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Le vrai visage de la paix 《平和のほんとうの顔》 訳詩

本公演のテーマでもあるLe vrai visage de la paix《平和のほんとうの顔》。ポール・エリュアールによる詩の日本語訳全文を掲載します。
訳は当団メンバーで、フランスに音楽家としてのたいせつなルーツの一つをもつ、浜田広志さんによるものです。




私は鳩が巣を作るすべての場所を知っている
そのうちでもっとも自然なのは人間の頭だ。

正義と自由への愛は
素晴らしい果実を実らせた
決して腐ることのない果実
なぜならそれは幸福の味がするから。

地がみのりをもたらしますように
地が花を咲かせますように
そして生きた肉と血が
決して犠牲となりませんように。

人間の顔が
美の有用性を知りますように
思慮の翼のもとに。

「全ての人にパンを 全ての人にバラを」
私達は​みな​誓いを立てた
私達は巨人の歩みで進んでゆく
そうすれば道はさほど遠くはない。

私達は休まず行くだろう 眠らず行くだろう
夜明けや春に先んじて
そして準備するだろう
私達の夢に沿った日々と季節を。

存在しうる全ての善を信じる という
白く輝く悟り。

平和のとりことなった人は希望の冠を戴く。

平和のとりことなった人は あらゆる戦いの後に
いつも微笑みを浮かべている それを求める者のために。

豊穣な火 穀物の 人の手の ことばの
喜びの火は灯り ひとつひとつの心は温められる。

勝利は団結にかかっている。

拡がりには限界がない。

ひとりひとりが勝者となるだろう。

叡智は天井に吊り下げられている
そしてその眼差しはクリスタルのランプのような額から注がれる。

光はゆっくりと地に降り注ぐ
最も古くからある額を照らし
鎖の恐怖より解放された子供たちの笑顔へと 光は射していく。

なんと長い間 人間は人間を怖がらせてきただろうか
そしてその頭に住む鳩を怖がらせてきただろうか。

陽の光に顔を洗ったあと
人間は生きなければならない
生かさなければならない そして人間は愛によって結びつけられる
未来に結びつけられる。

私の幸福、それは私達の幸福
私の太陽、それは私達の太陽
私達は生を分かち合う
空間と時間は全ての者に与えられているのだ。

翼を広げよ、美しい顔よ
世界に聡くあれと命じよ
なぜなら私達はほんとうの姿になるのだから。

私達はともにほんとうの姿になる 努力によって
闇を溶かし去ろうとする私達の意志によって
新しい光に輝きわたる道のりのうちに。

力は少しずつ軽くなっていくだろう
私達はよりよく息をするだろう 私達はより高らかに歌うだろう。


詩: ポール・エリュアール (1951)
訳: 浜田広志 (2022)


vocalconsort initium ; 6th concert - Le vrai visage de la paix -
11/22 Tue. 19:15〜
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