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映画を一本みてから眠る

2022年は自分の限界を知ることがいくらかあった年だったな、と思う。限界を知るというとなんだかネガティブな響きになるけど、実際には「この範囲までは存分にできる」という範囲が明確になったということであり、限界だから諦めるという"終わり"を意味するものではない。まだ限界がわからないことにはチャレンジしたらいいし、限界の幅はこの先の人生で変わっていくこともあるだろう。

僕の短歌には「助詞が少ない」という感想をもらい、あらあ~そうなのか、と気づいた。わざと「入れんとこ」と意図したわけでないのに助詞が入っていないのは、おそらく、無意識に韻律をよくしたくない…思っているのかもしれない。古い人間(?)なので「アルバムを100回聴いてたったひとつ好きなフレーズを見つけるのが音楽の楽しみやろ」とか思っちゃうもんだからサブスク音楽にはアンチ気味の態度を取ってしまうし、テキストも「読みやすいものは、読み流されやすいものだ」とか思っちゃうのだろう。読み流されたくないから引っ掛かりを作りたい、という気持ちが、世間でいう韻律のよさと矛盾しちゃうのだろう。たぶん。

僕はお葬式が嫌いなので、できるだけ行きたくないです。(お葬式が好きな人間がいるのか?と思われるかもしれないけれど、まんが『銀河鉄道999』には「お葬式の悲しい雰囲気が好きすぎて旅人を捕らえてお葬式をしまくる人々が住んでいる星」が出てくるし、たまには地球にもそういうひとがいるのかもしれない)

弔問に時間がかかった 疲れない映画を一本みてから眠る/あめのちあさひ

『未来』2023年1月号

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