#M21 SPEED「Long Way Home」

SPEEDは1990年代後半にJ-POPを席巻した女子4人のダンスグループですね……って私が紹介するまでもないので、彼女たちのプロフィールなんかは書きませんが。

今回は「Long Way Home」です。
1999年に発売された初期SPEEDのラストシングルです(後に幾度か再結成をする)。

デビューシングル「BODY&SOUL」からヒットしたSPEEDは
そのグループ名どおり圧倒的なスピードでチャート上位を駆け抜けていき
「STEADY」「White Love」「my graduation」といったミリオンセラーも記録し、
リアルタイムでその姿をメディアを通して見ていた私にも圧倒的な輝きを感じられました。

当時の女子中学生や女子高生はカラオケでSPEED歌いまくってましたからね。

1997年に「White Love」1998年に「my graduation」がミリオン、映画出演も果たし、これからもSPEEDは輝き続けていくのだろうと思っていたのですが
1999年10月に解散を発表します。
ラストシングルとして発売されたのが「Long Way Home」です。

これまでのシングルとは違い、時代の流れもあったのかR&Bの流れを汲み、
4人それぞれのソロパートがちゃんとあり、
しっとりとした大人の雰囲気を見せていました。
解散と絡めて聴くと歌詞こそ未来への可能性を歌いつつも
少し寂しい印象となった曲でした。

どこかにあるはずの永遠は結局私には見つかりませんでした……。

さてこの曲は、いわゆる「解散」っぽさを感じさせなくもないですが
あまり「解散」の曲としては浸透しておらず
再結成のときなどでもこの曲が触れられるケースは少ない気がします。
直後にオリジナルアルバムが発売されますし、
ミュージックステーションで最後に歌ってた「Starting Over」のほうが一般的な最後の曲として印象が強いような気がします。

既には島袋寛子、上原多香子、新垣仁絵はソロシングルを発売していて
今井絵理子も2000年には活動を開始していくことになり
新しい彼女たちをすぐに見ることができて、そこまで遠くなってしまった感がないせいもあるかもしれません。
(ヒトエちゃんはだいぶ遠くなっていった気もしますが……)

すぐに次の形態へと移ってしまったこともあるのか、
変換期の狭間のような扱いとなり、
「Long Way Home」は名曲なのに、SPEEDの歴史の中で影が薄い……気がします。
勿体ない。。。


元気で弾けるような十代の輝きを歌ったのが今までのSPEEDだったのなら
この曲は大人となる二十代の彼女たちの序章となる予定だった曲だったのかなぁと思います。
もしもSPEEDが2000年以降も続いていたら、
この形の進化した彼女たちを見ることができたのかもしれません。

この曲が発売される半年ほど前に
SPEEDは「Breakin' out to the morning」でミュージックステーションに出演していました。
その同じ週にモーニング娘。も出演していました(「真夏の光線」だったのかな……)。

1999年の後半、遂にモーニング娘。の人気が大爆発し
時代は新たなる局面を迎えていくことになります。

時代の境目のような共演だったなと今なら思います。

大人になったSPEEDのメンバーも個々でいろいろあるようですが
あの頃見せていた輝きや可能性が消えるものではないし
大人になった今でも、彼女たちの曲を聴けばその当時の記憶を引っ張り出してくれるほどに
私の十代に深く絡むグループだったなと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?