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自宅でプロレベルの音楽制作ができるようになるには⑤モニター監視【制作編】

こんにちは。今回は、モニターの方法についてです。
僕自身本当に頭を悩まされていた記憶が鮮明にまだ残っています。本当にDTMerにとっての七不思議にもなり得るであろう、こっちで聞くといいのにあっちで聞くとだめ、といった問題に対処するのは、想像絶する大変さがありました。

しかし、今ではその問題を自分自身で随分と解決できるようにもなり、今回はその方法についてなるべくコンパクトにまとめていきたいと思います。

以下に挙げる手段を使用して、制作を行えば、より効率的に制作環境を整えて制作にフォーカスできるようになるのではないでしょうか。

1.2mix時からラウドネスメーターを監視する。

音楽制作時、Mixや音色選びを進める上で、リファレンスと比較をされていることと思います。(されていない方は、一度ぜひ比較しながら制作することを検討してみてください)

2mix制作の段階で、皆さんはリファレンスとオリジナル曲のLUFS値の監視を行なっていますか。

非常に精度の高いものとしてプラグインはこちらが有名ですね。内蔵標準のものだとムラがあったりしますが、そういったことも少なく、使い勝手がいいのでおすすめです。

リファレンスと比べると、おそらく多くの場合は、リファレンスの方がLUFS値が小さいのに、実際に聞こえてくる音は大きくて太い(自分の音源の方がLUFS値が大きのに、実際になっている音は小さく聞こえる)という現象に陥っていると思います。

あるいは、音量感を合わせて聴いてみると、LUFS値がリファレンス音源の方が小さく、オリジナルの方が大きい、ということになっているのではないでしょうか。

これだと、実際の配信プラットフォームで再生するとき、さらに自身の制作音源の音量が小さくなってしまい、差は開くばかりですよね。

そしてほぼ十中八九、2mix時にこの問題をある程度クリアできていなければ、マスタリングで音を音を太く大きくしていくのは大変難しいです。

ですので、2mix作成時から、LUFS値をなるべく近い値になるようにミックスするということを心がけていただくと、よりプロのような音源が制作できるようになります。

200hzから500hzあたりをもう1db程度カットできそうなトラックはないでしょうか。あるいは、Busトラックに挿しているコンプレッサーのレシオ値をもう少し上げてみると、何かいい方向に音が変化してくれるかもしれません。基本的に、ほぼコンプレッサー、またはEQでの設定が命です。

または、サチュレーションで必要以上に低域をブーストしてしまっていないかも確認してみてください。

2.モノラル再生での音量バランスを比較調整する

これは、2mix時でもMastering時でも使える手段の一つです。基本、制作時はステレオ環境で音源を聴いていると思いますので、どこかおざなりになりがちですが、これも侮れません。

どこか別の再生機器で聴いて違うな、となる根本的な原因の一つとも考えられますので、マストで行なってみてください。

概要編で少し述べさせていただきましたが、やはり多くのライトなリスナーの方は、スマホのスピーカーで聞くことも多いと思いますから、スマホスピーカーでも再生状態を確認を行いたいというのが理想です。ただし、いちいち書き出して、クラウドに上げて、スマホで再生なんて手間がかかることをやってられません。

そんな時、Stereo Outのトラックに、ステレオ感を調整できるプラグインを挿入してモノラルモードに切り替えて確認することで、手間も省くことができます。(スマホスピーカーはモノラル、またはそれに近いため)

そしておそらく初めのうちは、モノラルにしたらこんなにバランスが崩壊していて、プロの音源はこんなに整っている、という事実に驚くのではないでしょうか。

僕はそうでした。笑

モノラルの音像感を調整する際は、ただボリュームを調整するよりも、MSモードのEQを使って丁寧に調整する必要があります。
ただし、それによってステレオで聴いていた時のバランスは崩すことなく調整ができると思います。試してみてください。

3.最低でも2パターンの再生環境を併用する

こちらも概要編で少し触っていますが、やはり一つの再生環境に依存するのは危険です。

自宅でプロレベルの音楽制作というコンセプトで簡易的な提案になりますが、MDR-7506とアップル純正イヤホンの組み合わせは、非常にハイレベルです。これで問題なく制作することができます。本当です。総額15000円程。

少し大袈裟になってしまいましたが、基本的にはモニターとして売られている再生機器での調整、そして最終的な微調整では普段聞き馴染みのあるもので確認し、数dBを調整する、という流れが無駄も少なくて済むと考えています。

どのような再生機器の組み合わせを利用するのかにより、若干作業内容は個人差が出てくると思います(それぞれの再生機器を使用している際、どの帯域に特に注目するのか等)が、ここは慣れも必要な部分ですね。

重複しますが、モニターで全体的にフラットに調整したら、観賞用の再生機器が得意としている帯域を微調整する、というのが非常に有効ではないでしょうか。

4.Tonal Balance Controlを購入し、周波数帯域を監視、調整する

本当に、アイゾトープ様は神です。
プラグインの音も非常に綺麗に処理してくれますし、何よりハイレベルな音楽制作の民主化の大きな立役者ではないでしょうか。

少し脱線指定しまいましたが、Tonal Balance Controlは必須で入手してください。ジャンルを選定し音源を読み込んだら、飛び出ている帯域、または窪んでいる帯域を確認し、EQやマルチバンドコンプレッサーなどで補填しましょう。

想像以上にハイカットも重要であるということを、ここから僕は知りました。

以上、4つのモニター手段についてでした。なかなか情報も少なく、時間もかかることのうちの一つだと思います。少しでも制作の役に立てていれば幸いです。

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