小児がん寛解から7年

  ~水戸ホーリーホックとの出会い~

2014年2月13日。忘れもしない。我が家の長男が『難治性小児がん神経芽腫stage4』と診断された日。節分あたりから体調悪くなり、10日くらいで小児がんの診断。目の前真っ暗に…

初めて聞く病名。シングルマザーで2人の子と暮らしていたし、頭の中「娘はどうする?仕事は?息子はどうなる?」ばかり…とりあえず病気について調べようとネットを見ると、同じ病気でお空に旅立った子達について書かれたブログ…予後が悪いとの記事。
見ちゃだめだと本脳ではわかっていたものの見てしまって落ち込む日々…
息子の場合、長期生存率は50%以下。まだ4歳。なんで?どうして???

気持ちの整理がつかないまま抗がん剤治療開始。
娘は実家の父に預け(母は胃癌で私が14歳の時に他界)、仕事はとりあえずしばらく休み。後からわかったことだが、会社の社長のご厚意で長期休業扱いではなく、欠勤扱いにしてくれていていつでも出勤できるようにしてくれていたみたい。本当に周りの人に感謝しかない。

『シスプラチン』をはじめ、たくさんの抗がん剤。5クール。長い闘いが始まった。脱毛、吐き気…見てられなかった…


入院直後…

段々治療を嫌がるようになってきた…そりゃそうだよね、気持ち悪くなるんだし。どうしたらいいのか…そんな時、病院で夏祭りが開催されることに!!!
お出かけできず、ずっと病院にいてなんの楽しみもなく…
敷地内だけど外に出てお祭り楽しめる!息子も笑顔に!よかったー!
日中詳しく話を聞いたら水戸ホーリーホックの選手にホーリーくん、みとちゃんも来てくれる!
娘を迎えに行きながらサイン色紙を購入(笑)
でも…ごめんなさい。このとき正直に言うと…『何で鹿島じゃんだー!』と内心思ってました…
でもね???この考え、夕方から始まった夏祭りで簡単に覆されました。
だって…どの子供たちも笑顔!みんなめちゃくちゃ笑顔!選手と写真撮ってサイン貰って…見てるだけで泣きそうになったし、あの時から選手の距離の近さ、今も受け継いでるんだろうなぁ…

その日から息子も治療頑張るって言ってくれるようになり、夢は『ドクターヘリ』から『サッカー選手』に変わったんだよなぁ(笑)

それからすぐに自家末梢血移植。これがまた辛そうで…口内炎だらけになり横にもなれず、座ったまま寝る日々。でもね??私には当り散らしても、ホーリーホックの話になるとニコニコになったんだよ。本当に凄いんだよ。また会いたいなぁっていつも話してて…

それから8時間の手術、放射線治療…

放射線治療…

経験しないとわからなかったたくさんの治療。

『普通に家族がそろって笑顔でいられる日常』が一番幸せってことに気付かされた日々。

2014年2月から2015年6月に退院するまで何回か水戸ホーリーホックの方々が来てくれて、そのたびに元気を貰って…いつかお礼をしたいとずっと考えてた。

退院後、免疫力低いから落ち着くまでは人混みにも行けず、血小板が低すぎて毎週末輸血に通院し…サッカーをやれる日が来るんだろうかと思う日々。
それでも少ないお小遣いでホーリーホックグッズを少しずつ集めてた。あの日の出会いは息子にとっても私にとっても忘れられない。命の恩人。本当に。

そんな日々が続き…2020東京オリンピック。これだと思ってすぐに聖火リレーに応募した。神経芽腫についてみんなに知ってもらいたい、頑張ればゴールは必ずあると伝えたい。NHKさんから取材依頼がありホーリーホックについてもお話して…まさかそれを見てホーリーホックさんから連絡くるなんて…サプライズで本間選手が来るなんて…泣いた。
でも…きちんと初めてお礼を言えた。ずっとずっと言いたくて言えなかったお礼が言えた。またまたこちらが元気を貰ってしまったけど(笑)

今中2の息子。サッカー部に入部してFWとして頑張ってる。腎臓が1つだけしかなくて背中から体当たりされたらヤバイとか大怪我に注意とか、サッカーやるには制限あるけれど、大好きなサッカーを頑張ってる息子を見て…家族がみんな笑顔で生活してる姿を見て…『幸せだなぁ』と実感している。

部活があり毎試合見には行けないけれど、行けるときは観戦に。水戸ホーリーホックに元気を貰ってるからこそ、パワーを送りたい。

水戸ホーリーホックにパワーを貰ってる人はたくさんいると思う。それぞれ背景は違うけど、応援したい気持ちは同じ。
今、こども病院に入院している子達はコロナ禍で外部との交流もきっと制限されてて当時よりもしかしたら大変な思いをしているかもしれない。何か楽しみを見つけて前を向いて治療してほしい。頑張ってるから頑張ってとは言わないよ。みんな頑張ってる。

院内にあったサインボール

水戸ホーリーホックの皆様。
今ちょっと踏ん張り時だろうし、大変な時期だと思います。
けれど、ピッチで戦う姿、そしてサイン会やピッチ外活動。皆様の姿を見て元気をもらい、救われてる人もたくさんいます。目には見えないから実感できてないかもしれませんが必ずいます。我が家がそうです。命を救われ、今も家族みんなのパワーの源です。
本当にありがとうございます。これからも応援しています。

人って欲張りだから今の幸せよりもっとたくさんの幸せを望んでしまう。だけど、『家族が普通に過ごしている日常』が、一番幸せなことなんだよと伝えたい。 
コロナ禍で大変な時期だけど、止まない雨はないし、雨が止んだときにキレイな虹が見られるように前を向いて歩きたいと思う。
 
R.4.4.27

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