雪菜・かずさの話

カ「CCの最後の雪菜の話はいらないかな。」

ば「そこも含んでもいいですよ。じゃあ雪菜プラスかずさも行くかな。っていう感じでお願いします。」

よ「不倶戴天をやることでかずさのイメージ変わると思うんだよね。」自分の中では、かずさグランドなんですよ。まずここで気持ち悪いって思う人もいると思うけれど。」

カ「気持ち悪いって言うより、あれってかずさTrueの後の話なの?」

十「浮気エンドのあとの話です。」

よ「雪菜でいうところの結婚エンド。丸戸さんってホワイトアルバム2をホワイトアルバムを意識して作っていて。」

ば「ちょっとまって。よーだす君はホワイトアルバム全部やったの?」

よ「やってないっす!」

ば「おっけ!」

よ「全然オッケーじゃないけど。ホワイトアルバムのエンドって、かずさTrueなわけじゃないですか。かずさと二人だけの世界に溶けていくっていう。」

ば「もともと浮気ゲーだからね。由綺に行かなければ全てが浮気だから。」

と「最初からもう彼女いるからね。」

よ「雪菜Trueしかり不倶戴天がWA1に対する意趣返しだったのかなって。」

十「かずさエンドでも未来見えましたけどね。」

カ「春希とのギター練習を通してかずさ自身、音楽の楽しさも、どんどん膨れ上がっていったんだと思うんだよね。その結果として、曜子さんがあんなに楽しそうに弾くかずさをみるのは、久しぶりだって言うくらいに。」

よ「かずさ自身が音楽を好きだって意識できてないと思う。かずさって春希のため、春希が好きだから。」

十「好きな男のためのピアノになったのかなーと思います。」

と「魅せつけるピアノになったみたいなこと曜子さん言ってませんでした?」

ば「独りよがりのピアノではなくなったってことね。」

カ「でもそれだと何も成長にならないんだよなー。codaまで話を持ってっちゃうんだけど、かずさルートの最後のほうで雪菜に対して『ピアニストとしての私を捨てる』って手を傷つけようとするじゃない。確かにそれはそうなんだけど、逆に言うと…今言おうとしたことが消えた。」

よ「一回時系列をなぞらなくちゃいけなくて、じゃあICの最後、春希を捨てて母親の元へ行った。あそこのかずさの春希や音楽、家族に対する気持ちを整理しないとcodaに飛べなくなっちゃう。そこの解釈の仕方でそもそもcodaにいけないんじゃないですか。」

カ「あ、そうだそこだ。ある意味音楽を弾く喜びを思い出させてくれたからこそ、ヨーロッパに行こうと思ったっていうところはあると思う。もちろん春希と雪菜から逃げるためってこともあるんだけど。」

よ「かずさって音楽が好きなんですか? ピアノが好きなんですか? 自分は母親の愛情に飢えているように見える。それをつなぎとめているのが音楽なんじゃないのかな。ピアノなんじゃないのかな。そうしないと、海外いきましたか?って思っちゃう。母親に認められて喜んでいるようにみえる。」

十「ICはかずさが日本に残ればそれでひとつのエンディングになったんじゃないかなって思うんですよ。海外に行った理由っていうのは、ピアノとお母さん、春希と天秤にかけて重かったのがピアノとお母さんだったのかな。」

カ「あと雪菜と春希が一緒にいるところにいたくなかったというのもあるし、曜子さんに誘われてそれで行ったというのもある。別のタイミングなら迷ったかもしれないけれど・・・、あのタイミングだったらウンというよね。」

よ「音楽っていうのが母親に愛されるための道具になっちゃってるんじゃないかな。また、自分を表現するための道具。」

十「春希との思い出っていう捉え方もできますよね。離れてる間ずっとピアノで春希と会話していたみたいな表現もあったような。」

カ「ひとつ思ったんだけど、春希のためにピアノを弾くであっても単に弾くことであっても、それは音楽を好きってことには等しくならないから。音楽を弾くことに変わりはないけどね。」

ば「これまで観客を魅了するための音楽が今まで弾けなかったわけで、それを引き出したのが春希だから。やっぱり春希のためのピアノなんだと思う。」

と「春希と音楽をすることで、好きだったあの頃を思い出したんじゃないかな。」

よ「好きだったあの頃の定義って何ですか? 春希もかずさも母親との確執をずっと問題にしているんですよ。だから、あの頃に戻りたいってお互いが母親と上手くやっているときなんじゃないかな。」

ば「なんか分かる気もする。じゃあピアノじゃなくても良かったのかな。」

よ「勉強でもいいんです。極端な話。物語を構成する上で音楽って道具なんですよ。」

ば「ただ、皆が一緒にできるっていうのがあったけれど。」

よ「それはうまいこと三角関係をつくる道具になっているんですよ。」

カ「俺はホワイトアルバムっていう作品の根底にあるのは、音楽をみんなで奏でることの楽しさだと勝手に思っているだよね。」

ば「ホワイトアルバムっていうのは1も2も?」

カ「1も2も。共通したテーマとして。」

よ「ちなみに1経験者としてはどうなんですか? 音楽って楽しいもの? 俺は奪い合うための道具にしかみえなくて。」

カ「奪い合うのが楽しくないってことじゃなくて」

ば「1は結果的に音楽になっただけのような気がするな。」

カ「そういうものか。」

ば「彼女だけど会えないって状態をつくりたくて、そのためにどうしようかってことで有名人にしたんじゃないのかなって思う。音楽っていうのは確かにそう考えるとツールなのかなって。」

よ「根底には音楽はテーマになっているから、それはあると思うけど。基本的にはライターが物語を書くための道具だと思う。性格付けだったり物語を構成するためのもの。あの三角関係をつくるための道具かな。でもそこに音楽という要素を含めることによって歌詞に重みをつけたりして人間関係の深さとか、面白さをだしていった。」

カ「俺は音楽をやって舞台にあがる楽しさっていうのを知ってるんだよね。確かにあれはやってみると麻薬のような楽しさがあるんだよね。やっぱり文化祭の三人で歌った話、あれが雪菜やかずさに音楽が楽しいってことの根底にあるんじゃないかと思うんだよね。」

よ「それ聞いちゃうと余計に道具感が増しちゃいますね。」

ば「逆に、音楽が楽しいとはあんまり言ってないんだよね。三人でいることが楽しい。」

よ「そのための理由付けが音楽。そこで音楽って道具なんですよ、シナリオをみせるための。」

カ「それは丸戸先生を好きな解釈だからそういう話になるんじゃないかな。丸戸先生がどういう風に音楽を考えているのかっていうのは非常に難しいところだと思うんだよね。じゃあ音楽以外であの話が成立するかって言うと、俺はあんまりピンとこないんだ。演劇とかだとちょっと違うと思うんだよな。あれが原体験にあって、そこから話が広がっていくって考えると話が面白いんじゃないかって思ったんだよね。」

ば「他に代わりがあるかというと浮かばないですね。そう考えるとホワイトアルバムは森川由綺と緒方理奈が歌う話で、冬弥くんはバイトなんだよね。」

カ「音楽を手に入れて、それを捨ててまで春希の元にいようとしたのが感動したんだよね。雪菜の前で硝子で手を切ろうとして。それを引き止めたのは雪菜としても三人でいたときの感動があって、手を切ることで三人の思い出が全部消えっちゃったことになるから、それは止めるだろうし。」

十「ホワイトアルバム2の中で音楽っていうのは、人と人をつなぐ媒体みたいな。最初かずさが弾きはじめたのも春希とつながるため、雪菜もそれに乗っかってみんなつながっていった。それで、実際私たちもライブでつながったわけで。かずさも一時はピアノを手放すのは人とのつながりを絶つ、雪菜も歌をなくして人とのつながりを絶った。そういう使われ方はみていておもしろいな。」

カ「かずさとの話は曜子さんとかずさの親子関係の話でもあるんだよね。いかに娘が親離れするか、親が娘離れするかっていう話でもある。そう考えるとまた面白いし。」

よ「でも最終的に全然親子どっちも離れられてないよね。」

カ「だから、かずさTrueだと下手すると親の死に目に会えないんだよね。」

十「そこは大天使雪菜さんがなんとかしてくれるんですよ。」

カ「でもそれは想像であって、少なくとも白血病の親を一人で日本に置いていくくらいの決心を、あそこで初めてかずさがしたんだよね。俺それが感動的なんだよ、かずさTrueの。全てを捨ててって、思い出したのが失楽園なんだよね実を言うと。」

十「想いの強さはすごいと思いましたよ。」

カ「春希はそんなに捨てるもの、まぁ社会的なものを捨てなくちゃいけないからあれかもしれないけど、あんだけ自分を育ててくれた親を、しかも大好きだった母親を日本に残してでもやっぱり春希と一緒にいたいという、そこでもう。で、春希もそういう風に二人で初めて決心して、全てを捨てる決心をして外国に行くという判断をしたというのが素晴らしいと思った。」

一同 …(沈黙)

十「やっぱり雪菜かなぁって…。それはそれでいいんですよ。想いの強さは素晴らしい。」

カ「どっからその結論にいくんだよ!全然話が違うでしょ!」

と「さすが雪菜派だ」

十「春希とかずさは本当に幸せなのかって。」

カ「いや、本当の幸せっていうのはないんだよ。結局このゲームは人生観があったり、どういう女が好きかってそういう話だと思う。極端なこと言っちゃうと。俺は何が幸せで何が不幸せかってひとつのことで言い表せないと思うから、やっぱりかずさのシナリオはあれが一番しっくりくるっていうのが、俺の結論なんだよね。あれで二人が幸せだとは思わないんだけど、でもあの二人だけの世界だけでいうと幸せそうにみえるよね。他を見ないで、現実を見たら全てを捨てちゃってるわけだし。」

ば「そう聞いてるとホワルバって何かを得るための物語なのかなって思う。キャラクターごとに。」

よ「雪菜Trueでは、雪菜って何も捨てれないから。じゃあ、あのルートって何を捨てたって。」

カ「何も捨ててないんだよ。だから逆に言うとかずさが去っていかないとシナリオが解決しないんじゃないかなって思ってるんだ。だってあれ、かずさ辛すぎるもん。普通に考えて。」

よ「皆さん、かずさのあの気持ちはオッケーなの?」

カ「俺オッケーじゃない」

よ「だから雪菜Trueって納得できないんですよ。なんでビンタ合戦で納得できるの?」

カ「やっぱりそう思うでしょ」

よ「もうあれが大ッ嫌いで!むかつくんですよ。」

(全員 笑)

よ「いや、雪菜好きですよ。なんであれにまとめた? 丸戸さんってなるんですよ。」

カ「そう、よーだすくん!(握手)」

よ「ずっと気に入らなかった!(握手) だっておかしくない? あんなつらい状況、かずさに強いてるんだよ?で、なんで納得してんのかずさ?って、違和感が。だから雪菜嫌いなんですよ。あのルートが嫌いだから。」

ば「それはさ、成長できないかずさだったんだよ。抜けれなかったんだよ。全てを抜け出して、一人で出て行くってこともできなかったんだよ。」

よ「かずさが好きだから、それが納得できなかったんだ。」

ば「俺もかずさ派だけど」

カ「俺はすべてを全て捨てて二人っきりになるのは、明るく終わるような話にしたのが雪菜Trueで、暗く終わらせたのがかずさTrueでそこの対比のためにああいう風にしたんじゃないかなってぐらいの強引さを感じたんだよね。」

よ「そもそも春希とかずさがくっつくのが最高のENDなのかというと違う気がして、それを加味して雪菜Trueの反面教師っていうか、別の方向性の答えを出したのが実は不倶戴天なんじゃないかなって。不倶戴天って自分の中では雪菜がHappyになって、春希と結ばれてるんですよ。じゃあ、かずさTrueを見た、かずさ好きな人って、あんな二人の世界だけに引きこもって今までの生活を捨てて自分たちだけの幸せをつかむ。でも、うちらが望んでることって、かずさの成長だよね。もっと周りと、春希以外の世界を見つけることなんじゃないかなって答えが不倶戴天にあるって思う。」

十「むしろかずさ派の人たちに感じるんですけど、かずさの強さはあまり信じられてないんですかね?」

よ「かずさは弱い子だから」

十「弱いんですけど、その中に秘めてる強さっていうのはあんまり見いだしてないのかなーって」

よ「ある意味逃げ込んでるのも強さなのかなって、周りを全部捨てられる。」

十「捨てる強さもそうですし、私自身は雪菜Trueでも、その二人の結婚を認めるのも一つの強さじゃないかなと思うんですけど。」

ば「あー、うん、それはそう思う。」

よ「雪菜Trueのとき、かずさがそこまで強くなってないと思ったのかな、あのシナリオの中で。」

十「説得力無かったんですかね。」

カ「一つ言えるとしたらかずさが妥協しちゃったっていうふうに見るしかないんだよね。」

よ「そう、妥協しちゃったように見えるんですよ。」

カ「諦めてないというよりかは諦めざるを得ない。無理矢理そこまで追い込まれちゃったからそうせざるを得ないんだよね。」

ば「前日にこってり振られてたよね。」

よ「あれ、そうだっけ?」

ば「かずさ前日にこってり振られてる。前日って言うか、収録終わったあとにこってり振られてなかったっけ? 雪菜が外で待ってて、その前に春希がかずさを振って、雪菜の元にいくとかだったよね。」

十「CDを収録した後に外で待ってて。」

ば「で、雪菜に怒られるんだよね。」

よ「あー、そこが抜けてる俺。」

ば「だから、がっつり振られてるんだよね。」

十「それもかずさから振れって言ったんですよね春希も雪菜もまだ三人でいようって思ってたんですけど、かずさ自身が春希の背中を押したんですよね。」

カ「春希と雪菜の結婚式まで一緒にいるのは良いと思うんだよね。あそこで一緒で三人でいるって決断しちゃったのはなんでなんだろうね。その場ではうんって言っちゃうかも知れないけども、雪菜が大事な友達をひとりなくして、初めて雪菜に失う物ができるわけ。それをやることが雪菜が最初にやっちゃった罪の贖罪なんじゃないのかなと、やっぱり許せないんだよね。」

十「そのしっぺ返し自体はもう我慢していたっていう、私が一番頑張ったっていうのは。」

カ「それはかずさ知らない話なんだよ。」

よ「ホテルでいろいろ言ってなかったっけ?」

十「私もちゃんと記憶してないですけども、でもそれがないと認められないじゃないかなとも思うんですよ。今までの二人の歩みって言うのは話してしかるべきじゃないかなと言う先入観はあったんですよ。」

カ「でも、面白いよね、雪菜Trueルートはやっぱり、よーだす君も疑問に思ってたのか、それはちょっと嬉しかった。あれはちょっと強引な感じは俺もしたんだよね。大団円すぎるんだよね、大団円にしたくてしたような匂いが少ししたんだよね。」

十「私は大好物なんですけどね。」

カ「でもあれって、かずさにとっては本当に大団円だったのかというと…そこが解釈しきれてないからなんか違和感が残っちゃうんだよね。」

ば「あの大団円の雪菜だったら、かずさが離れていくのを絶対に許さないよ。」

カ「かずさにとっては拷問なんだよね、よく春希を取っておいて一緒にいれるなっていうのが、ひでえ女だなと言えるんだよね。」

よ「なんでそれに違和感がでるかっていうとICの時点で、かずさが言ってるんですよね『手が届かないくせに、ずっと近くにいろなんて、そんな拷問思いついたのお前だろ!』って。その台詞があるから違和感をずっともってるんじゃないかなと。」

カ「それがずっと継続しているとすると、拷問をずっと受けてるのを了承しちゃってるんだよね。」

よ「シーンが抜けてるからそう解釈してるのかも知れないけど。」

十「そのまま考えると難しいですよね。私は、あのあとになにかあって成長したって考えるしかないなって。」

よ「いきなりICで雪菜が春希好きになったのと同じ違和感があそこにあるんだよね。なんかワンテンポ抜けてるイメージがある。」

十「私はその、時の魔法の挿絵で、ウエディングドレス姿の雪菜がかずさに抱きついてるそれをかずさは優しい顔で抱きしめているというあのシーンで補完していると考えてもいいんじゃないかという気持ちもあるんですよね。」

と「それだったらあの、『かずさが男の子だったらよかったのに』っていうあそこでも同じような感じだったのかな。」

十「あそことかぶってるんですけどまた違うんですよね。」

カ「雪菜が春希を好きなのと雪菜がかずさを好きなのとは温度差があると思うんだよ。そんなに雪菜のこと好きだって言ってるシーンは無かったと思うんだよね。友達としては確かに当然友達なんだろうけど、雪菜がかずさのことを好きなほど、かずさは雪菜を好きじゃないんだよ、多分。」

と「でも、一番の親友なんじゃないですか。」

カ「かずさはそんな人間関係がないから。」

と「だから基準がまず違うんだよね。」

カ「さっきの三人の音楽の話もすると、雪菜は三人で音楽やったシーンが良すぎて三人で一緒にいたいってのがあるのかも知れないけど、かずさはピアノ弾くことができるから、そこまで雪菜に対してこだわってないじゃないかなと思ってる。そこがミスマッチの根底にあるんじゃないかなと思うんですよ。」

ば「俺はどうしても今シーンが思い出せないところがあってさ。雪菜Trueの時のコンサートに行ったときに依緒と武也になにを言ってたのかなってのがあそこになにか全てを許すためのヒントがあったような気がするんだけどなって考えてる。」

カ「かずさは何も言ってなかったかも知れないけども、少なくとも依緒も武也も友達だと思ってるんだよね。武也のことはずっと部長って言ってるから、やっぱりあれは皆フラットだと思うんだよね、あのあたりは。かずさにとっては依緒も武也も雪菜も。」

ば「そういうところにいようとしてた、残ろうとしてたっていうかずさの強さも最後にはでてきたんじゃないかなとちょっと思うんだよね雪菜Trueでは。」

カ「それを書くにはちょっと足りなかったかなあっていう。そこはもう少し欲しかったね、もうちょいまあ逆にそこ書かなかったから、こうやって話ができるわけじゃん。」

ば「じゃあ、今回はこの辺でお開きにしておきましょうか。皆様お疲れさまでした。」

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