スーパー中村屋の成功に学ぶ

 前回は、江戸川区平井のスーパー「中村屋」のリニューアルの成功事例をご紹介しました。今回は、成功の要因についていくつか整理したいと思います。
 成功要因は、「➀入りやすい店づくり②選びやすい商品陳列③コンセプトの見える化④貫かれた品揃えのこだわり」の4つです。
 ➀入りやすい店づくり:店頭部分を黒を基調とした外装にしたことで、高級感やおしゃれ感を表現したため、若い客層が立寄りやすくなりました。また店内照度をアップしたことで、外から店内が見やすくなりました。さらに店内通路幅をしっかり確保したことで、入りやすく巡りやすくなりました。
 ②選びやすい商品陳列:陳列量を抑えることで、商品が見やすくなりました。また、手書きのPOPを店内随所に配置し、衝動買いやついで買いを促進しています。(産地表示はもちろん、商品の特徴が明記されたメッセージPOPです)
 ③コンセプトの見える化:レジ付近に、お店のコンセプトやこだわりを明記した「中村屋宣言」を掲示しました。中村屋のお店への思い、お客様に伝えたいことが、初めてご来店されたお客様にもわかりやすくなりました。
 ④貫かれた品揃えへのこだわり:価格やボリュームではなく、品質を第一に考えた品揃えのこだわりは、改装前と変わらず一貫しています。おいしいもの、品質の良いものを求めるお客様に、「中村屋セレクト」というスタイルで提案しています。価格訴求ではないため、30代40代の顧客にとっては毎日の購入は難しいものの、「たまにはよいもの」「いつかは買いたい」と思わせ、特別な一品を買える、特別なお店として、存在価値をアピールできています。 
 このような要因で、コロナ禍にもかかわらず、リニューアルを成功させたわけですが、最大の要因は中村社長のチャレンジ精神だと、私は思います。リニューアル前も好業績でしたが、現状に満足することなく、あえて改装にチャレンジしました。特に、顧客の若返りを図ったことは、お店の将来への布石となっています。
 中村屋は、「食にこだわる人」ご用達のお店です。

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