#M28 SMAP「夜空ノムコウ」

共通一次が終わる頃になるとこの歌を思い出します。
ちょっと前までは「センター試験」なんて呼ばれてましたが
センターの前も「共通一次」って呼ばれてましたよね。

自分が受けた試験名で年齢というか、世代がわかるようになっていくわけですね。。。

さて「夜空ノムコウ」。

SMAPの代表曲として挙げられるナンバーで
ミリオンセラーも記録した大ヒット曲です。

私が初めて聴いたのは1996年の「ミュージックステーションスーパーライブ」だったと思います。
まだ発売前だった「夜空ノムコウ」をSMAPが「PEACE!」と共に歌っていました。

初めて聴いたときは
「この曲なんだ? すごくいいけど……『PEACE!」のカップリング? アルバム?」
と「夜空ノムコウ」自体を知らなかったので、TSUTAYAに行って
SMAPの全アルバムなどを調べた記憶がありますw

インターネットがいまほど流通していなかった時代、音楽番組や音楽雑誌、TSUTAYAが情報源だったこともありました……

ようやくSMAPの新曲だったことがわかり、
レンタル開始初日に借りてきた記憶があります(どこかでも書きましたが当時バイトもしていない十代の私にCDを買うのは厳しかった)

冬の哀愁が漂う切ない歌詞がいまでも記憶から消えていくことはなく
当時スガシカオが書いた歌詞の世界観が
あの頃のスガシカオの年齢を追い抜いた今でも胸に深く刺さり
「すべてが思うほどうまくはいかない」っていう言葉は深いなと思います。

借りてきたCDを自分の部屋で聴きながら泣きそうになり
カセットテープ(!)に録音して外出時も聴いていました。
人生の行き先を見失っていた頃にこの曲の歌詞は胸に染みていくようでした。

白い息を吐きながら、凍った雪が覆うアスファルトを歩きながら、この曲を口ずさみながら歩きました。

いかにも十代のような先の見えない恋愛ごっこをして
勉強も中途半端で
終わってしまった部活のことを思い出しては後悔する日々でした。

あの頃の自分が何かを信じてたとするならば
きっと未来はどうにかなるぐらいのことで具体的なものは何も描けていませんでした。
悲しみっていつかは消えるのかと言えば「消えることはない」が答えで
ただ少し優しい傷になることもあるよっては言いたいかな。
10年近くかかるわけだけど。

一度たりとも思い描くことのなかった未来――2024年――に立っている今の私の姿を
この曲が発売された1998年の私が見たらどう思うのでしょうか。

失望されるのか、喜んでくれるのか、聞けるものなら聞いてみたいですが
2024年の私から言えることは
「あの歌のとおり、すべてが思うようにはいかないみたいだよ。でも、十代の頃から積み上げてきたものがあったから今も生きていられるよ」
ということでしょうか。
あの頃の日々も決して無駄ではなかったと伝えてあげたいです。

あれから20年以上の月日が流れ、
SMAPももういない未来に私は立っています。

そんな未来でも「夜空ノムコウ」を聴くたびに
あの頃のことを思い出して
少し痛みが癒された記憶を思い出したりしています。


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