【パス分析】ベガルタ仙台のボランチコンビ(椎橋・松下)

Twitterで絡みあるかたも、noteで読んでくださってるかたも、はじめましてのかたもこんにちは。
Kと申します。

今回polestarさんの呼びかけで、パス分析というものに挑戦してみました。

自分は分析畑ではないのですが、こう色んな形でサッカーをわかりやすく身近に広めていこうって動きすごくいいなと思うんですよね。
それがチームを跨いでって尚更素敵じゃないかと思います。そんなわけで、レビューなどは慣れてないのですがやってみることにしました。

ちなみに普段、というより最近はベガルタ仙台のことを中心にnoteをあげています。
今は現地観戦のことが中心ですが、今後J全体でいろんなこと書いていこうと思うので、お時間がありましたら是非読んであげてください。

さて前置きはこれくらいにして、ぶっちゃけ他にされるかたを知って「なんで軽はずみにやるって言っちゃったんだろう?」と若干後悔しながらのスタートです。

一番の目的は「ボランチのパス傾向を知る→試合を見るのが楽しくなる」です。なので構成は
1.選んだ選手の比較
2.その上でちょっとだけ磐田戦を振り返り
って感じです。

稚拙な文かと思いますが生暖かく読んでいただけたら幸いです。

選んだ二人

今年神戸から移籍加入し三田再来との前評判も、開幕直後はなかなか出番がなかった松下佳貴。
昨年チームの主軸に名乗りをあげるも、開幕前に怪我をして復帰が待たれていた椎橋慧也
今回対象としたのはこの二人の選手です。

松下と椎橋が2試合目のコンビを組むこととなったリーグ第12節磐田戦。結果は0-2の敗戦となってしまいましたが、この試合の二人のパスを分解してみます。

1.椎橋と松下ってどんな選手?

知らない人が読んでいるかもしれない前提で一応数字の前に簡単にプロフィールを。
詳しいかたは飛ばしてください。

椎橋慧也
21歳、177cm.69kg、2016入団
リーグ出場26試合(2018末時点)
元はMFの選手。仙台ではDFでの出場が多く、U21でもDF起用だった。昨シーズン途中から徐々にアンカーのポジションを掴む。
デジっちではリャンをいじれる貴重な存在。
今年インスタを謎の外国人に乗っ取られた。

松下佳貴
25歳、174cm.63kg、2016年神戸入団
リーグ出場40試合(2018末時点)
左サイドを中心に複数ポジションをこなす。
ルヴァンで結果を出しながら徐々に出番を増やし鹿島戦でリーグ初先発。11節のホーム広島戦では後半アディショナルの劇的弾でサポの心を掴む。
新婚。

インスタ戻ってよかったなと思います。


数字の確認
まずはパス数、成功率、パスの中身を確認します。

拡大できますが、見にくそうなところは念のため下にも記載します。

【トラップorダイレクトorフェイクバック】
椎橋:トラップ81.5%、ダイレクト16.7%、フェイクバック1.9%
松下:トラップ70.8%、ダイレクト27.1%、フェイクバック2.1%
【パスの意図】
椎橋:つなぎ59.3%、展開・縦パス31.5%、裏へ9.3%
松下:つなぎ64.6%、展開・縦パス31.3%、裏へ4.2%

パス数は椎橋が54本、松下が48本。決して多くはない数字でしょう。
成功率は松下が2.8%ほど上回っていました。
グラウンダーか浮き玉は二人の間にあまり違いはありません。
椎橋は積極的に裏を狙っていることがわかりますね(ここは成功率に影響があるかも)。
松下は利き足の左足でのプレーとダイレクトパスの比率が高いですね。

これだけだと違いがわからないのでプレーエリアを比較しながら詳しく見ていきたいと思います。

パスを出した位置、出した先
まずは磐田戦で「パスを出した位置」です。
カッコ無しがパス数の合計、カッコ有りがその内の失敗数です。

椎橋はピッチ全体に顔を出しますが、特に真ん中の3本のレーン内で幅広く上下してパスを出していることがわかります。
松下はセンターのエリアに偏りがありますが時折バイタル左後方からチャンスを作りにいきます。


次に「パスを出した先」

椎橋がパスを出す先として多かったのはセンターサークルの自軍側のエリアでした。触る場所が幅広かった割には少し意外です。次に多いのがペナルティエリア前への配球ですね。
一方、松下は比較的満遍なくフィールドを使っていることがわかります。松下の場合は出す位置が集中していたのを考えると逆に少し意外ですね。


パスを出す相手
受け手の選手を見てみます。

椎橋からの配球先上位5人
→蜂須賀、ジャーメイン 、常田、永戸、正也
松下からの配球先上位5人
→永戸、常田、石原、道渕、正也

これは仙台のビルドアップが基本的にはCBの二人とボランチの二人で行われるということが大きく影響していますね。
(ただ松下から蜂須賀へは入っていません。)
松下は中盤の前目でパスが多いですね。
「椎橋→松下」へのパスは4本入っているのに、「松下→椎橋」は2本。これも少し意外ですね。


パスの効果性
パスの効果性をレイヤーで見てみます。レイヤーって何ぞというかたは網掛けを読んでみてください。

【polestarさんの記事より引用】
守備側は3本のラインで守備ブロックを形成することが多いため、その奥行き(3本のラインのどこか)によってエリアを「第1レイヤー」~「第4レイヤー」として定義する。当然ながら守備ブロックは常に動くため、動的に変わるエリアを同じ基準で評価することができるのがこの考え方の良い点である。
(わかりやすくするために図中では”FW-MF間”などと書いているが、実際には選手のポジションは関係ない。あくまでも3本のラインの守備ブロックのうちのどのエリアであるか。)

つまり図はフィールドの中での位置ではありません。矢印は相手に対して「どれくらい嫌な位置」に侵入を試みてるかのイメージですね。

では二人のパスを見てみましょう。


これで見てもCBとボランチでビルドアップしてることはイメージがつきます。
同じレイヤー間でのパスの数はほぼ同じですが、
椎橋は松下と比べてレイヤーをあげるパスの数が多い。特に第1レイヤーからのボールは多いのは自身がCBラインに入りビルドアップに加担し、チームを前に押し上げているからですね。
松下は割合的に同じレイヤーでのパスが多いですね。

いったんここまでのことをまとめてみると、

椎橋は松下と比べて、
・フィールド全体に顔を出す。
・ビルドアップに加わることが多い。次いで松下へのパスも多め。
・センターサークル付近に当てる(戻す)ことが多い。
・レイヤーを前に動かすパスが多い。

松下は椎橋と比べて、
・ダイレクトプレーが多い。
・出す位置はセンターサークル前が多い。
・ピッチ全体に配球している。
・割合的に同じレイヤー間のパスが多い。

みたいなことが言えるかと思います。

また数字からは見えませんが、椎橋は背負っていても要求して受けにいく(同じ出し手にはたく)ことが多いですね。一見意味なさそうに見えて人を動かす面で大事なプレーです。
松下は決定機を作り出す2〜3手前に絡んでいることが多いですね。

なので、この二人がコンビを組んだ時は、
「ボールを集め、攻撃のスイッチを入れる椎橋」と「高めで散らして変化をつける松下」みたいな関係性になっているのではないでしょうか。


では、磐田戦の展開に合わせて二人の動きがどうだったかをもう少し見ていきます。

2.磐田戦の苦戦の理由


簡単な試合の流れとしては、
前半頭から磐田の攻勢が続き再三のピンチを招く仙台(0〜15分)、徐々に押し上げるも守備でのミスもあり失点。失点からより仙台が攻勢に出るも得点に結びつかずにさらに失点(15〜30分)、それ以降はまた磐田ペースに(30〜45分)。
後半は仙台が切り崩しにかかるも磐田ブロックを崩しきれず。

前半が全てでした。

広島戦は相手が引いたことで自分達の自由な時間が長かったのもありますが、磐田戦では逆に前半のバタバタ感が目立ってしまいました。

今回集計した数字からは前半二つのことが見えてきます。
【1】二人のボールタッチできる時間とできない時間に差があった。
【2】ボールの奪いどころが低く、磐田ブロックを崩すパスが出せなかった。

一つずつ、見ていこうと思います。


【1】二人のボールタッチできる時間とできない時間に差があった。

これは試合を通じて言えることでしたが特に前半は顕著でした。

「時間帯別パス本数」を見てみます。
椎橋と松下を合計したものがこちら。

コロンブスの卵のような話になってしまいますが苦戦した前半の中でも特に噛み合っていなかった時間帯(0〜15分、30〜45分)、は2人のタッチが少なく、前半の他の時間や後半活気付いていた時間は2人が絡む機会が増えていったことがわかります。

松下は、椎橋以上にボールを触る回数にばらつきが見られます。変化をつけるはずの松下の頭上をボールが超えていくケースが多かったですね。
椎橋が触れているのは前半だいぶディフェンスラインに入っていたこともあります。

いずれにせよ、流れが悪い前半この二人が自由にボールにさわれなかったのは組み立てには影響が大きかったでしょう。


【2】ボールの奪いどころが低く、磐田ブロックを崩すパスが出せなかった。

もう一つはボールを奪う位置と出す位置です。
広島戦は前で奪えていましたが、なかなかこの試合はそうはいきませんでした。

特にカバーリングでディフェンスラインに入ることになる椎橋がわかりやすいでしょうか。
先ほどの「パスを出した位置」の図を前半と後半に分解したのがこちら。

前半の椎橋のパスを出す位置(攻撃方向→)

後半の椎橋のパスを出す位置(攻撃方向→)

前半は低い位置でのスタートになっていて、逆に後半は前に比重をかけられています。

レイヤーのパスも前後半で分解してみます。

前半

後半

比べてみると明らかに前半は後ろでボールを回す機会が多かったことがわかりますね。

この原因はシンプルで、特に前半はボールを奪う位置が低かったですね。
磐田の剥がしが上手かったのもありますが、前半相手の陣内で奪った回数は2回(広島戦は8回)。自軍でも奪うという形よりリスタートでの形が多かった。
押し込まれた結果、スイッチ役の椎橋が効果的な位置から遠ざけられ、変化をつける松下が飛ばされてしまった(それでもジャメがチャンスメークで孤軍奮闘してくれてましたが)。

これがパスから見える前半の苦戦要因かなと思います。


では改善した後半はなぜ点が取れなかったか?
ここは今回の分析と関係ないため簡単に。
実際見違えてよかったと思います。ただ磐田も守備の枚数をはっきりさせ対応してきました。
磐田は5-2-3と5-4-1が混ざってましたが後半は比較的5-4-1主体。ジャメがいなくなったことでサイドバックの二人が仕掛けるシーンが増えましたがうまくスペースをケアされてましたね。
仙台も徐々に攻略の糸口を掴みかけますが、最後は磐田が途中交代でフレッシュな選手投入とカウンターで時間を使われてタイムアップという結末でした。


現状、広島戦前半のように完全に引かれた相手を崩すことができるチームではありません。
またベガルタの場合、フォワードの選手に行ってこいのサッカーではなく、位置的優位・数的優位を作るサッカー。
だからありきたりですが先制点。そのために中盤高い位置で奪えるかは今後のチーム浮上の鍵になるのではないでしょうか。

あとがき

いや難しいですね。今回あまり分析というとこには掘り下げれてないなと思います。
ただもしこれで少し選手のこと知れたって人がいたら嬉しいですし、個人的にはやっていて楽しかったです。
データって仮説立てて見ることも大事だし、フラットに見ることも大事だし、導かれるものも正解かどうかは終わってみないとわからないですが、好きなチームを知る楽しみとして、また挑戦してみたいなと思います。
今回きっかけを作ってくれたpolestarさんに本当に感謝です。ありがとうございました。


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ハモンロペス イェー!イェオ!
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