最大「多様」の最大幸福 The Greatest happiness of The Greatest “Diversity”

10月29日にデジタル庁の方針を検討するWGにて、有識者としてプレゼンテーションを行ってきました。既に多くの方々の打ち込みにより、基本事項は共有されているので、更に未来をみて今回のポイントは2つです。

1.国や行政のあり方を問い直す
デジタル化はあくまでも手段であり、アナログのデジタル化という点だけに囚われると失敗する。デジタルという選択肢の中で、国の新しいあり方を考えるべき。その中で最も重要なコンセプトの1つが、最大多数の最大幸福(The Greatest Happiness of The Greatest Number)から、最大「多様」の最大幸福(The Greatest happiness of The Greatest “Diversity”)への転換だ。今までは、効率性の観点から個別化を行うことは困難であったが、データとAIの活用により個別化と包摂を目指すことができる様になった。今が、新しい国のあり方を問い直す重要な時期である。


2.データ共同利用権(仮称)
これまで社会を駆動してきた石油などの消費財と、データはa.同時利用可能であること、b.複製可能であること、c.利用目的によって価値が変動すること、など様々な観点で財としての性質が異なる。このデータを排他的所有を前提にしたルールのみで運用することは限界がある。データの共同利用権を新しく確立した上で、1.人々を軸にしたデータ活用、2.プライバシーの保護、c.データアクセス権の確立、d.追跡可能性の保障や透明性の担保など同意以外の方法での本人の権利保護、が必要である。


今回このコンセプトを考えるにあたって、表現の精緻化にご協力頂いた、博報堂の堂上さん、原田さんに心より御礼を申し上げます。またデータ共同利用権の精緻化においては、東京大学の米村先生、第四次産業革命日本センターの藤田先生とディスカッションし検討させて頂きました。お二人にも深く御礼申し上げます。

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