに惚れました。
バッキーは、この超文明ワカンダの王子に、命を狙われることになります。

爆破テロ容疑をかけられた親友バッキーの住処に訪れるキャプテンアメリカ。
バッキーはスティーブの親友なので、もちろん素の状態で爆破テロなど起こすはずはありません。
ただ、彼は昔ヒドラというナチスの流れを汲む集団に脳を弄られる洗脳を受けたことがあり、特定の合言葉を唱えられると無慈悲なウィンターソルジャーとして覚醒するという枷を背負っています。スティーブは、ただ容疑をかけられた親友を心配する反面、彼の中の悪魔が目覚めたのではないかとも心配しているので、キャプテンアメリカのスーツを着て彼に会いに行きます。
(この時の彼の表情は親友を心配する気持ちと警戒が入り混じった名演技でした。)
ただ親友バッキーから聞かされたのは、俺はやっていないという言葉。洗脳されて冷酷無比になっている状態でも記憶は断片ではあるが残っているので、親友から発された言葉を信じて、スティーブは彼を捕まえようとする政府の手から彼の逃亡を助けることに。

ここのアパートのアクションシーン最高でした。
実際に完全武装した特殊部隊集団が襲ってきたら
、どんな惨劇になるのか画面からひしひしと伝わってきた。狭い階段しか出入り口のないアパートを、特殊部隊を素手で薙ぎ倒しながら進む二人。
やっぱこういう狭い場所でのアクションシーンって特に手に汗握るなと思います。
(良い写真がなかった…。悲しい😅)

紆余曲折あってアパートから逃げ出した二人は、
車行き交うトンネルでティチャラ扮するブラックパンサーに襲われることに。
彼が異常に強く、歴戦の戦士であるキャプテンアメリカとウィンターソルジャー、途中合流したファルコンのの3人がかりでも手を焼きます。
そこに、アイアンマンスーツを着たローディが登場。ビーム砲をブラックパンサーとキャプテンアメリカチームに突きつけ、膠着状態に。
「おめでとうキャプテン。君は犯罪者だ」
ローディのこの台詞結構重い。

場面変わってワンダとヴィジョンのシーンに。
ヴィジョンがワンダを元気づけようとして料理を作っています。
このシーンは心温まるし、ワンダヴィジョンを見た後だと、胸に込み上げてくるものがあります。
ワンダは、自分の力で多くの犠牲を出してしまったということもあり、塞ぎ込んでいます。
そんなワンダを元気づけようとしているヴィジョンの姿が、なんとも愛らしいシーンでした。
ただ同時に、ワンダが暴走しないように監視役も兼ねているので、そういうところは人工知能らしい合理的な思考回路の持ち主だとも思う。

ウィンターソルジャーは、厳重警備のもとで身柄を拘束されることに。
ここでエベレット・ロス副司令官が初登場。
CIAのエージェントであり、ホビットのビルボ・バギンズ役のマーティン・フリーマンが俳優。
吹き替え音声だと声もビルボのためもうスーツを着たビルボにしか見えません笑
このエベレット・ロスという人物はリアリスト的な人物で、善人でも悪人でもない人物です。
シビル・ウォー初登場では、少し冷たさも感じますね。

厳重拘束されて、強化ガラスの檻に閉じ込められたバッキー。
そこに現れた神父が、今回のヴィランです。
その名はジモ。
彼は装置で電力系統を落とし、バッキーと二人きりの空間を作り出した後、ヒドラしか知り得ないはずの合言葉を唱えてバッキーを再び冷酷無比なウィンターソルジャーへ洗脳します。
ウィンターソルジャーへ静かに問うジモ。
「任務の報告を。1991年12月16日」
この場面の前にも、ジモはヒドラの信奉者を尋問してこの日付を探っていました。
ジモは、異常なほどこの日付に執着しています。
この日付が、ジモの目的でもあるのです。
その真意は、のちに明らかになります。

ウィンターソルジャーとなったバッキーは、監視局にいたキャプテンアメリカ、ファルコン、アイアンマン、ナターシャ、シールドエージェントのシャロンを素手で蹴散らし、ブラックパンサーであるティチャラの猛攻をも退けて、監視局からの逃亡を図ります。
(世界の危機を救ったアベンジャーズですら殆ど歯が立ちません。洗脳されたウィンターソルジャーが、どれだけ厄介な相手なのか身をもって体感できるシーンです)
ウィンターソルジャーはヘリでの脱出を試みます。
しかし、この試みは一早く駆けつけたキャプテンアメリカが、素手で飛び立とうとするヘリを押し戻すことによって阻止します。

ウィンターソルジャーも厄介ですが、スーパーソルジャー計画で超人血清を投与されている鍛え抜かれたキャプテンアメリカが、どれだけデタラメな強さなのかもよく分かるシーンです。
素手でヘリ押し戻すってなんだよ…。
余談ですが、この時のキャプテンアメリカの上腕二頭筋の美しいことと言ったらない笑

キャプテンアメリカのファインプレイもあり、なんとかウィンターソルジャーを拘束することに成功するのですが、キャプテンアメリカは彼を政府には渡さず、ファルコンと協力して倉庫に隠します。
(この場所でウィンターソルジャーでないバッキーが自分が何をしたか良く覚えていなかったので、洗脳状態の記憶はあるものの、その記憶はかなり曖昧な形で断片のみ残っているのでしょうね)

本当の敵はジモ。
3人はジモの目的を探るため問答を繰り返しますが、やがてバッキーは、自分のいたシベリアにある施設のことを思い出し、そこに自分と同じような冷酷無比なウィンターソルジャーが複数眠っていると告げます。
3人はジモの目的がこのウィンターソルジャー達だと悟り、その策略を阻止するべくシベリアの施設へと旅立つ計画を練ります。
バッキーを追う政府と繋がるアイアンマンには明かせない計画のため、別にメンバーを募ってジモの企みを阻止することに。

一方アイアンマンサイドは、再び逃げ出したウィンターソルジャーと、その逃亡を手助けしているキャプテンアメリカを捕まえるべく、奇しくもキャプテンアメリカの欠けた穴を彼と同じ方法で埋めようと動き出します。
ここで矢面に立たされたのがスパイダーマン。

満を辞しての登場であり、今作初登場であるファンも多いスパイダーマンことピーター・パーカー。
MCU版の彼は何というか、学生感の強い可愛いキャラクターです。
最初は君がスパイダーマンかと言われてシラを切りますが、一瞬でバレててかわいい。
トニーに説得され、メイおばさんには何も言わないという条件でアベンジャーズに加勢することに。
ユーモア溢れるトニーとまだ高校生なピーターの掛け合いが絶妙にマッチしていて最高でした笑

次々とヒーローを集めていく二人。
ここで忘れてはいけないのが、シールドエージェントであるシャロンの存在。
彼女は、国家機密クラスの容疑者とその共謀者として追われているキャプテンアメリカの逃亡の手助けをすることに。
彼女はキャプテンアメリカの恋人であるペギー・カーターの姪であり、ペギーが他界してしまった今、キャプテンアメリカの想い人ポジションの人物でもあります。
(これにより、後々の物語までシャロンは政府に追われ続けることになります。彼女についてはまた出てきた時に詳しくお話しできればと)

物語は進み、キャプテンアメリカサイド、アイアンマンサイドに分かれ、それぞれの思惑を抱えてヒーロー全面抗争をすることに。
アイアンマンサイドには、ローディ、ナターシャ、スパイダーマン、ブラックパンサー、ヴィジョンが加勢。

一方キャプテンアメリカサイドにはバッキー、ファルコン、ホークアイ、ワンダ、アントマンが加勢します。

ここが今作最大のアクション的見せ場であり、一番盛り上がったシーンです。
キャプテンアメリカは親友バッキーを陥れ、冷酷無比なウィンターソルジャー達を蘇らせようとしているジモの策略を未然に防ぎたい。
アイアンマンはアベンジャーズの代表として、国家機密犯罪者の肩を担ぎ世界の意向に背いた動きを見せているキャプテンアメリカを説得したい。
うーむ、両者の意見とも、唸るほど納得できる。
果たして誰が悪なのか…。

ちょっとここのバトル見所ありすぎるので、かいつまんで一部だけ抜粋。

ホークアイvsブラックウィドウ。
特殊部隊顔負けの暗殺格闘を繰り広げ、
「まだ友達よね?」とナターシャが聞くと
「手加減してくれればな」と笑って返すホークアイ。ここは本当に兄妹みたいなやり取りで笑ってしまった。

スパイダーマンvsファルコン&ウィンターソルジャー。
バッキーのヴィブラニウム製の義手パンチを軽口を叩きながら軽々と受け止めるスパイダーマン。
ビルが崩れないように持ち上げたりする彼は、やっぱりデタラメに強いと分かるシーンです笑
キャプテンアメリカに出てくるヒーロー達二人を相手に引けを取らず戦うスパイダーマン。
戦ってる時にも構わずベラベラ喋ってるのが彼っぽくて好きです笑
舌噛まないのかな。

アイアンマンvsクリント&ワンダ
久しぶりに再会した親戚同士のように会話するトニーとクリント。
クリントの矢を皮切りにワンダが駐車場から無数の車をトニー目掛けて落としていく。
大量の車に、為す術なく押し潰されるトニー。
やっぱワンダ強すぎる笑
アイアンマンスーツ搭載AIから声が。
『打撲傷を複数感知』
「…ああ、僕も感知した」
笑った。そりゃそうですよね。

キャプテンアメリカvsスパイダーマン。
ファルコン&ウィンターソルジャーチームを一人で無力化したスパイダーマンは、キャプテンアメリカと対峙することに。
超人血清を打った鍛え抜かれたスーパーソルジャーとビルをも持ち上げるスパイダーマン。
どっちが強いのか見ものでした。
キャプテンアメリカが異常な強度を誇るスパイダーネットの攻撃を退けて、重いコンテナをスパイダーマンに落とすことで決着。
ここの戦いは、今後アベンジャーズに入るかもしれない若者を、キャプテンアメリカが教官として指導しているような戦いでした。
単純な力の差で言えばスパイダーマンが恐らく圧倒すると思いますが、彼はまだ若い。
歴戦のキャプテンアメリカの前には、ただの物理的な
力の差というだけでは歯が立ちません。
キャプテンアメリカがスパイダーマンの奮闘ぶりに嬉しそうに戦っているのもかなり胸熱な展開。
彼らが戦い抜きで飲んでる姿も見てみたい笑
ピーターはまだ飲める歳じゃないからオレンジジュースかな。MCUの彼はそういう役回り笑

巨大アントマンvsアイアンマンチーム。
このシーンは、アントマンならではの見せ場です。蟻よりも小さい存在になれるアントマンは、飛行機ほど巨大な存在にだってなれます。
その画はもはやウルトラマン。
大きくなったスコットの目がすこしイってしまってたのも最高でした笑

語り尽くせませんが、両者とも譲らない大バトルです。
ただここのバトルは、本気で両者を傷つけたいという戦いではなく、言うとすれば兄弟喧嘩のような、意見の食い違いから生まれた小競り合いのようなバトルとも言えます。
(実の父であるワカンダ王を殺されて、ウィンターソルジャーへの復讐に燃えるブラックパンサー以外は)

なので、このある種ファンへのお楽しみとも思えたバトルでヴィジョンの過失によりローディが下半身付随の大怪我を負ったのは衝撃でした。
この時点で瀕死状態のローディを前にして、アイアンマンは苦悩の表情を浮かべます。
駆けつけたファルコンの謝罪の言葉を聞くなり、手から衝撃波をだして彼を吹っ飛ばします。
結構コミカルな画角で描かれてはいますが、お前らが抵抗なんてするからこうなるんだと、トニーのやり場のない怒りが炸裂したシーンです。

結局、キャプテンの必死な頼みに折れたナターシャが彼らを逃したことで、アイアンマン達はキャプテンアメリカとバッキーを取り逃してしまいます。

このバトルの結末によって、徐々に徐々にとキャプテンアメリカであるスティーブに対するアイアンマンであるトニーの不信感が高まっていきます。お互い力を持っている故に、その小競り合いの被害も大きくなったという事例ですね。
それでもトニーは、そうまでして友人スティーブが防ぎたいものは何なのかと探りを入れ、バトルの後で政府に捕まって幽閉されたキャプテンアメリカサイドのヒーロー達から、キャプテンアメリカとバッキーがシベリアにある基地に向かい、ジモの企みを阻止しようとしていることを突き止めます。

政府軍のロス将軍にキャプテンアメリカの居場所が分かったなら教えろと迫られますが、お得意の話術でしらばっくれて、トニーは単身スティーブとバッキーのいるシベリア基地へと乗り込む道を選びました。彼は政府の代理人という立場ではなく、一人の友人として、スティーブの元へ訪れたかったのでしょうね。

物語は進み、場面はシベリアの基地へ。
基地に潜入するキャプテンアメリカとバッキー。
そこに、アイアンマンが合流します。
ジモの企みを阻止しようと意見の一致したリーダー格の二人は、バッキーと共に基地内を探索することに。
キャプテンアメリカ達の予想通り、基地ではジモが待ち構えていました。
核シェルターを思わせる部屋にはウィンターソルジャー達を冷凍保存した培養器が物々しく並べられ、怪しくライトアップされます。

その数およそ6容器。
ウィンターソルジャー1人でもアベンジャーズメンバーで苦戦させられたのに、もう6人はそんな兵士がいると絶望させられる場面です。
ただ何かがおかしい。
容器からウィンターソルジャー達が這い出して3人を襲うこともなく、シェルターの分厚い扉の向こう側にいるジモの声が響きます。
「安心してくれ、彼らは眠ったまま死んだよ」
培養器の中を覗き込むと、彼の言葉通り全員が額を撃ち抜かれて死んでいました。

ウィンターソルジャー達を殺したのはジモのようです。
「彼らには感謝しているよ。君らを誘き寄せてくれた」
ジモの声が静かに響き渡ります。
3人が戸惑いジモと問答する中、ブラックパンサーはワカンダの科学力でこの場所を突き止め、基地内に侵入している場面が一瞬写ります。
ジモは、キャプテンアメリカと強化ガラス越しに睨み合いながら問答を続けます。
「国を無くした恨みか?」とキャプテン。
「いや、ソコヴィアはお前らが吹き飛ばす前から滅びてた。違う」とジモ。
ジモは、ここへ来たのは約束を果たすためだとキャプテンに告げます。
自分の行動は全て、アベンジャーズに奪われた大事な人全てに捧げる復讐のためだと。
ここで、1991年12月16日の真意が明らかに。
トニーとスティーブの前のモニターに、突然白黒の映像が映し出されます。
「敵に崩された帝国は再び立ち上がる。…だが内側から崩れれば永遠に…死んだままだ」とジモ。
テープには1991年12月16日の文字。
映し出された映像は、ウィンターソルジャーとして覚醒したバッキーがトニーの両親を殺す映像でした。

トニーは映像を見て絶句します。
トニーの両親は、ずっと事故死だと言われて彼は育ってきました。だが目の前に映っているのは、紛れもなく自分の両親が今まさに冷酷無比なウィンターソルジャーに殺されている映像です。
葛藤するトニー。
映像に映っているのは、自分の両親を殺しているのは紛れもなくスティーブの友人であるウィンターソルジャーことバッキー・バーンズだ。
ではスティーブは?
バッキーの親友であるスティーブは、このことを知ったまま自分に隠していたのか?
トニーはスティーブに問いただします。

「…知ってたのか?」
「…違うんだ」
「誤魔化すなロジャース。知ってたんだろ…!」
「…ああ」
その一言を聞いて、トニーはスティーブを思い切り殴り飛ばします。
彼はアイアンマンスーツに身を包み、バッキーに矛先を向けて内戦状態に。
ジモの真の狙いは、トニー自身にこの映像を見せることだったのです。

怒りと友人に裏切られたショックから、トニーの猛攻は止まりません。
バッキーを本気で殺そうとするトニーを、スティーブは必死に食い止めようと抗います。
「彼がやったんじゃない!ヒドラに操られていたんだ!」
その叫びを聞いてもトニーは止まりません。
両親の凄惨な最期をその目で目撃して、トニー自身も頭の整理がついていなかったというのもあるかも知れません。何と言われようと、バッキーがトニーの両親を殺したという事実に嘘偽りはないのです。
アイアンマンvsキャプテンアメリカ&ウィンターソルジャーの抗争は、苛烈を増していきます。

場面が切り替わり、ジモが映し出されます。
繰り返し繰り返しソコヴィアで失った妻からの留守電を聞くジモ。その表情は悲しく、彼の目的が達せられた今も晴れることはありません。
そこに、ブラックパンサーに扮したティチャラが現れます。
ジモにワカンダ王である自分の父親を殺されたティチャラは、今すぐ仇を取りたい気持ちを押し殺し、ジモと話をします。
彼が家族をあのソコヴィアで亡くしたこと、その時の惨状を目の当たりにして、お互いに殺し合わせることでアベンジャーズに復讐しようと決意したことを聞かされるティチャラ。
静かに仇であるジモを見つめた後、
「…復讐心がお前を蝕み、彼らを蝕んでる。
私はもう、終わりにする…」
と告げ、彼は刃を納めます。
銃で自殺しようとするジモを抑えつけ、生きて罪を償えと彼を諭します。

この時のティチャラが格好良すぎる。
ブラックパンサー発お披露目映画ということもあり、アクションの見どころも完璧だったのに、人格も素晴らしいという良いところ尽くし。
シビル・ウォーは、後々に控えていたブラックパンサー単独作品に最高な形で繋げられる映画にもなりました。

ティチャラ役のチャドウィック・ボーズマンさんは、ブラックパンサー単独映画を演じた後に、癌で亡くなっています。
この後に公開が控えているブラックパンサー単独映画の続編であるワカンダフォーエバーは、彼の追悼を兼ねた映画になるのではと、世界中で期待が高まっています。
最高のブラックパンサーをありがとう。
ご冥福をお祈りいたします。

場面は変わってアイアンマンvsキャプテンアメリカ&ウィンターソルジャー。

お互いを殺しかねないほどの激闘の末、バッキーは義手を失い、トニーは彼の生命維持に関わる胸に取り付けられたアークリアクターを損傷するという惨状に。
この戦闘でスティーブとトニーの溝は一層深まります。スティーブはバッキーを連れてシベリアを去り、アベンジャーズの前から姿を消します。

一連の事件から時が流れ、アベンジャーズ本部のトニー・スタークが映ります。
スティーブが、トニーと共にアベンジャーズ本部に姿を現すことはありませんでした。
今回の騒動で命を取り留めたローディのリハビリを手伝いながら、どこか憂いた表情を浮かべるトニーの元に、毎度お馴染みマーベル名誉会長スタン・リーさん扮する宅配業者から、彼宛てに一通の手紙が届きます。
送り主はスティーブ・ロジャース。
メールではなく手紙というところに、スティーブが心の底からの本心を綴ったというのが伝わってきます。

トニー。
本部へ戻ったようで良かった。
家で一人きりは寂しいだろう。
人には家族が必要だ。
アベンジャーズは、君の家族だ。
僕の家族である以上に。
僕は18の時から一人だった。
どこに所属しても、溶け込めなかった。
僕が信じているのは組織ではなく、一人一人の個人だ。
僕が信じている人たちには、裏切られたことがない。
だから僕も裏切りたくない。
…君を傷つけてしまったな。
両親のことを黙っていたのは、君のためだったんだが…僕自身を守るためだったかもしれない。
すまなかった。
…いつか分かってくれたらと思う。
できれば協定にサインしたかった、本当だ。
君は信じた道を行け。
それぞれ、信じた道を進もう。
これだけは言える。
君が僕らを、僕を必要としたときは駆けつける。

スティーブがトニーにこの手紙を残し、政府に捕らわれたキャプテンアメリカサイドのヒーロー達を助けに来たところで、映画シビル・ウォーの物語は幕を閉じ、エンドロールへ…。

いやー、超面白かった。
ちょっとあらすじ紹介がてらと思ってストーリーを追いながらの感想でしたが、思っていたよりも長くなってしまいました笑
筆舌に尽くし難いほど、このシビル・ウォーという映画が大好きです。
アメコミのヒーロー映画でありながら、サスペンスもののような最後まで飽きさせない重厚なストーリー。
この映画で、マーベルの振り幅の多彩さを思い知りました。ヴィランがスーパーパワーを持たない普通の人間というところもまた良い。
心にずしっとくる、名作映画でした。

シビル・ウォーの紹介さっと終わらすつもりだったのに、思った以上に熱が入ってしまった。
エンドゲームの感想を先に書きたいと思っていたけども、今までのマーベル集大成的な作品で内容が盛り沢山すぎて書きたいことがなかなかまとまらないんだな笑
近々あげようとは思っとります笑

それでは皆さまごきげんよう✋

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