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2023/02/26雑記

先日、僕が応援していたクロスノエシスが無期限の活動休止を発表しました。

この件、「最近あまり現場に行けてなかった身で熱心なファンの皆さんと同じ温度感で悲しむのは虫がいいな」などと(こんな時までお前って奴ぁ…)みたいな余計な客観はありつつも、なんだかんだ結成から終わりまでを見届けたグループは自分のヲタ歴の中でも数えるほどしかないので、最初に発表を見た時は流石に固まりました。

ただ悲しいかな、応援してきたグループが終わる経験は自分も一度や二度ではないので、回を重ねるごとに、こういう時にどう思考を整理してどう対処するのが好ましいのかも薄々分かってきたつもりです。

もっと言えば、もし僕がこれまでの経験を活かせずにここで悪い取り乱し方をしてしまったら、これまで最後を見届けてきた推し箱や推しメンの頑張りを無にしてしまうし、そんな大切な人達から何を学んできたのか、と言う話になってしまうので、こういう時こそ冷静かつ前向きに心を整えていきたいと思っています。

上記を踏まえて、こうした悲しい発表が出てしまった以上、近しい立場の人に自分から言えることは一つで、結論として『時間』以外の薬はありません。

いつか応援していた推しメンや推しグループの活動に終止符が打たれてからは、時間が経って自分の中で記憶が曖昧になればなるほど、良くも悪くも思い出は美化されていくし、同時に応援を純粋に楽しめなかった時期やヲタ活に伴う葛藤などの苦い記憶は徐々にろ過されて消えていきます。

それは綺麗なことであると同時に悲しい気もしますが、人間は忘れることで前に進める生き物なので、素直に受け入れるべきことだと思います。

それにどんなに細かいことを忘れても、鮮烈に心に残っているライブの感覚や帰り道で何度も反芻した推しメンとのやり取りは、心配しなくても一生忘れないし、忘れることができないものだと思います。

その一方で、あまりライブに行かなかった時期に悔いはあるかと聞かれれば、もちろん「全くない」とは言えないけれど、単純に生活の中で応援をするだけの余裕が持てなかったり、また正直な話、メンバーやグループに思い入れがあるほど、動員や箱の規模といった明確な指標としての足踏み感を苦しく感じてしまい、そこから逃げるように新たな興味に走りがちな自分の性格や行動の癖も嫌と言うほど理解しているつもりです。

なので、仮に時間を巻き戻せてもまた同じようなことをするだけだと思うので、半ば意地を張りつつ言うなら、やっぱり僕に悔いはありません。

またこういう時って、自分の好きなメンバーやグループを愛してくれなかった世の中や世界に恨みを持って、厭世的な気持ちになったりしがちだと思うのですが、仮に自分の好きなグループに見向きもしない世間のその他大勢を「センスのない奴らめ」とどれだけ非難したところで、そんな自分も別界隈にいる似たような人達にとってみれば「センスのないその他大勢」の一人なわけです。

(なので、自分の推し箱から悲しいお知らせが出たからといって、隣で楽しそうに今後の告知をしている別グループを嫉妬で憎んだりしちゃダメだなと思います。そういう近しいグループとの見えない支え合いの中で自分の推し箱がこれまで続いてきたわけだし、そもそも以前どこかで別グループの解散発表が出た時に、同じく自分達も隣で無神経に楽しくヲタ活してた可能性もあるので。その辺はお互い様ってことで)

それに、こうして自分から大好きなグループを奪うのがこの世界だとしても、そもそも自分をそんな大好きなグループと出会わせてくれたのも同じくこの世界なのだと改めて思います。

だから、こうして考えれば考えるほど乱れた感情は静かに消えていくし、人知れず奇跡のような時間を過ごせていた幸運に気付いては、そんな時間を創ってきてくれた人達への感謝を噛み締めるばかりです。

さいごに

僕はアイドルの解散や卒業の報に触れる度に、昔話のかぐや姫を思い出します。

誰もが知る悲しい別れで幕を閉じるあの物語が古来より日本人に愛され続けてきたように、アイドルの卒業や解散も、その結末が当事者達にとって悲しい風景であればあるほど、逆説的にその過程がいかに幸せなものだったかを示してくれるような気がします。

クロスノエシスについては、正直言って広く世の支持を集めることなく終わりの日が決まってしまったことは残念ですが、メンバーや運営さんの中で「この形で世に示したい」という理想や哲学がはっきりとあって、その拘りを通すために決して安易な大衆ウケや商業主義に走らず、最後まで自分達の軸をブレさせなかったこと、誰にも媚びずに最後まで自分達の目指すものを追求し続けた姿勢は、身内贔屓を抜きにしても非常に格好良いものだったと一ファンとして胸を張って自慢できます。

そして終わりが決まったことで逆に未来への不安が立ち消えた今、ラストライブまでの期間はこれまで以上に研ぎ澄まされたパフォーマンスが観られることを楽しみにしています。

僕もそれを目に焼き付けて、今後の人生の糧にしたいなと、今は呑気にそんなことを考えています。

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