ケット・シー

夢の中で
出会った

最初に

寝起きの妻が
布団の上で
ポットから
水をこぼし

私は後始末に
追われる
妻は何処かへと
行ってしまう

3匹の猫が居て
どれも兄弟

毛長い
大人しめの
白と黒の
2匹

後は
3歳児の
悪ガキ

魔法も使う
妻が居ない
元凶を追い詰める

逃げ足は早いが
追い詰めた

浴室で水を
飲む後ろ姿を
見る

扉を閉めて
密室に
閉じ込めた

隙間から
出ない様
ぶら下がる小さい
リュックで
退路を塞ぐ

野次馬が
集まって来る

ケット・シーを
説得する

不平不満
愚痴を漏らす

他人に当たる
気持ちは
分かる

だが感謝とは
今を受け入れる
広く大きな心

たとえ
愚かでも
頭が良くても
不器用でも

受け入れて
体現しろ

そう伝える

奴が大人しくなり

いつの間にか
妻は開放され
兄弟猫を
抱き上げていた

扉を開けると

すっとんで行く

妻と和解し
手を繋ぎ歩く
冷たかったが

夢から覚めた
手は暖かった

終