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変化の波に乗れ!

淡水真珠の指輪を購入した話。
ちなみに前回の記事に出てきた木曜日の翌日✌️

とある金曜日。
その日は午前は仕事、午後は半休を取って免許の更新、夜は病院の診察…と、詰め込みまくったがゆえにくったくたな一日となった。(そうは言っても合間にスタバで休んだりしてエネルギーチャージした。)

診察を終えると時刻は7時過ぎ。私のお腹はペコペコで、一刻も早く病院帰りの楽しみであるラーメンを食べたくて仕方がなかった。
なのに四条烏丸のバス停前を通ろうとした時、ふと本屋に寄ろうと思い立つ。

四条烏丸のバス停の前には京都経済センターというビルが建っている。2階にポケモンセンターが入っていることで知っている人もいるかもしれない。その1階に書店が入っており、病院帰りや病院の予約時間まで間がある時など私もよく利用していた。
前述通り、お腹が空いていたので今日は本屋に寄るつもりはなかった。
だが、そんな私とは裏腹に体は本屋へ吸い込まれていく。仕方ない。ちょっとぶらついてからラーメン屋さんへ行こうと思い直し、大人しく本屋に入った。(このラーメンへの執着よ。)

本屋は心地よい紙の匂いがうっすらしていて、すごく落ち着く。とげとげに高ぶった神経が均されていくよう。
入口から少し歩みを進めると、おすすめの本や雑貨のスペースがあるのだが、その日は違った。
アクセサリーのポップアップが開かれていたのだ。
珍しいなと思いつつ、近づいてまず目に飛び込んできたのは、たくさんの真珠。それにシルバーだった。
心の中で、おお…!と声を上げた。

実を言うと、いつか真珠のシルバーリングがほしいな~と思っていた。
まだ、コンセプトは本決まりしてないけど「セイレーン」の概念がずっと自分の中にあり、セイレーンと言ったら海だしやっぱ真珠だよね!と、まあ大変安直な感じで真珠の指輪が欲しかった。
そのうちくらいの気持ちだったので、この時点ではネットでどんな物があるのかちょこちょこ見ているくらいだったのだが、ある時気付いた。
もしや、あんまり真珠にシルバーの組み合わせ無い…??
私の探し方も悪いのだとは思うが、このデザイン好き~!と思うとリング部分は大抵ゴールド。
いや、わかるよ。ゴールドに真珠の白が映えてめちゃくちゃかわいいもんね。でもさ、でもさ、シルバーに真珠もめちゃくちゃかわいいと思うんだよ~!世の中~シルバーに真珠もゴールドと同じくらい増えよーよ~!!

そんな感じで、真珠とシルバーの組み合わせ珍しい!と足を止め、指輪をまじまじと眺めていたら販売員さんに声をかけられた。
この販売員さんこそが作成している職人さんご本人であることをお話しして知る。
ついでにここで真珠が淡水真珠だと知ったが、その辺のこだわりは特にないのでへ~ってなっただけだった。こだわりがある人はこだわりがあるんだろうけどね。

職人さんは曲線がお好きらしく(最推しは唐草模様とのこと)、確かに作品は曲線を強く感じるものばかり。
曲線に惹かれるのすごくわかる。曲線特有の丸みとなめらかさたまらないよね! とかいいつつ、カクカクした物も好きで四角とか三角モチーフのもいっぱい持ってるんだけど。どちらも等しく好き。
曲線談議に花を咲かせつつ、気になった指輪を試着する。
途中から職人さんもこの真珠の色だとこういう感じに見えますね~と合いの手をいれてくれ、自分だといまいちつかみきれていなかった印象が良く分かってめちゃくちゃ助かった。

一口に真珠と言っても人間のように様々。よく想像されるであろう白を始め、ピンクっぽいものや黄色みがかったものなんかもある。おまけに大きさも様々な上、形も丸から歪なバロックパールもあるので、自分の理想の真珠を探そうとするともしかすると結構大変かもしれないと今回を機に思った。

いろいろ付けたり見たりして気になったのは、大きめの真珠と小さめの真珠が一つずつ付いたフリーサイズの指輪。
手に取って右の薬指に嵌めてみると、大きめの真珠がベージュみがかった光沢を放っているのに気付く。
「真珠がベージュみがかっていて、お客さんの雰囲気に合いますね」と職人さん。よかったら鏡で…と言ってくださったのでお言葉に甘えて鏡で見てみる。
うん。職人さんの言葉通り私に似合ってる。私らしい…けど、なんか無難な気もする…??

ふと指輪が置いてあった場所を見返すと、同じデザインのものがもう一つ。こちらの真珠は真っ白だ。
ベージュのを外して、真っ白な真珠の指輪を同じく薬指に付けさせてもらう。
「こっちは爽やかというか、おしゃれ!って感じですね」と評したのは職人さん。確かにこちらの真珠はヨーグルトみたいな爽やかさがある。
これもいいな~! でも、これを選ぶのは自分的に挑戦!って感じがする。多分、ベージュちゃんを先に付けたからそう思うんだろうな。

迷っている私に気付いたのだろう職人さんが「比較してみましょうか」と言って、お隣の中指にベージュちゃんを付けてくださった。
比較してみるも正直同じくらいいいし、惹かれる…! でも、敢えて選ぶなら…。
「こっちの白の方があってる気がしますね」
「ですね…!」
白の方がいいと思う…のになんか踏ん切りがつかない。
今回は保留にすべきかな…と思いながらベージュのを外し、白のも外したその時、人差し指が目につく。そうだ、人差し指に白のを付けてみよと思い、職人さんに人差し指に付けていいか訊いてみる。職人さんは快く受け入れてくださり、リングの輪を少し広げてくださった。(フリーサイズだからね!)
渡されて、白のを人差し指に付けた瞬間、バチっと音がした気がした。
それは電流が走った音だったのか、パズルのピースがハマった音だったのかはわからない。ただ、その瞬間ここだ!となった。
思わず職人さんを見る。隣で見ていた職人さんも私を見ていた。
私達を顔を見合わせて頷いた。
「ここですね!」
「ですね!! めちゃくちゃしっくり来ます…!」
人差し指に付けてから吸いついてくるような、離れがたいあの感じがある。
念のためベージュの方も人差し指につけさせてもらったが、白のような驚きとしっくりさは感じられなかった。再び白ちゃんを付けさせてもらうと、うん、やっぱり離れがたい。
とはいえ、今日は持ち合わせがないし、気力体力も底を尽きかけてている。こういう時に決断するのは後々の精神衛生上よくない気がする、ので。
思い切って「一晩考えさせて頂いてもいいですか?」と訊いてみた。職人さんは快諾してくださった上「よく寝て考えてください」とまで言ってくださった。
そんなわけで、その日は何も購入せずに後にした。

予定通りラーメンを食べ、帰宅して一息ついた私はようやく気付いた。
これよばれてる案件だったのでは…!?と。
でも今の今までよばれてたことに全然気づかなかったぞ…?と思った私は一つ仮説を立ててみた。
おそらく、くったくたでよびかけを受けるアンテナの受信力が弱まっていたのではないか。だけど、今回よびかけに応じれたのは多分隣人が導いてくれたから…と考えると、体が吸い込まれるように本屋に行ったのも納得がいく。
断言できる。あの瞬間私の体は私の意識外にあったと。

だとしたら、帰ってからも指輪の事を考えてしまうのも納得だ。
というか、今も早く買いに行けと隣人にせっつかれてる気がする。でも、一晩考えるって言ったからね。明日覚えてなかったらすっぱり諦めるよ。
そう決めた私は大人しく寝ることにした。が、寝てるのにあの真珠の指輪が頭から離れない。ちゃんと眠れてはいるのだ。寝ているけど、頭は起きてるというか、夢の代わりにずっとあの真珠の真っ白さが頭の中でちらちらちらちら。
で、デジャヴ…! ついこの間もこの感じあったよ!?
そう、ちょうど1か月前に購入したシルバーの指輪とピアス。あの時も寝てるのに頭の中でずっとちらちらしてた。
わかった…わかったから、明日朝一で買いに行くから、頼むからちゃんと寝させて!

そんな感じで朝。
真珠の指輪は寝ている間も頭から全く離れなかった上、そんな気配すらなかった。
しかしながら、あの真珠の指輪を買うべきか私は現在迷っている。
だって、二万円もする。
金銭感覚が高校生辺りで止まっているせいか、私にとって二万円は十分大金の域だ。
でも、誰かが言ってた。迷ってる理由がお金だけなら買え、と。
なら、買うべきでしょ。
決意が鈍らないうちに私は足早に家を出て、本屋へ向かった。

開店時間を少しばかり過ぎて現れた私を職人さんは喜んで迎えてくださった。
制服予定の指輪との相性も見たいと昨日は付けていなかった指輪を付けて行ったのだけど、さすがはアクセサリーを作る職人さん。すぐ気付いてくださった上に褒めてまでくださった。
「最後にもう一回付けていいですか?」と訊けば「勿論」と頷いてくださる。
昨日の白い真珠の指輪を人差し指に付けた。
…うん、やっぱり。ここだ。そして、やっぱり私にはこれが必要なんだな。
そうして観念した私は指輪を購入した。

これが購入した真珠の指輪💍

指輪を購入した私は、10年近く前の事を思い出していた。
当時の私は、隣人の声を聞けるようになるために、ノンタンからスパルタ手ほどきを受けていた。
正直ふしぎなことに興味はあれど、別段その当事者になりたい訳ではなかったし、はっきり言ってこの状況が少し怖くもあった。だって、ここにいるよとか言われても私には見えないし、何か言ってるよと言われも私には聞こえない。ちなみに今だに見えないし、聞こえない。はっきり感じれるのは気配みたいなものくらいだ。
しかし、怖さ以上にこの手ほどきを受けないといけないみたいな強い焦りがあった。

当時は焦りの正体がよくわかっていなかったけど、今ならわかる。
あの頃の私はようやく地元を出れたはいいものの、ものすごく情緒不安定だった。ふと恨み言を呟いたり、ふと落ち込んだりと毎日しんどかった。
おそらく今自分が変わらないと、この先もこれに苦しむことになると当時の私は何となく気付いていたんだろう。
だから、ノンタンの話を半信半疑ながらも信じることにしたのだ。とはいえ、見えない物は見えないし、聞こえない物は聞こえないので若干の戸惑いはなんだかんだ最後まで捨てきれなかったが。

そんな感じでノンタンからのスパルタ手ほどきを受ける中で特に多かったのが、選んで購入すること。
今の自分が持つべき物、食べるべき物などを隣人や物自体の声を聴いて(気配を察して)選ぶのだ。
めちゃくちゃ単純かもだが、これがかなり難しく、ノンタンにいっぱい助けてもらった。
でも、ふしぎなもので、回数を重ねていくとなんとなくこれかな?とわかるようになってくる。
大学を卒業する頃には、うっすらではあるが感覚をつかむ事が出来たと思う。
多分、卒業してノンタンと連絡が取れなくなったのは彼女が私に教えることは無くなったからなのだろう。あと単純に、わりと何で何でと聞いていたのでうっとおしく思われたのかもしれない。…前者だけだといいな。

で、思った。
なんか最近物を買うことが多いけど、この状況10年ほど前と似てない? と。
あの時はポコポコいっぱい物を買ってて、今回はよいお値段のを数点買うという感じで若干違いはあるけど、この休む間を与えずに買わせる感じ…まさにあの時と同じ。
多分、今変化の時が来ている。
実際ピルを飲み始めたおかげで自分の意識や自我がクリアになり、自我をちょっとずつではあるが躊躇なく出せるようになってきた。

私は最近ある一つの仮説を立てた。
隣人や物たちが私に購入させようとするアイテムは、私にとってのパワーアイテムじゃないのかと思うのだ。
今回だったら変化を進めるための手助けをしてくれ、その道筋を整えようとしてくれているのかもしれないな、と。

真偽のほどはわからない。
だけど、変化の波は確実に生まれ始めている。

この変化という名のビッグウェーブに乗ろうじゃないか!