見出し画像

某アイドルフェスの出場権争奪トーナメント決勝に行ってきたじゃむよ!

ペンと情緒でぶん殴れ!

どうも、特典会で言われたら好きになっちゃうフレーズは「ツイート面白いよね」な篠岡です。

語感とリズムで秒で決めた書き出しなので微塵もペンは持ってないですが、いつも通り陰湿な顔でカタカタとキーボードを打っていこうと思います。

さて今日はいつもの不定期便の雑記スタイルを一旦お休みして、タイトルのとおり夏に開催を控えた某アイドルフェスの出場権争奪トーナメントの決勝ライブに行ってきた話を書いていこうと思うじゃむよ!

ただとある事情により今回どのフェスのイベントに行ってきたかは伏せるじゃむ!

これは決してイベ運営に対するドロついたお気持ちセンテンスを含んでいるからとか、抑えきれない罵詈雑言をチラシ裏的に書くためにエゴサ避けしている訳ではないので、その辺はゴリゴリに安心して欲しいじゃむよ!

それでは早速行ってみようじゃむ!

ヲタク宣誓~お気持ち表明に代えて~

「ま~た@JAMかい」となじり続けて幾星霜。

毎年梅雨の湿気より半歩先に届く不快指数a.k.a「出場権争奪トーナメントやるやで~」という各フェス運営の公式発表。

そこで飛び出すお決まりフレーズ「ファンの皆様の投票で○○が決まります!」は、京言葉でいう「ぶぶ漬けどず」=「はよ帰れや」と同じロジックで「お前らの大事な推しを人質に小銭大銭搾ったるからな!」にヲタク脳内で自動変換されるというのはもはや有名な話。

かくして暴虐の限りが尽くされる様を前にただ手をこまねいて見ている事しかできないヲタク達。

見る見る間に緑は枯れ、大地は渇き、海は干上がり、D代は上がる。

そんな数々の悲劇の元凶にして、この諸悪の根源のシステムこそ「課金レース」である。

このシステムがなぜ〇ソかというのは既に百億回言ってきたので多くは割愛するが、星の数ほどある理由から強いて2点だけ挙げれば「本来シーンの中で循環してカルチャー全体の発展に寄与するはずだった金銭が外部へ流れる」、「アイドルヲタクがドルヲタ趣味自体を嫌いになる危険性がある」というところだろう。

前者については、本来ヲタク各々の好きなメンバーやグループのために使われるはずの金銭がよく分からん企画で外部に吸い出されるリスクから、後者については内心不満を抱えつつも推しの為に金銭を割いて応援した挙句、それ相応の結果が伴わなかった場合に当人に残される虚無感でヲタクが”アイドルヲタク”という趣味自体を苦しく感じて手放してしまうリスクが根底にある。

特に後者については目に見える数字として表れるものではなく、音もなく消えていく業界全体の損失なので、この点を無視して令和の世にいまだに嬉々として賞レースを仕掛けている輩を観測するにつけ、シーン全体の寿命を削って目先の小銭にすり替えようとする目の敵に思えて仕方ない、というのがひとまずの僕のスタンスでありんす。

ただ最近はそうした感覚がアイドルやヲタクの間に浸透してきたこともあり、なし崩し的にそうした企画に参加した場合でも「無理して課金しなくていい」という共通認識が一般的になってきた部分もあるし、逆にアイドル陣営側がこうした課金系の企画にどのようなスタンスを取るかがヲタクが応援するグループを決める上での判断材料の一つになっているきらいもある。

その辺の前提も加味した上で以降の文章を読んでもらえるとありがたいじゃむ。

(そもそも思考停止でただ金払って簡単に手に入ったものが長くメンバーやグループの為になった事例を聞いたことがないので、動員や認知度や説得力等、アイドルにとって本当に大事な基礎体力は魔法の杖を諦めて地道に努力して培っていくしかないのだろうと不肖ヲタクは思うわけです)

ROAD to @JAM EXPO 2023について

ってなわけでまず本企画のザックリとした概要としては「今年エントリーした全40組の中から予選会を経て選ばれた10組がお台場のZeppDiverCityで決勝戦ライブを行い、そこで得たポイントの上位3組が晴れて夏の@JAMへの出場権を獲得できる」というもの。


予選会の告知画像

そしてこの決勝ライブに現下の僕の推しグループであるところの「I to U $CREAMing!!(アイトゥユースクリーミング)」、略してアユスクも出場し、見事予選を勝ち抜いて決勝に駒を進めたという事で、イベ当日の5/27は素直に応援したい気持ちをパンパンにカバンに詰めた一方でフェス運営のやり方に対して言いたいけど言えないことを山ほど抱えたままポイポイズンズンお台場に向かった。

I to U $CREAMing!!

ちなみにお台場に行くのが超久々だった筆者はゆりかもめの下車駅を間違えて、会場最寄りの台場駅でなく一個前のお台場海浜公園駅から無駄に歩いたのだけど、短い足で頑張って徒歩ってどうにか数組あったお目当てグループの出番にギリ間に合うタイミングで到着した。

以降は簡単なライブレポに続くが、いかんせん2時間近くあるイベントで始終ライブを観て全組分のレポを書き上げるような体力とパトスはもうこの老体にはないので、上記したお目当て数組のみを取り上げることをご容赦いただきたい。

ジエメイ

最初のお目当てとして観たのは名古屋発・オルタナティブロックアイドルを標榜する4人組「ジエメイ」。

ジエメイ

この日10組中3番目の出順だったジエメイの出番に合わせて会場入りした僕は、そこそこの客入りの隙間を縫って下手脇の最前付近にポジショニング。

なおジエメイについては生でライブを観るのはこの日が初めてだったものの、相互フォロワーさんの布教などから興味を持ち、事前にサブスクやMVで代表曲をいくつか把握していた程度だった。

事前の印象としてはとにかく“強い音楽をやっているグループ”という一言で、裏を返せば「曲や歌詞が強気なほどその音楽を演っている演者の力が弱いとミスマッチで不格好に見えるだろうな」という懸念があったのだが、実際にライブを生で観てその推測は杞憂に終わった。

登場SE明け、目が覚めるような爆音に乗せて始まったライブ。

攻撃的なライティングの中心に据えられた大モニターに映る生き生きとしたメンバーの表情。

歌唱には終始黎鮫ワナさんのシャウト混じりの小気味いい煽りが入り、それに呼応してステージ前方中央部に集まったファン達が血気盛んに歓声を上げた。

その後も結成から若干1年というキャリアの浅さを感じさせない熱量と練度の同居したステージで会場に爪痕を残していくジエメイを見て、初見ながら心惹かれ知らない曲にも自然と体が動いている自分がいた。

個人技の誤魔化しが効かない4人編成ながら、ソロもユニゾンもシャウトもラップもロングトーンも何ら不安さを感じさせない安定した歌唱力を見せて進むライブの説得力。

そうして大舞台に物怖じせず会場全体を包み込むような勇ましいアクトでノンストップ4曲MCなしという攻めの15分尺を走り切ったジエメイ。

音楽を介して熱量を交換しながら、ファンであるかどうかを問わずその場に立ち会った全員を全肯定して空間ごと昇華させるような壮大なステージングに魅了された。

願わくば夏の野外フェスで汗だくになりながら拳を上げてまた観たい。


I to U $CREAMing!!

続いては個人的な大本命「I to U $CREAMing!!」

昨今珍しい2人組かつ、結成からメンバー変動なく活動歴5年を数える苦労人の実力派。

思えば最近で2人組って珍しいですよね。

個人的には完全セルフプロデュースならではのトライアンドエラーのサイクルの速さが魅力で、一つ一つのライブや情報発信における細かな変化に惹かれるものがある。

そんなアユスクに僕がハマったのは昨2022年末頃なので、あまり偉そうに知った口を聞ける歴はないものの、逆に言えば僕が見始めてからの半年間だけでも様々な点で成長と変化を見せてくれた今まさに上り調子なグループである。

そんなアユスクの2人はお馴染みのSEに合わせて静かにZDCのステージに登場。

ライブは1曲目の『dramatic anthem』から鮮烈に幕を開けた。

日頃セトリの最後に組まれることが多い本曲の意表を突いたトッパー起用に沸き立つ客席。

アユスクなりのアイドル哲学が込められた文字通りのアンセムにファンの熱量はいきなり最高潮。

1サビが終わり既に興奮に浮かされたファンが2メロを待っているとそこで唐突に曲が終了し、引いていくアウトロを聞きながらいま披露されたのがショートverだったことに気づく。

余韻に浸る間もなく次曲「マジカリ・モノポリズム」が流れだし、ロングverのイントロSEに乗せて二人の自己紹介が差し込まれる。

「I to U のI担当・哀原ななです」「I to U のU担当・有未りんです」というシンプルなフレーズで思い入れある名前を紹介したのち、小気味よいリズムに合わせ会場全体へクラップを求める2人。

そうして観衆の視線を更に集めたところで曲本編がスタート。

横幅のあるステージを広々と使いながら会場全体に視線を振り撒いていく。

最前から目視で見たところ舞台の場ミリは両翼6番まであり、他のグループがおよそ4番付近までしかスペースを使えていなかったところを、アユスクは2人組にしてきっちり5~6番の間まで使えていたので事前準備の手抜かりの無さを感じた。

そうしてキャッチーなリズムと語感が癖になるマジカリのアウトロが引いた刹那、続く展開に意表を突かれハッとする。

攻め曲が続いたステージへ一服の清涼剤のように響いたメルヘンな歌い出しは、三曲目『Welcome to the Luminous World』の始まりを告げた。

以前から抑揚あるセトリ構成を重視していると公言してきたアユスク。

ただ、こうした決勝ライブの15分尺という条件を思えば、頭から最後まで強い曲を詰め込んで少しでも観客の印象に残りたいと考えるのが普通だろう。

それでもあえて鉄板曲として日々のライブを支え続けるアンセムをショートverに調整してまで、この3曲目に毛色の違うルミナスを組み込んできたことの胆力と思い切りの良さ、そして何より自分達の楽曲を心から信じているからこそできる芸当に心を打たれた。

曲終盤の「大好きだよ」という歌詞を笑顔で客席に歌いかけながら、さきほどまでの熱量溢れた会場を多幸感で染め上げたアユスク。

この時点でファンは既にお腹一杯という雰囲気だったのだが、更にそこへ始まったダメ押しの一曲。

2人組という個性が映える振付とポップでロマンティックな曲調が愛らしい『Wonder moon』の先導で、目下自己ベストと名高い予選会のライブを更新する最高のフィナーレが始まった。

あくまで既存ファン視点で語るなら、こうして絶対に勝てる流れを作ってから絶対に勝てる曲を歌うことのなんと容易そうで難しいことかと噛み締める。

それでも二人は綿密に練られた15分尺を最大限に活かしつつ、これまで幾度となく磨き続けてきたライブパフォーマンスの粋をこの大舞台で余すところなく発揮して、大袈裟じゃなく全てが噛み合った奇跡のような数分間を作り上げていた。

そうしてメンバー・ファンともに大満足の笑顔に包まれながらライブは終了し、暗転するステージを観ながら僕は一つ幸せな溜息をついた。

comme moi

最後に書くのは最近グループ名を「com」から改名した「comme moi(コムモア)」

comme moi

先述した2グループのように威勢のいい音楽で煽り立てるでもなければ、ポップでビビットな楽曲で観衆をノせていくでもない。

ただその柔らかく繊細な音楽で場を包むスタイルは、この日の出演者に限らず現下のアイドルシーンを見渡しても稀有な存在に思える。

ジャンケンでいえばグーでもチョキでもなくパーのような個性を持つグループだと、まだ認識して日も浅い僕などは思うのだけど、その点言ってしまえば他グループと違って分かりやすく“熱量”を表現することに不向きに見えたcomme moiがこの日のステージをどう作るのだろうという興味があり、まだ数回しか生でライブを見た事もない身ながら恐る恐る最前付近に陣取って4人のステージに視線を注いだ。

こぞって先手を取りに来た他のグループ群とは対照的に、ライブは穏やかに『By My Side』からスタート。

暗闇を裂くように舞台中央へ柔らかく差したスポットライトから、キラキラと暖かいcomme moiの世界が広がっていくのが分かった。

次いでメンバーの陽凪響子さんの「皆さん手を!」という真っすぐな呼び掛けに自然と反応していく客席。

穏やかな中にいくつもの感情と感傷が去来するポエティックな舞台表現を前に、自然と心惹かれていくのが分かる。

続く2曲目は『Make my day』

オシャレで可愛らしい曲調の中、油断した頃に突然2メロで故郷の母からの言葉が差し込まれる歌詞世界に野生のハロプロイズムを感じて凄く好きな曲です。

そして3曲目『Everlasting』。

絶えず優しい空気感の中でメンバーやファンが回す水色のタオルは、初夏の風を全身で喜ぶ風車のような爽やかさで会場を彩る。

そこには居丈高に全力疾走を見せつけるような荒々しさはまるでなく、どこまでも客席と歩調を合わせた愉快な行進の一歩一歩を堪能するような4人の微笑ましい意気が見えた。

そして迎えた最後の曲は『この指トマレ』

再度暗転したステージの上、微かに差す逆光を受けてこの日最も激しい振付を踊る4人のシルエットが凛々しく浮かび上がる。

細かく鋭いピアノの音が無数に散りばめられた鍵盤ロック調の本曲ながら、そこにはただ闇雲に急き立てるような息苦しさはなく、むしろ抑揚を効かせて音楽を遊ぶ余裕と可憐さが、楽しそうに揺れる4人の深紅の衣装にあまりにも合っていた。

こうして愛らしくも気高い15分間を作り上げたcomme moi に会場からは暖かい拍手が溢れ、それに応えた4人の自己紹介と挨拶を以てライブは幕を閉じた。

(そしてこれは完全に蛇足ながら、フィナーレの多幸感に目頭を熱くしてる様子だった陽凪響子さんがギリ涙を耐えきってライブをやり切ったところで逆に僕の涙腺は限界を迎えた。だけど、涙が出ちゃう…中高年だもん!)

エンディングと野次

そんなこんなで全10組のライブを終え(紹介できなかったグループさんスマン)、会場組と配信組の一斉投票タイムを経て、イベントはとうとう大詰めとなる結果発表へ。

この日の全出演グループが甲子園の始球式よろしく縦一列で一斉にステージに登場すると、出順5番目のアユスクがしっかりセンターを位置取っていることに気付きここでも謎の運の向きを感じた。

そして審査員票、配信票、会場票の順番に得点が発表され、最終順位の上位3組は1位「蛍」、2位「I to U $CREAMing!!」、3位「りんご娘」と決まった。

かくしてアユスク念願の@JAMへの出場が決まったのである。やったねアユスク!

(欲をいえばジエメイさんとコムモアちゃんも通って欲しかったけどね!けどね!)

ところで(急転換)この辺は細かく拾えばもっと情緒を掻き立てるようなシーンなんだろうけど、ひとまず性格のヒネくれた僕はどこぞの誰かも分からん審査員がアユスクに投じた票の理由が「2人組にも関わらずフロアの注目を集めていたので~」というもので、「それ自分らが毎年フェス本編で頼ってる坂とかの前で同じこと言えんのか?」と思ったし、1位のグループに対するコメントも「パフォーマンスが上がっていたので」というもので、「いや全組今日のアクトだけで比較しろや。そんなん自分が特定のグループだけ前から思い入れ持って観てたから成長とか変化みたいな差分に気づいて勝手に気持ちよくなっちゃってるだけじゃねぇか、公平さの欠片もないわ、まず全組のチェキ券を買え、指紋が無くなるまでふぁぼを送れ、味噌汁で顔洗ってパンケチャの手首の返し方から勉強し直して来いボケコラ」などと思ったものの、そんなブラッディな感情はおくびにも出さずただただ凡ヲタの顔つきでタイミングだけ外さないようにステージへ灰色の拍手を送った。

…とまぁ、ここまで読んでくれた物好きな皆さんならとうにお分かりのように、ツッコミ所を上げればキリがないこのイベント()だが、あえて数少ない感謝を述べるとしたら、課金というダークマターを練り込んだ大罪は再来世まで恨み倒すのは当然ながら、各グループのメンバー/ファン/スタッフさんが一つの目標に向かって一丸となる機会を作ってくれたこと、そしてそんな数々のグループを並列に見て新たな興味に出会える場を生み出してくれたこと、この二点に関してだけ言えば雀の涙ほどの謝意を表したいとは思う。

あんがとよ。

そんなこんなで、途中で挫折しそうになりながら何日にも分けて書いた駄文長文なので、当然のように箇所ごとで全然テンションが違っていて、それはそれは読みづらかっただろうけど、健気に完走してくれた皆さんお付き合いありがとうございました。

普段は花言葉にまつわるポエムの本ばかり読んでいる僕なのに柄にもなく汚い言葉をたくさん使ってChu!ごめんね。

ではでは、これを読んでいるヲタクの皆さんが各自の現場で幸せな夏を過ごせますよう願いを込めて、雑にこのnoteを終えようと思います。

それでは最後にキレイに〆させていただきます!

せ~のっ…

TIF最高!!!!!!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?