おんなのこが生まれた日3

「天使うさぎ〜天使の理由」不定期掌編

「でもさ、天使になったのは、やっぱりぷーくんが変わっていたから?」と、男は改めて聞いた。
ぷーくんはうさぎだった頃から変わっていた。犬派や猫派には信じられないかも知れないが…

トイレはすぐに覚えた。
名前を呼ぶとすっ飛んできた。
男が家に帰ってくると玄関まで走って迎えに来た。
仰向け抱っこが大好きで、抱き上げるまでずっと足の周りをぐるぐる回っていた。
夜寝るとき、男の部屋のドアを少しだけ開けておくと器用にドアを広げて部屋に入り、ベッドに飛び乗って男の横で気持ちよさそうに添い寝してきた。
野菜やペレットも大好きだけど何といってもポッキーに目がなかった(普通、うさぎには絶対にあげてはいけない)。

「おっちゃんだって変わっていたくせに失敬な。あのね、他の動物にとても強く想われた動物は天使になるんだよ。だからぼくが天使になったのはおっちゃんのせいでもあるんだよ」と、ぷーくんが答えると、男は反論した。
「自分が可愛がっていた動物に強い想いを抱いている人はたくさんいるじゃない。それじゃあ世界中が天使の動物だらけになるんじゃないの?」
「おっちゃん。一体世界がどれだけ広くて、その広い世界がどれだけたくさんあるのか知っている?おっちゃんと再会できたのは、地球でたった一つの兎の糞を見つけるぐらい珍しいことなんだよ」

「そうなんだ…じゃあ、新太に感謝だね」