コロナの真っただ中、2020年8月に店舗改装したお店があります。江戸川区の平井親和会商店街にあるスーパー「平井中村屋」です。それまでは、いい意味での下町の総合食品店で、地元のお客様に支持されていたお店です。　　
　ただ、顧客の高齢化に悩んでいました。今回の改装では、顧客の若返りを図るべく、店内レイアウトの簡略化と陳列やPOPの明確化をしています。また、照明を明るくするとともに、モノトーンを基調とした店づくりで、ちょっと高級感を演出しました。
　特筆すべきは、店頭に「中村屋宣言」を掲げ、お店のコンセプトやこだわりを明記したことです。中村屋さんのおすすめを、見える化したことで、従来のお客様には安心感を、新規のお客様には親近感を持っていただけたと思います。
　リニューアルの結果、３０代と40代の顧客が増え、終日店内は顧客であふれています。
　中村屋さんの特徴は、その品揃えにあります。全国各地から、「地域に根付いた商品」を取り寄せ、中村屋セレクションと命名して販売しています。例えば、気仙沼の漁港から鮮魚、富山から卵といった具合に、産地から直接仕入れています。中村屋さんは、15年ほど前から一店逸品運動に取り組んでいて、「価格ではなく品質」を前面に打ち出して、地元の客様に支持されてきました。
　今回のリニューアルで、お店の主張がわかりやすくなったこと、店舗改装で入りやすくなったことなどが、勝因と言えます。
　中村屋さんのようなスーパーが近所にあれば、「毎日でも通いたい」と思うのは、私だけではないでしょう。
　JR総武線の平井駅から徒歩5分ほどです。ぜひ寄り道してみてください。