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2019年、夏、移籍


今年、夏移籍が例年以上にザワザワしています。
数だけでなく各クラブの主力や有望な若手の移籍が多く寝耳に水の移籍が多いように感じます。
気になったのでどんな感じで選手の移動が行われているのかを調べてみました(数えるの全て手動のため細かなところ間違えてるかもしれません)。


各クラブのINとOUTの数を「どこから」と「どこに」をJ1、J2、J3、海外、その他でまとめた表がこれです(2019/8/8 12時時点)
見にくいし拡大してもらう必要はないです。この後いくつか要点を見ながら傾向を見ていきたいと思います。


数は増えたのか?

まずそもそも移籍の総数が増えたのか?という確認です。

夏移籍の総数は2018年は270件。2019年は232件。実はまだ昨年の数は抜いていません。まだ一週間ありますからね。

ただ去年との明確な違いが一つあります。
今年はJ2クラブとJ3クラブの移籍が減りJ1クラブの移籍が増えているということです。
J1で移籍起きれば当然玉突きの影響も大きくなりますね。

どこに移籍した?どこから移籍した?

普通はカテゴリが近いところでの移籍が起きやすく、J1からはJ1とJ2への移籍が多く、J2からはJ1〜J3に、J3からはJ2とJ3への移籍が多くなるはずです。

全体のINとOUT、そしてその差を確認します。

INOUTの差に差が出ているところが一か所あります。J1からJ2への移動が多い割にJ2からJ1が少ないということです。
結果的にINOUT差が18人。傾向は2018年も近いのですが今年はより差が開いています。


そして海外も気になりますね。
海外だけを抜粋したものがこちらです。

昨年のJ1はINの方が7人多かったのですが今年は1人。これはそのままOUTの多さを表しています。

安部裕葵、天野純、安西幸輝、北川航也、久保建英、シュミットダニエル、菅原由勢、鈴木優磨、中村敬斗、前田大然など多くの日本人選手が海外に旅立ちました。
結果としてJ1からの移籍の20%以上が海外となりました。ちなみに去年は18.8%だったので3.6%上がってます。

ただここはもちろん海外に出ているばかりではなく海外からも来ていますね。
ただ今までINつまり助っ人が多かったのが、OUTも追いついたのはJ全体が海外から評価されているということでしょう。

誰が移籍したのか?

数だけではないですね。中身もびっくりする移籍が多い夏でした。

最初に軽く触れた通り、今年は出場時間の長い中心選手が移籍しています。

仙台に在籍していたシュミットダニエル選手はGKで20節までプレーしてたので出場時間が多いですし、他の選手ももっと早くに移籍している選手やFPだったりと考えると相当な出場時間ですね。
パトリック選手も今年は出場少なかったものの昨年の得点ランキング2位、インパクトは大きいです。

さらに五輪世代の移籍ですね。
久保建英  FC東京→レアル・マドリード
安部裕葵  鹿島アントラーズ→バルセロナ
前田大然  松本山雅FC→マリティモ
中村敬斗  ガンバ大阪→トゥエンテ
相馬勇紀  名古屋グランパス→鹿島アントラーズ

加えて中村俊輔選手や今野選手と代表経験豊富なベテランの移籍もありました。


つまり、
J1からの移籍が多く日本人の海外移籍も活発。
主力、五輪世代の移籍が多く、ビッグネームの移籍もあった。

みたいなところが2019年の夏移籍の傾向かなと思います。これだけ要素重なればそりゃザワザワするよなっていう。


おまけ

ちょっと気になった仮説をいくつか見てみたいと思います。
監督が変わると選手も変わる?
優勝争い、残留争いで獲得が増える?
U23チームを持つクラブは放出が増える?
みたいなところです。母数が多いわけではないので参考程度に、、、


監督が変わると選手も変わる?

自分が監督の立場ならシーズン途中から残留目指して指揮を握ることになったら選手集めたくなりますよね(実際は監督が移籍の全権握っているなんてことは稀ですが。)

じゃあ実際にクラブは選手獲得に動いているのか。
今年監督交代があったクラブの移籍の数をピックアップしてみました。

若干ですが監督交代があったチームは入れ替わりも多い気がしますね。

浦和や千葉は入れ替えが少ないですが、この2チームのように戦力が豊富なクラブは「選手は揃っているから監督交代で歯車が噛み合えば」という判断もあるかと思います。昨年もガンバ大阪がそうでしたね。

新潟は監督交代も早く、その後連敗もあったものの最近盛り返してきて手ごたえは感じていて入れ替えの必要がないという判断なのかもしれません。
東京Vも最近監督交代があったばかりなので、そこにかけるという判断をしているかもしれません。

優勝争い、残留争いで獲得が増える?

監督交代はリカバリー策の一つなので、目標達成を選手獲得だけで叶えようというクラブも当然あります。むしろチーム作りに継続性に間違いがないという判断で、課題も明確ならこっちの方がリスクは少ないでしょう。

ここは獲得だけで見てみます。
前半終了時点でのリーグ順位と獲得人数がこちらです。

当然ですがJ1もJ2も残留争いのクラブに獲得が多いに傾向がみてとれますね。ここは多く語るまでもないでしょう。

優勝争いと昇格争いをしているクラブも中位に位置するクラブよりは多めです。特にJ1への昇格争いですね。
優勝争いの方では数を取るというよりは東京の三田選手など、今のやりかたをキープするために足りないところを補うピンポイントの補強が目立ちますね。

U23チームを持つクラブは放出が増える?

来季までで収束するJ3のU23。この夏タイミングでトップの人員削減というのは少し脈絡が薄いかもしれませんが少し気になりました。
こちらではアウトの数を見てみますが、ガンバ大阪が9人、FC東京が6人、セレッソ大阪が3人。J1の平均が4.2なので結構多めかもしれないですね。

最後に

本当はクラブの深掘りもしたかったしお金のところにも踏み込んてやりたかったのですが、ちょっと力尽きたので今回はこれくらいにしてウインドウが閉まった時に余力あれば、、、


あと最初に表を拡大した人や察しのいい人は気づいたかもしれません。実は今INとOUTの数がクラブごとに揃っていません。

そして選手INOUTの差が目立つのはJ2に多く移動したJ1のクラブ。
この夏の移籍はまだまだ終わらないかもしれません。


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