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蒼穹のフリューゲル62

嗚呼


タケだ

‥慌てて
シャルの
着替えを
置いて
外に出た

タケ
「な、何で二人共全裸なんだ⁈」
「くそ‥そもそも女子寮だからな」

すると

マナと
目が合う

マナ
「アンタ、女子寮で何してんの⁈」
タケ
「 」



バチが
悪そうに
渋々
エントランスの
公園で
事情を
説明した


マナ
「ご愁傷様‥」
「バタバタしてた訳ね」

くそ‥
何だか無性に
腹が立つ

タケ
「‥寮に戻るわ」


マナ
「アンタさ」
タケ
「ん?」
マナ
「エノクの側にいた方が良いわ」
タケ
「男子禁制だろ‥」
マナ
「アンタしか居ないの」

どう言う
意味だ?

聞く前に
マナが
口を開く

マナ
「もうエノクには居ないの。
戻る場所も‥この意味分かる?」


タケ

「分かるかよ!」
「何だってんだ⁈」


ドクン‥

しまった

タケ
「 」

マナ
「ごめん‥私、行くわ」

去り際に
涙ぐむ

待てよ

どう言う意味だ?
説明も無しかよ

俺は
どうしたら
良い⁈


エノクの
部屋を見上げる

タケ
「‥エノク⁈」



エントランスに
降りた

エノクと
二人になる

エノク
「‥タケ?」


タケ
「‥俺が居ない間に何があった」

エノクは
困った様に

少しの
沈黙の後
口を開く

エノク
「‥ん」
「あの男に」
タケ
「?」
エノク
「親も故郷も消されたわ」
タケ
「 」
エノク
「最後‥何て言ったと思う?」
タケ
「え」

エノクが
蹲る

エノク
「お前が誇りだ」
「 」

タケ
「 」

咽び泣く

小さな肩に
触れる

震えている

そうか‥
なのに
コイツは
それでも

なら
対等だ

俺だって
痛いくらい
分かる

タケ
「‥俺もだ」
「兄貴はいるが」
エノク
「 」

タケ
「だからって、見せられねぇだろ」
「見っともない生き方なんざ」
エノク
「 」
タケ

「ラグラを救うぞ。
此処じゃ無い政界に思い知らせるんだ。
等価交換だ!」
「代償とやら、払って貰おうぜ」

エノク
「タケ‥ありがとう」

エノクが
俺を見る

そういや
あのチビどうした?

エノク
「え、嗚呼‥寝たわ。疲れたのね」
「シャルは回復魔法の影響が
あったから」
タケ
「そっか」
「ん?」


誰だ?

金髪の
女子


エノク
「え、あ、ノイル?」
タケ
「嗚呼、ダチか」
ノイル
「ごめん、ゼンキの事なんだけど」
エノク
「ゼンキ?どうかしたの?」
ノイル
「居ないの。何処にも」

タケ
「寮は?」
ノイル
「居ないのよ探しても」
エノク
「端末は‥応答無し?」

彼女の事だ

鬼電しても‥
との事だろう

案の定
首を縦に
振る


エノク
「古代図書館を解放したの」
「選抜チームを編成した時、
ゼンキも名乗り出たわ」


ノイル
「‥聞いてない」
エノク
「え?」
タケ
「まさか‥古代図書館?」


エノク
「解読書の解析がまだの筈よ」
「フリュ」
フリュ
『それが、もう解読アプリは
開発済みで‥』
『タケさんの読みなら当たりかと』
エノク
「ノイル!」
ノイル
「うん!案内して!」

俺は

ノイルと
エノクで
古代図書館へと
急ぐ

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