見出し画像

採用だけでは生まれない化学反応



こんにちはクリアソンの中村です。
今日は「組織論」について語りたいと思います。


採用は多様性のスタート地点でしかない

2021年1月から新たに4名のメンバーがクリアソンに加わりました。

①小林祐三(サガン鳥栖)
②森村昂太(町田ゼルビア)
③瀬川和樹(栃木SC)
④池谷友喜(カマタマーレ讃岐)


クリアソンはビジネスエリートみたいな人が入社することもあれば、社会人経験0のアスリートが入社することもある。そんな私たちの採用を見て、いろんな方から「多様性があって、化学反応が起きやすい組織ですね」などと評価をいただくこともありますが、そういった褒め言葉には全て「いえいえ、まだまだこれからです」と答えるようにしています。謙虚に振る舞おうとしているのではなく、採用の多様化だけで化学反応は起きないということを理解しているからです。


まだ自分自身も検証段階なので明確な答えはありませんが、「採用」「教育」「チームビルディング」「戦略・戦術」「文化」の5つを組み合わせることで化学反応が生まれやい組織が出来上がるのではないかと仮説を立てています。事業責任者のスタンスとして、「自走できるアスリート(人材)を採用すれば価値が最大化するのは時間の問題だ!(組織作り=採用)」と捉えることは短絡的・楽観的と言わざる得ません。採用とは強い組織作りの「スタート地点」でしかないのです。強い戦略・戦術をもっていても、文化・チームビルディングが整っていなければ「倫理的な問題」「離職率の問題」と向き合うことになるでしょう。文化・チームビルディングが整っていても、戦略・戦術、教育が整っていなければ「仲はいいけど生産性がない組織」になってしまいます。



教育の改革に取り組む2021

教育の全体設計は「入社時に習得して欲しいこと」「●〜●年以内にここまでのレベル」みたいな強度を、組織の目的・目標にあわせて設計していく必要があります。クリアソンに入社してから2年間である程度基礎は構築できたと思っていたのですが、3年目で社会人経験のない人材が4名同時に入社することは想定していませんでした。9名の事業に4名の未経験者が加われば組織の混乱は避けられないし、OJTの精度が下がることは目に見えている。事業の研修内容・教育方針を一新する必要があった。
※こちらは会社の研修ではありません。事業部内の研修です。


事業戦略を公開することはできないので、今回はどのような研修をしようと思っているのかについて共有させてください。2020年の11月ぐらいから「5年後の事業イメージとアスリートの教育」について考え、アスリートの方に何を習得していただくのがベストなのか自分なりに考えてみました。まだまだ試行錯誤段階なので、抜け漏れもありますが、これをベースにしながら少しづつ教育を整えていきたいと思っています。


研修内容を一部公開

スライド1

スライド2

研修は「思考法の基礎」「社会理解」「仕事理解」「組織論・チーム論」の4つに絞り込んでインプット5:ワークショップ体験型5の割合で調整。



スライド3

スライド4

スライド5

スライド6

スライド7

スライド8

これは以前VOICYの勝村さんが共有してくれた話がわかりやすいなと思ってパクりました(笑)


スライド9

スライド10

スライド11

スライド12

スライド13

こちらは著書「アナロジー思考」を参考にしています。スライドの中にはありませんが、インプット以外にもワークショップをいくつか用意しています。


スライド14

スライド15

スライド16

タラバガニのようなわかりづらい事例をいれてるのは、トリビアみたいなのをいれてライトな「へーーそうなんだ」を研修の中に取り入れたかったので。

スライド17

スライド18

スライド19

スライド20

スライド21

「フレームワーク」をいくつか教える前に、デコンストラクションからスタートして構造の面白さ・構造を学ぶことの素晴らしさを伝えたかった。世界の景色が変わるというインパクトある原体験をつくる。


スライド22

スライド23

スライド24

スライド25

スライド26

スライド27

スライド28

スライド29

スライド30



これで基礎思考編が終了。
第2部の社会理解で経済学・経営学・社会学の基礎に入ります。

社会理解を研修で取り入れることが大事だなと思うのは、私たちのような「理念」を掲げる会社が現実と向き合わなければ、ただの理想主義者になってしまうからです。現実を否定するのではなく、現実の美しさを再認識する。その上で現実と理念を結びつけるために努力する。

それがクリアソンらしさなのかなと思っています。



働く幸せってやつは

理論上は簡単なことのように思える組織作りですが、いざ現場に入ってみると、5つの要素を重ねることが難易度MAXすぎて死にそうになります。ワクワクするミッションだし、やっていて面白さも感じますが、充実感で満たされた毎日というよりも、試行錯誤しすぎて死にそうになっている毎日と表現する方が正確かもしれません。

これを読んでいる方に伝えたいことは、やりたいことが見つかった先にあるのは「幸せ」や「充実感」でなく、自分に対する「葛藤」「絶望」ということ。多分「働く幸せ」ってやつは2つあって、1つは高い壁を乗り越えた先にある「瞬間的」「爆発的」な感情。もう1つは絶望・葛藤を誰かと共有し、一緒に乗り越えるプロセスの中で得られる繋がりの深さなんだと思います。

頂いたサポートで良質な糖分補給をさせて頂きます。ありがとう!!