見出し画像

音楽との偶然なる出会い サロメの唇『熱海秘宝館のテーマ』

大学3年の頃ディスクユニオンで流れていて気に入り、このシングルを購入しました。
私が感じたこの作品の魅力を言語化していきたい。

おはようございます。

サロメの唇というバンドのシングル『熱海秘宝館のテーマ』の感想を述べていきます。
昭和の歌謡曲の雰囲気が好きだ!という人におすすめです。


『熱海秘宝館のテーマ』について

バンド「サロメの唇」とは

ボーカルの"橘 京子"、ベース・楽曲制作の"水のさとし"の2人を中心に構成される歌謡ロックグループ。
結成以来”昭和40年代の歌謡曲”をテーマにしながらも、あくまでオリジナルの楽曲にこだわっている。

公式サイトBiographyより引用

2003年にバンド結成。
2020年に解散以後は、橘京子さんは"京子バラッド”として歌手活動をされています。水のさとしさんは彫刻作品を製作されています(instagramで見られます)。

シングル『熱海秘宝館のテーマ』は2009年発売です。
熱海秘宝館に古くから伝わるテーマソングをサロメの唇がカバーした表題曲の他、色々な曲調の歌謡曲系ソングが入っています。
私が持っているのは2017年に再発売した際のものです。

出会い

大学3年の頃、どの店舗だったか覚えてないですが、ディスクユニオンの店内放送でこのアルバムが流れていました。

私はCD屋さんに行くと割と長く滞在して、棚を満遍なく漁るタイプです。
しかしその日はなんとなく耳に入ってくる曲が全部好みだったので、流石に「なんだろうこのバンドは」と棚より放送のほうが気になってしまいました。
ディスクユニオンでは現在お店で流れているCDをカウンター横で紹介しているので、彼らの名前はすぐわかりました。
しかし、確かお金がなかったとかでその日は諦め、後日なぜかブックオフで購入した気がします。ごめんなさいディスクユニオンさん。

私は朝ドラ『あまちゃん』の影響で昭和の歌謡曲やアイドルソングが好きになったのですが、サロメの唇のように「昔の音楽を平成の今に再現しよう」という方向性のバンドと出会ったのはこれがほぼ初めてでした。
(でんぱ組.incが渋谷系音楽の再現やってたりはしたけど)

全曲レビュー

ということで、曲が全て良いので全曲の感想を書きます。
まずはクロスフェードで雰囲気だけでも聴いてみて下さい!

熱海秘宝館のテーマ

↓Spotifyにはライブ盤しかなかったです。

昭和55年の開館当初から熱海秘宝館のなかでひっそりと流れ続けている曲で、サロメの唇がカバーして世に知られるようになったらしいです。
「作詞・作曲 不明」というのがこの曲に唯一無二の神秘性を与えている気がします。
↓カバー元の原曲も熱海秘宝館の公式HPに上がっているので、聴こう!

切なげな歌謡音楽に乗せて、熱海の情景と在りし日の恋人の姿を唄った名曲です。
曲調については、映画「犬神家の一族」の『愛のバラード』が好きなら絶対気に入ると思います。

私は熱海秘宝館に実際に行ったことはないのですが、推しの女子高校生VTuberの月ノ美兎さんが夢の中(?!)で行ってきたという体験談のお陰で私もどういう施設かなんとなく知っています。私も行きたい。
↓動画の49分49秒あたりから話してます。

熱い砂

2曲目はグループサウンズ系の、ギターがメロディアスにジャンジャカ鳴る激し目曲。この曲から続く3曲はサロメの唇オリジナルの楽曲です。
元々メタル畑で育てられたので、個人的にこういう曲調は大好物です。
寺内タケシさんとかも好き。

歌詞は、忘れられない過去の恋人に未練たらたらな女性視点の歌謡曲。
恋に未練が溢れる女性目線の歌がわたくしこれまた大好物でして、この曲は控えめに言って神。ドストライクなのです。
そんな歌を京子さんがパワフルに唄います。彼女の歌声は一貫して聞き取り易くて、嬉しい。
夏の砂浜の情景が出てくるので、もしかして『熱海秘宝館のテーマ』の歌詞の続きとして、かつて熱海の海岸で繰り広げられた男女二人の恋模様を描写しているのかも?

汽車にゆられて

3曲目はゆったりと各駅停車に揺られる感じの明るめ曲。
優しい歌声もしっかりこなせる京子さん良い。

歌詞は”あの娘”がいる街を離れて汽車で新天地に向かう優男君の、「もう帰らないぞ」という決意の歌。
今度はこれまでの2曲で匂わされてきた恋の物語を、男性視点で歌っている?
とすると、男性が女性を捨てたのですか!(個人的妄想です。)

四季咲きのバラ

4曲目はスキャットの乗った、力強い歌声の歌謡曲。良い。
スナックに行ったことないけど、スナックとか昔の酒場でプロが歌ってそう。
しんみりと聴かせる大人の歌です。

歌詞はこれまでの曲で出てきた男女2人が、雨の日に出会い、お互いに恋に落ちた時の情景を歌っているのではないかと私は勝手に解釈しています。
四季咲きの品種のバラでも生育条件によっては普通に夏までで開花が終わるらしいので、二人にもその後なんらかの環境の変化があったのでしょうか。

バージン・ブルース

最後は野坂昭如さんの名曲のカバー。
これまでの4曲より性的に物騒な曲ですが、ある意味一番熱海秘宝館らしいのかもしれない。
京子さんが歌うととてもパワフルで妖艶な印象になります。
是非野坂さんの原曲も聴いて頂きたかったのですが、フルは戸川純さんのカバー版しか見つからなかったです。

サロメの唇のこのカバー曲と筋肉少女帯の『マリリン・モンロー・リターンズ』のお陰で私は野坂さんにも出会いました。
野坂さんは声が渋くて思想が強めなのが良いですよね。

おわりに

私の好きな昭和歌謡曲系音楽のレビューに挑戦しました。
自分の語彙力のなさを思い知りました。感覚を表現するの難しい。
少しでも魅力が伝わっていれば幸いです。

あと、こういう方向性のバンドをご存じでしたら是非教えてください!
喜びます!!!

以上です。お読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?