【魅力】

●2つの物語

小次郎とまりなの2人の主人公の物語を別々に進めていく形となる
小次郎はなくなった絵画の捜索　まりなは護衛の任務
最初はそれぞれ違う話だけど裏に大きな事件が隠れており少しずつ2つの物語がつながっていく様は本当に面白い

謎が謎を呼ぶ事件はとても面白く中盤あたりで事件のことがある程度は見えてくるけど何かとっておきの手がかりが足りないという状態になる
最後にそれが分かった時は鳥肌がすごかった

●複雑に絡み合うシナリオ

本作はいろんな事件が起こり登場キャラの些細な言動がいろんな謎や手がかりにつながっており結構複雑だ

いろんなことがありすぎてたまに頭が混乱することがあった
でも読んでて全然退屈しないし常に先が気になるように作ってある
一見関係なさそうなキャラでも意外なところに接点があったりしてとてもわくわくした
少しずつ手がかりを掴んでいく過程もとても丁寧で好きだ

●2人の主人公

自分は小次郎　まりなの2人の主人公をとても気に入ってる
2人とも下品でおちゃらけた感じの性格だ
YUNOで耐性がついたおかげで最初からこの2人のふざけた性格を楽しむことができた
でもやる時はやる人たちで身体能力や頭脳はずば抜けている
そして大切な人のために一生懸命になっている様は普段のふざけた態度とのギャップもありとてもかっこいい

小次郎なんかは捕まったら100回は死刑にされるであろう危ないことに何食わぬ顔で突っ込んでいき流石に笑うしかなかった
当事者よりもプレイヤー側の方が緊張してしまう
YUNOのたくやも似たような感じなのでこういうのはこのシナリオライターの特徴なのかなって思った

物語の途中で2人が対面することになるけどお互い事件のかなり深いところまで知っておりそれでお互いを認め合うシーンはかなり好きだ

●人間ドラマ

小次郎と弥生　小次郎とオヤッサン　まりなとオジサマなどの人間ドラマもとても魅力的だ
小次郎と弥生は最初は仲良くやっていたけどある事件をきっかけにお互い離れることになる
でも今回の事件をきっかけに少しずつ接点がうまれていく
弥生は普段は凛々しい感じのお姉さんだけど人一倍寂しがりで誰かに依存しがち
小次郎との関わりでそういう普段とは違う言動が見え始めるけどお互いまだわだかまりがあってよりが戻りそうで戻らないような状態が続く

そういう事件と並行して進む人間ドラマもとても面白い

【総合評価】

主人公　サブキャラ　意外性　ヒロイン　物語の展開などミステリーもののアドベンチャーとしてどれも優れていて本作はとても完成度の高い作品だと思った

こういうゲームだから全く心構えをしてなかったけどまさか終盤で泣くとは思わなかった
そういう所も含めてよくできた作品だと思う

特にこれといった欠点が見当たらないのもすごい
強いて挙げるなら小次郎　まりな共にとても魅力的な主人公なので主人公もフルボイスならさらによかっただろう
全くボイスがないわけではないけどちょっと足りなかった


88→90点　3/7修正