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アスリート2.0に価値はあるのか?


こんにちは、Criacao広報です。
今日はアスリートの価値について考えてみました。
※あくまでも個人の見解なので、色んな視点・考え方があって当然ですし、何が正しいというつもりはありません。



アスリート2.0に価値はあるのか?
人によってアスリートに対する見解が違うため、まずはアスリート1.0と、2.0を下記の図のように定義しました。

簡単にアスリート1.0と2.0の違いを説明するなら、競技(スポーツ)を通じて勝つことしか考えないことが1.0であり、勝利以上を考えることが2.0であると定義しています。現実は図のように、Y軸が平等に影響力を持ってるわけではありません。もっと違った変数があるかもしれません。


アスリート2.0に価値はあるのか?
この問いに対する私の結論はNOです。

そもそもX軸だけで、1.0と2.0を議論することはナンセンスだと思うからです。競技だけに集中したアスリートと、社会活動・競技を両立しているアスリートを単純に比較することはできません。


物事には奥行きが存在します。アスリート1.0と呼ばれる人にも、1.1の人間もいれば、1.9の人間もいるわけです。つまりアスリート2.0という考え方は、アスリートの最高評価点が100点から200点満点になるという事です。

もちろん、100点より200点の方がいいに決まっている。


これは個人としての見解ですが、アスリート1.0で100点になったから200点を目指そうという発想のままでは問題があると感じています。アスリートが自分を100点だと思った瞬間に衰退はスタートするし、永遠に1.0で100点とは何かを探し続けるのが定めだからです。1.0と2.0を同時進行することがこれからの時代では必要になってくると感じています。

社会でも目の前の売上に集中するだけの営業マンよりも、世の中のマーケットを理解する動きを同時にしている営業マンに価値がついています。転職市場では「上司ではなく、マーケットを見た人間の価値が高い」という言葉がよく使われますが、スポーツ界にもこういった流れはやってくるでしょう。

だからこそ、1.0と2.0の違いを明確にして議論していく事が求められているのだと思います。この定義をスタート地点として、どんどん考えを研ぎ澄ましていくような動きがスポーツ界で活発になれば嬉しい限りです。


アスリート1.0について


精神・メンタル
トップアスリートになるほど信じられないぐらいの精度で能力の微調整が必要になり地道な練習と改善を繰り返すメンタルも必要になっていきます。アスリートの中でも精神・メンタルは人によって大きくばらつきがあり、精神・メンタルを鍛えぬくことがアスリート1.0を、1.1へと強化してくれる。

アスリートなら精神・メンタルは強くて当然と考える方もいるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?
練習にただ参加するだけの選手もいれば、目的意識をもって取り組むアスリートもいて当然だと思います。オフの使い方も人それぞれです。
監督の選手決定に不満をもち、ふてくされてしまうアスリートも多くいるのではないでしょうか?(不満を持つことが悪いのではなく、その後ふてくされて練習強度を下げるの幼稚な行為をしてしまう)


競技理解・技術力
スポーツに「分析」という要素が加わり、戦術・戦略理解力の重要度は高まっています。組織の目的と自分の役割を理解することがアスリートには求められており、練習して技術を体にしみ込ませるだけの「非言語領域」から、それをどう活用するのかを考えて行動する「言語領域」へとサッカーは進化している。

競技理解の中には「練習設計」も含まれます。長ければ効果的なトレーニングということではなく、いかに効率的・効果的にトレーニングを実行できるかどうかが重要になってきます。そのために科学的視点をいれて、競技と向き合うことは必然となってくるでしょう。


人間力
人間力とは単純に「いい人である事」ではなく、「生き方」としてとらえることが重要だと思っています。例えば堀江貴文さんは、ツイッターなどで「ばか」「あほ」などの言葉をよく使います。人間力が「いい人」という定義なら、堀江貴文さんは人間力がない人としてみなされるでしょう。しかし本当にそうでしょうか?


よく「表層」と「コア」は繋がっているかのような話をされる方が多い。

例えば、
見た目がだらしない奴は仕事もだらしない。
遅刻する奴は、仕事でも納期を守らない。
小さなことができないやつに、大きなことはできない。

最もらしい言葉ではあるが、全て「相関関係」であり「因果関係」ではない。日本人はこの「相関関係」に縛られすぎて、表層だけをよくすることにこだわりすぎているのではないだろうか?

もちろん相関関係を積み重ねて、因果に近い状況に持ち込む成功パターンは確実に存在している。しかし、1つのパターンでしかない事を私たちはもっと強く理解するべきだ。

人は成功した人間に神様であるかのような振る舞いを求めすぎているのではないでしょうか。成功しても、失敗しても、人は人です。ここで人間力が何かを定義することはしませんが、「生き方」は人それぞれで独自の哲学があります。その哲学を貫き通した人間が魅力的な人なのだと思います。スポーツが、それ自体の行動でお金をつくる活動でないことからも人間力はアスリートにとって必要不可欠な能力です。


道具の活用
人間の進化を支えてきたのは間違いなく道具の力です。

人類学者ケネス・オークリーは、1944年の論文で「ヒトが独特なのは道具を作る点だ」と書いた。見つけた物を道具として使う行動は類人猿にも見られると説明しつつ、オークリーは「特定の用途に合わせて棒や石の形を変えるのは、明らかに人間らしい最初の活動だった」と述べた。
                      NATIONAL GEOGRAPHIC

最新の道具に関心を持ち、試してみる事はアスリートにとっても競技力で差別化を図る上で重要な指標です。「お金の使い方」がアスリートには問われている。



アスリート2.0について

金に対する知識
アスリートの中には、「なぜスポーツをしながらお金がもらえているのか」の構造を理解されていない方もいます。「なんでお金がもらえると思いますか?」と質問すれば「試合で活躍するからだ」と答える人もいます。

まずサッカーの収益構造から、スポーツにお金が入る理由を一緒に探っていきましょう。


Jクラブ経営を支える“3本柱” サポーターも知っておくべき収益構造の基礎知識 サッカーキングより


上記の図をみると、サッカーの収益は

「広告料収入」
「入場料収入」
「物販料収入」

の3つで成り立っていることがわかります。そして実は3つの全ての要素において最も大切なのが「サポーター(応援してくれる人)」の存在です。

入場料は応援してくれるサポーターの「人数」に比例します。
物販料はサポーターの「熱狂度」に比例します。
広告料「人数」×「熱狂度」に比例します。


スポンサーがサッカークラブに投資する動機は様々でしょう。しかしビジネスである以上、大きな金額を投資するには根拠が必要です。その根拠こそがサポーターの「人数」と「熱狂度」なのです。


つまりスポーツとは「応援してくれる人」の存在で成り立っていることがわかります。だからこそ「応援される人であり続ける事」がプロとしての使命なのです。もちろん応援され続けるには「勝利」も重要な要素です。しかし「勝利」だけが応援されるために必要な要素なのでしょうか?


ここで大切なのは「答え」を見つける事ではなく、アスリートが「所属するスポーツチームという居心地の良い空間を抜け出す勇気」なのだと私は思っています。他競技の人やビジネス界の人と出会い、議論をする中で、少しづつ応援されるために必要なことの答えが見えてくるのだと思います。



社会理解
世の中でどんなことが起こっているのか? 
これから世界はどのように変わっていくのか?
今世界にはどんな問題があるのか?

社会に対して関心を持つことが、「ビジネス理解」へと繋がっていきます。しかしいきなりビジネスに関心をもてと言われて出来ることではないので、「好奇心」をもつためのきっかけが必要なのだと思っています。

思ったよりも社会って面白いんだな。
そういう見方もあるんだな。

こんな小さなステップからのスタートでいいと思っています。
こんなブログも書いているので、是非参考にしてみて下さい。

企業研究がつまらない? それは竹田好洋に出会ってないからだ。
https://note.mu/valueofsports/n/n7e13b007c134



人脈づくり
何か新しいことを始めたいと思ったときに「人脈」をもっていることは圧倒的に優位性があります。アスリートにとっては「人の力を使わずに勝つんだ」という人もいるでしょうが、私は「人の力も自分のもつ資産」として考えています。

アスリートの中には、人脈づくりは引退後にやればいいやと考える人もいます。しかし引退後よりも、現役中の方が圧倒的に人脈をつくりやすいです。現役中であることには大きな価値があるのです。


行動
これは説明するまでもないですが、現役生活に支障がでない範囲で社会に対して何かしらの行動をするという事です。



時間が貴重な資産であることに気づきやすい時代に

色々と理想論ばかりを書いてみましたが、おそらく多くの人は「そんな時間はない」「そんな余裕はない」と答えるかもしれません。しかし本当にそうでしょうか?

人が「金」ではなく、「時間」こそが最も貴重な資源であることに気づくことができれば、実現可能な世界であるように感じています。


価値があるのは「アスリート2.0」ではなく、
アスリート1.0を1.1、1.2へと成長させながら、
アスリート2.0を2.1、2.2へと成長させられる人です。


アスリート1.0を追求することが否定されるような世の中であってはいけないという話でした。

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