絶対に仕事でやるべきアメリカ🇺🇸で学んだ5つのこと

私のアメリカ事業の立ち上げはアメリカ滞在2年と9ヶ月を経て、失敗という形で儚く散ることとなりました。悔しさをぶつけたツイート「絶対に仕事でやるべきアメリカで学んだ5つのこと」で初のバズり。アメリカでの学びの集大成ともいえるツイートで、その想いがみなさまにも届いたのかな、と。

ツイートでは伝えきれなかった、背景にあるアメリカのビジネス現場で経験したことやそこから感じた日米の違いをご紹介することで、このツイートの理解をより深めていただき、組織作りや仕事のやり方を変える何かヒントになれば幸いです。

この5つの順番は、アメリカ人やアメリカ企業を通じて、日本企業に足りないと感じたものの中で、日本でも絶対にやるべきと考えた優先順位です。以下に、順番にご説明していこうと思います。

1)組織や役職の責任・役割明確化

会社のリソースをどうアメリカ市場向けに引っ張ってこれるか、これが立ち上げ時に日本本社とバチバチやっていたことであり、駐在員としては一般的な光景でもあります。

アメリカに力を入れるという経営方針があるなら、そんなことする必要があるの?いやあるんです。経営戦略の半ば理想論的なところと現場の温度感は差異があり、やはり日本市場が一番なのは日本の担当者レベルでは当たり前のこと。

特に立ち上げ時は新しい市場に対する責任・役割が曖昧になりやすく、日本企業における組織の成り立ち上の特徴でもあるかもしれませんが、

担当者レベルであっても意思決定に影響があり
 担当者を含めた組織的な意思決定をどうさせるか
最終意思決定者は結局誰なのかが不明確なため
 意思決定したと思えたことすら曖昧になる

といった観点が経営戦略通り実行することをとても難しいものにしています。これは私の経験だけではなく、日系企業の駐在員の方々と話すと、頻繁に聞く話でもあったりもします。

このような状況は私がアメリカ事業を進める上での頭痛の種でもあったため、海外事業が大成功している大企業のローカライゼーションの考えについても外部の方に聞いてみました。それが↓のツイート。

大成功している会社でもレベル感は異なりますが、同じような事情は残っていて、グローバルでビジネスを展開する真っ只中にいるビジネスパーソンも同様の戦いをしているということがわかってきました。

それと比較して、アメリカ企業に営業をしていてよく聞かれたのは、

「それは私の権限ではないから、XXさんを紹介するよ」
「意思決定はXXさんがするから、彼に当たらないとダメだよ」

というフレーズ。組織の中での役割や意思決定する人が明確であり、それが故のトップアプローチが主流のアメリカの営業スタイルは頷けます。

私が日本で営業していた時から感じていた日本企業の意思決定の遅さは、「組織や役職の責任・役割明確化」されていないことが原因だということがアメリカで仕事をして確信に変わってきました。

曖昧さは責任が発生しないが故に、残したがる人間も多いです。そうした負のパワーを断ち切って明確化できるか、はマネジメントの責任。社員は経営陣ほど多くのことに主体性はない訳で、どれだけアメリカが重要であろうが、担当者にとっては足元が重要なのです。

今回の経験を経て、担当者を責めることはできないことであり、組織設計に手をつけられていないマネジメントの問題なのだ、と捉えるようになりました。だからこそ、これから自分が組織を作る時に、

・組織として意思決定のスピードを
 どれだけ早くできるかという観点で組織設計すること
・上記実現のためにも、各人の役割を
 明確にすることを徹底すること

を自分の中でルール化することにしました。

2)兼任根絶

日本では名刺で(兼)を見ることも、また組織図で何人も同じ名前を見ることも少なくありません。ともすれば、日本では兼任自体がたくさん仕事をしていたり、新しいことをしている象徴とも見られがちな風潮はありますが、多くの人がどっちつかずで本来的な仕事をしていないように思います。

アメリカ企業ではまずこうした兼務を聞いたことがありません。アメリカ人社員に聞くと「?」という顔をし、概念として存在しないことに気付かさせれます。

兼務をする理由として、人材がいないなど色々な言い訳は存在するでしょう。ただ、これは

社内の人間にエンパワーメントを放棄している
    or
足りない人材を採用せずに事業している

と同義であるため、つまるところいずれかの事業は本気で取り組んでいないことと同義だと考えています。日本企業でみる兼任の悪しき文化は曖昧さを生む根源となっているため、今すぐ整理すべきことの1つです。これも下記のツイートのように意思決定スピードを遅らせる要因でもあります。

実は私自身アメリカに行く前に兼務の罠にハマっています。

1年ほど国内チームのマネジメントとアメリカの立ち上げの兼務をしていましたが、「主」と「副」ができ、1時点ではどちらかの仕事が明らかにおろそかになってしまっていました。これでは何もかも中途半端になる、翌年には国内のチームを手放し、アメリカの立ち上げ一本にコミットしたのです。

この経験に、アメリカで働いた経験も加わり、特に意思決定スピードを遅くさせる兼務への弊害をより強く感じるようになりました。したがって、

・自分自身の兼務は禁止事項
・組織づくりの中でも兼務を絶対禁止事項

と、自分ルールを定めています。

3)MAX3段階の意思決定フロー

資本政策を除く多くのことは、当事者・当事者の上司・その部を管理する責任者の3者で良質な意思決定が可能だと思っています。

私自身何度か経験のある営業終盤での大どんでん返し。なるほどと思う理由はごくわずかで、重箱の隅を突くもの、門外漢なのに意思決定に口を挟むもの、など枚挙に暇がありません。これらは単純に意思決定のスピードを遅らせるだけで、意思決定の質を上げるものではないことを常々感じていました。

そして、私自身がこれからお話しするアメリカでの経験を通じてそれは確信となりました。

アメリカ立ち上げ1年目、大手企業向けの新規開拓で実績を出してきた営業手法は全く通用せず、米国では相当Digital Marketingに投資しないとアポさえ取れない構造が見えてきていました。投資をするにあたって、ある一定の投資が必要であるため、予算を取りに行く必要があります。

意思決定フローには米国ビジネスから遠い関係者もおり、0から説明しなければ、日本が常識である人には理解が難しいのです。もっと突っ込んで言えば、アメリカ事情を相手にインプットするだけで、何も有効なフィードバックはなく、意味のない時間を投資しているといっても過言ではありません。

正しい理解がされていないと、贅沢言ってるんじゃない的な議論となり、全く話が進まない、、、結局、承認を取るまで数ヶ月と相当な時間を費やすことになりました。このように事情に精通しない部外者が入れば入るほど意思決定は遅れるわけです。

こうした話でよく話題になるのが、

意思決定の質派 VS 意思決定のスピード派

という議論。私の経験で言えば、意思決定フローの中で有益なアドバイスをもらえて、私自身の提案の質がブラッシュアップされたのは直接事業に関係する関係者からの意見だけであって、間接的な人間からは一切ありませんでした。単純に意思決定スピードが遅れるデメリットだけが発生します。

こうした点から、私個人は圧倒的に「意思決定のスピード派」であると共に、私はアメリカでこのツイート↓の話を聞いて、

更に危機感を募らせました。そこで、

・自分の組織からでも意思決定のスピードを
 究極にこだわり、フローは3段階以下に設定
・これらのフローを組織全体に波及

という意思決定フローへのこだわりを強くしたわけです。

4)無駄な会議排除

意思決定がプロセスが不明瞭なことによる目的が謎の情報共有や根回し的会議が増えるのが日本の特徴。1)、2)、3)がしっかりと構築されていれば必然的に開くべき会議は減ります

アメリカ人に限らず、時間感度の高いビジネスパーソンであれば、

「その会議の目的は何か、そもそも開く意味があるのか」
「その会議に自分が必要か」

ということを自問自答し、疑問があれば直接質問してきます。

ふと興味が湧いたので、世界のテックカンパニーでは会議にどんなルールがあるのかと調べてみたところ、

このツイートのように、会議は迅速な意思決定のための場であり、それに必要な準備やメンバー設定などが意識されており、必要最低限の会議でどう効果的な意思決定をするか、各社のこだわりが見えます。

私のケースであれば、日米で時差がある状況で開催できる会議は限られます。アメリカの社員にとって明らかに出席に値しない会議もいくつかあり、私の独断で不参加を決めたこともありました。本質的にどんな会議を日米ですべきか否か、より考えさせられたのがアメリカでの経験でもあります。

こうした経験を通して、私の中で生まれたルールは

「意思決定」と「ディスカッション」以外の会議は廃止

すること、ほとんど支障はでないと思っています。情報共有は会議である必要がなく、最も無駄な会議なので、漫然とやってしまっている会議は一旦ガンガン廃止してみることをお勧めします。

(個人ではなかなか会議文化の改革をすることは難しい面もあるので、
 個人レベルでの工夫はこちらのツイートをご参照まで)

5)Web会議のフル活用

アメリカは住むとより実感しますが、恐ろしく国土が広いんです。ランチ🌮ですら車で移動します。どこへ行くでも1時間ドライブ。こうした経験をすると、東京を中心に日本の都市が特異な発展を遂げていることに気付かされます。

そして、国土の広さの違いが様々な日米の差異に影響しているんじゃないかとすら思います。Web 会議の活用度の違いもそのうちの1つです。

日本は特に都市圏は顧客や同僚も移動すればすごく近くにいて、それが故にface to faceの打ち合わせが重要視されていますが、それができるほどアメリカ国内は近くないのです。

東西移動するにも飛行機で6時間かかり、時差3時間もあり、そして私のいたカリフォルニア州でいっても日本の国土よりも大きいなどなど、移動に対してものすごくコストがかかるのがアメリカです。その問題解決からWeb会議の活用が日本より進むのはごく当然の流れなのです。

それに加え、アメリカは銃社会であるためにオフィスに見知らぬ人を気軽に招き入れません。何か起きたら、許可した人の責任問題になるため、いきなり訪問されることを嫌がります。

それもあってアメリカではテレカンファレンスやWeb会議が一般的に普及していて、日本とは大きな差がある現状です。このGAPは、生産性とも繋がっていることは、アメリカのオフィスで日本人とアメリカ人の営業活動の差を見ても明らかでした。

日本人は全てのお客様のところへ足繁く通い、アメリカ人は電話・Web会議を多用し、最終局面で直接訪問するなどうまく使い分けています。移動をなくせば、どれだけ時間を有効に使えるのか、改めて検証してみることをオススメします。

何も明日から全てをテレビ会議にせよ、というのではなく、

・相手を見て徐々にWeb会議に移行

をするだけでも、1つの会議で1時間くらいは削減できます。それが積み上がっていくことで週・月の数時間が生まれます。移動は仕事じゃないことを日本人はもっと意識すべきなんです。

まとめ🌮

2年半強、アメリカのLAに住み、その短い期間ですら、日米の違いをすごく感じました。なぜ違うのか、その裏にはどんな文化が流れているのか、を考えながら、紐解いてきたつもりですが、まだまだわかっていないことはたくさんある中での帰国となってしまいました。

ただ、そんな短期間でも、アメリカの強さの源泉となっている「意思決定スピード」やそれを実現可能にする「組織設計」の重要性を私自身感じ取ることができたことがとても財産になりました。その中でより厳選したもの、それが「絶対に仕事でやるべきアメリカで学んだ5つのこと」です。

今回お読みいただいたみなさまが私がアメリカで感じたことと同じように、今の仕事のやり方を変えるべきだ!という原動力をこの記事から得ることができたら幸いです。


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野村修平

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