劇場版「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」I〜IIIの考察・感想 その2


その1はこちらです。見ていない方はその1をご覧ください

このNoteの内容は私の主観(妄想や憶測)に関するものなので、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。

劇場版を見終えて


とりあえずした事は、印象に残った場面のおさらい。
動画をシークして、最初から最後までの桜の登場場面だけを観ていきました。

そして引っかかったのが、「Ⅲ.spring song」冒頭、衛宮邸で黒桜と士郎の対話のシーンです

初見での印象


黒桜との対話シーン。初見での印象は2つ。

1つは凛の宝石魔術に対して台詞。
「ダメですよ。そんな魔術を使ったら。家が壊れちゃうじゃないですか」

桜に似合わないぐらい冷静。桜に対して絶対強者である凛※1 との勝負よりも、家のことを気にかける余裕ぶり。衛宮邸は、桜にとって安寧の象徴のような場所。衛宮邸に傷をつけるなんてとんでもない。

※1「桜に対して絶対強者である凛」これは別途Noteにします。

桜なら言いそうだし、殺し合いの場に似合わないこの台詞は、黒桜の壊れっぷりをよく表していると思う。

もう1つ初見の印象は、士郎が到着して、遠坂の元に駆け寄るときの桜の表情です。まるで浮気した亭主が、不倫相手の元に向かうのを、じっと見つめる嫁のような。恐ろしい表情だけども。それでも私は「怖い顔の桜も可愛い〜〜」なんて思ってしまう、そんな表情の移り変わり。

見直しでの印象


印象というか、引っかかった点。

それは、桜から士郎への言葉、
「先輩は私から離れられない。これ以上自分を裏切ることが出来ないから」の後、桜が悲しそうな、残念そうな表情をするところです。

ここで黒桜は、何故悲しそうな顔をするのか。
初見では気に留めなかった。見直しでは理由が分からなかった
ここが見直しで印象に残った点です。

桜の狂気を際立たせているのは、「私、最初から狂ってたんです」と告白するとき、グロテスクに強調された口元の笑みです。

狂人が「私、狂ってるんです」と告白する際、最も狂気を感じるのは笑顔だと思います。怒った顔でも、悲しそうな顔でもない。無表情より笑顔の方が怖いでしょう。

悲しそうな顔をするのは、黒桜の狂気性が著しく下がってしまう。そんな演出です。この表情が理解出来なかった。

黒桜はなぜ悲しそうな顔をしたのか


須藤監督のHFへのリスペクトは、並々ならぬものがある。
これは初見で重々承知済み。ならば、

「桜の表情が理解出来ないのは、私の理解度が足りないから」なのでは?

という認識で考えてみることにしました。
黒桜は、実は狂っていない。悲しそうな表情の理由、桜の声に出していない心情を考えてみます

桜の声に出していない心情


※ここからは特に私の主観(妄想や憶測)なので、そういうのが苦手な方はご遠慮ください

「Ⅲ.spring song」冒頭、衛宮邸で黒桜と士郎の対話のシーンの行間を、黒桜が狂っていない前提で、これまでの物語を踏まえて埋めてみます。

  • 黒桜の心情は ” ”内に記します

  • 心情は思い切り端折ります。端折った部分は別のNoteで個別に解説します。


(ライダーに担がれて、衛宮邸に到着する士郎)

桜「せん・・・ぱい・・・」
"。。。"

一呼吸置いて
士郎「さ(くら)ーー」

遠坂の呻き声
士郎「遠坂!」

遠坂の元へ向かう士郎。睨みつける桜
"私を抱いたくせに、姉さんのところへ行くんですね"

士郎「なんだこれ・・・・ぐあっ」

桜「何で姉さんを庇うんですか」
”「私だけの正義の味方になる」って言ったのに”

桜「なんで何も言わないんですか」
"今まで言ってきたこと、嘘だったんですか?"

桜「なんで叱らないんですか。兄さんがどうなったのか見てきたのに」
"兄さんを殺したんですよ?なんで先輩は怒っても、叱ってもくれないんですか?"

士郎「違う。それはゾウケンが仕組ーーー」

士郎の言葉を遮る桜
桜「違いません」
”ゾウケン??これは先輩との話。お爺さまは無関係です”

"そんなことより私を"
桜「見てください先輩。私、最初から狂っていたんです」
"どうしようもないくらい、悪い人なんです"

士郎絶句
「さく・・ら・・・」

桜「私といると苦しいでしょう?」
”先輩が私を殺そうとした夜、実は起きてたんですよ”

桜「だから私、先輩の前から消えないといけなかった」
”先輩から離れることでしか解決しないんです”

桜「けど出来ないんです。私にとって嬉しいことは、先輩だけだから」
”どうしようもないくらい、先輩のことが好きなんです。先輩のいない世界なんて考えられない”

桜「先輩は私から離れられない。これ以上自分を裏切ることが出来ないから」
”そうですよね?先輩。。。違うと言ってください”

士郎、絶句

桜、少しだけ驚いたような、困惑したような、微妙な表情。

桜、悲しそうな(残念そうな)表情。



ごめんなさい。
悲しそうな顔の理由の前に、長くなりすぎたので、続きは別のNoteにまとめます。

一人称って、なかなか減らせないですね・・・。
桜、黒桜の表記揺れ等ご容赦ください。

続きはこちらから













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