M&Aはカッコいいだけじゃない

お願い、誰も気づいていませんように。勢いよくnoteを書き始めたはいいものの第一回で止まっていることに。

さすがにこのままでは自分が腐ると思いnoteを開いています。

第二回ではM&Aの実務について学びました。

冒頭に投げかけが2つ。

その案件、もともと計画していましたか?

その案件、“勝ち負け”がハッキリしていますか?

どうやら

・買収の値段(バリュエーション)は妥当か

・買収の目的は明確か

・その目的を達成するために旗を振る人は明確か

このあたりがM&Aを成功させるための鍵だそうです。

私は池井戸潤さんのドロドロのドラマが大好きなのですが、ルーズヴェルトゲームで「この世に、対等合併などない」と強く言い放つシーンを思い出しました。(良いドラマだったなぁ…)

サントリーの新浪社長のインタビュー記事でも、「買うこと」に必死になったあまりに主導権を曖昧にしてしまった失敗事例が語られています。

さて、授業では日本企業として過去最高の7兆円規模となった武田薬品のシャイアー買収を例に学びました。

武田薬品の買収の目的は明確でした。

・米国市場の獲得

・開発パイプライン分野の補完と、それにより出遅れていたバイオ医薬品への新規参入

では、買収金額は妥当だったのでしょうか。

EBITDA倍率は市場の平均的には約8倍とのことですが、今後の成長が期待できる業界の場合はその分高く評価されます。

シャイアーの買収価格はEBITDA倍率12倍。業界の水準を見ても特別に割高という訳ではなさそうです。

※SPEEDAのバイオ・医薬品製造業界>医療用医薬品 主要プレイヤー一覧より抜粋。

授業では投資家の方々が一番気になるEPSについても計算し、収益性の高いシャイアーの買収により、シナジーを考慮しなくても買収後EPSは約50%増えることを確認しました。

私は丁度mixiを立て直した朝倉さんのファイナンス思考を読んだばかりなのですが、まさに武田薬品は将来の企業価値最大化のために賭けに出ている様な印象を受けました。(にしても規模大きすぎ)

朝倉さんの言葉をお借りすると、成功の内訳は理:心:運が1: 4 : 5とのこと。モンストが当たったのは確かに運だけど、有望な市場に社内リソースを集中するために既存事業をアウトソーシングしたという前提があってのこと。

今回の武田薬品の件も、非常に理にかなっているなぁと思いつつ、これだけ大きな会社同士の合併を進めるための強い意志に基づいたPMIと、そして運が味方をしてくれるかどうかが今後の鍵を握っているのだと思います。

最後に、今回の授業で印象的だった「M&Aは現場の人間の心がわかっていないと成功しない」という言葉。

買収した子会社のゲームのプロモーションを担当したとき上司に「うち(親会社)のせいで失敗しなければ良いからそこまで力を入れなくていい」と言われたことをふと思い出しました。笑

でもこれって当たり前で、子会社の人に会ったこともなければ買収背景も知らない中で「力になろう」なんて思えません。ちゃんと関係者と向き合い、伝えるという一見泥臭い仕事も、M&A担当者の大切な役割であることを学びました。



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