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どんどんふえる🫖🌈創作童話。

どんどんふえる*創作童話です。ゆるりとお楽しみください^^*

「おや、もうこんな時間だ、急がなくては」
時は夕方。大きい時計をつけておめかしした亀はスケートボードに乗っています。




「サァサァ、いそごう、トロピカルへ!」
景色が、サーサーと流れていきます。気持ちの良い、風。景色。かっこいいーと子供達にかけられた声。リズムに乗ってーGOGOです。
そこへ、かけられた声。
「ダイチくん、ちょっと」
「えっ、あっ、うわあ!」
ドンガラガッシャーン!




「いてててて・・・なぁんですかぁ、ヒロさん」
そう、声をかけてきたのはウサギのヒロさん。お歳は上ですが、ダイチの親友の一人です。



「いやあ、すまないダイチくん。実は私もトロピカルに行きたくてね。その、スケートボードで連れて行ってくれないかい」
「ああ、そういうことなら。ただ、止まる時はこうですが」
フォフォフォ、と笑うヒロさん。
「年寄りでも、ウサギはウサギ。ピョンっだわい」
「いいなぁ」





二人がワイワイやっているところに、猫のマインさんがやってきました。マインさん、人間年齢で十八歳くらいですが、かなりの美人さんなので視線を集めます。



「こんにちにゃあ。私もトロピカルへ招待されていて。駆けて行くから、ご一緒していいかにゃ?」
ダイチとヒロさんが、頬を染めてうなずきます。
「もっちろん!」
ヒロさんがよっこいしょーとダイチのスケートボードに乗って。マインさんも尻尾を立ててー、
「しゅっぱーつ!」






ザーガー!スタタタタ!ズザーガー!スタタタ!
見えてきました、目的地トロピカル。ダイチはドンガラガッシャーン!ヒロさんはピョン、マインさんはキキキー、にゃふー。みんなでお互いの身だしなみをチェックしました。
リボン、オッケー!
毛並み、オッケー!
スマイル、オッケー!
「いざ、トロピカルへ!」





カラフルな電飾で飾られ、丸字のブロックで
トロピカルと書かれたお洒落なワインバー。ここが目指していた場所、食事会場トロピカルです。地下への階段をくぐるとワイワイと賑わい、そこへ三人に声をかけてきた人が。
「やぁ、ダイチくんマインさん、それにヒロさん、お久しぶりです、モトミーですぞ」
パリッとしたタキシード姿が凛々しいフェレットのモトミーさんです。
「お久しぶりです、モトミーさん!」
「久方ぶりだねー」
「こんばんにゃあ」
「んー、マインさん、相変わらず美人さんだね。あ、こちらは妻のマユーです」
そこには綺麗なトイプードルのご婦人が。
「こんばんは、マユーですわ。よろしくね」






自己紹介をしていると、白くて丸い柴犬バーテンダーがやってきて、シャンパンを配りました。バッチにはカナナ、とあります。もう一人のちょっと小柄な柴犬バーテンさんはどうやらカオコです。二人は声をそろえて言いました。
「当店自慢の〜♪トロピカルシャンパン!ごゆっくり〜どうぞ〜♪」
ワインバーでも乾杯はシャンパンなんですね〜なーんて言っていると、どんどん美味しそうな料理が運ばれてきました。


小エビとサーモンのカナッペに香ばしいグリルチキン、ハーブとスティック野菜のサラダに、カラフルな手まり寿司、熱々ミートグラタンに、洋酒の香りのフルーツポンチ。勢ぞろいです。さぁ、フェレットのモトミーさんが乾杯の音頭をあげます。





「今日集まった素晴らしき我々に!かんぱーい!」
「かんぱーい!」
ごくごくごく、プハ、美味しい!そこへ先ほどの柴犬バーテン、カナナ、カオココンビが。
「皆さんいい飲みっぷりです。さ、第二弾〜!当店自慢の〜♪赤のサングリア!・・・ととと、数が足りない?」




あれ?バーテンから渡されたワインをみんなに渡していたダイチとマインさんの手が触れ合っていました。
「にゃふ!」「おっと!」
二人は照れ笑い。なんだかい〜い雰囲気。ふたりはパチっと互いの目を見ると、手を離した後、反対の手の先をそっとつなぎました。


モトミーさんだけが気づきましたが、ただニッコリ。サングリアのお代わりをもらっていました。恋の気づきはいつも突然。これから、二人なりの道をときにゆっくり、ときにスキップして。赤のサングリアで、二度目の乾杯。




ブログ、ねころびパンケーキより。ブログ内でのわたしのネームはハタッチです。…たぶん。確か。良いお年を❣(2回目。笑🐣)


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