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アメリカで出会った100の光景 No.31(大自然の絶景)人生を重ねてみたくなる砂漠の巨大なサボテン

アリゾナ州の乾いた白い山肌を彩る緑は、サボテンだ。特に目立っているのは、自分の倍もありそうな大きさのサワロと呼ばれるサボテン。
カウボーイの決闘シーンの後ろにあったら格好良さそうなサボテンが、ニョキニョキと山に生えている。あの、フォークのような、音叉のような、形のいいやつだ。自分の背の倍以上も高さがある。

サワロ国立公園のサボテンの間をぬうように作られているトレイルを歩いてみる。もちろんここは砂漠。サボテンに付き物の乾燥と暑さは、ずっとついて回る。真っ青な空の下、歩いているとくらくらしてくる。
サボテンは、木のような大きなものだけではなく、こんもりと丸い半球形のものや、緑のお煎餅を何枚かくっつけたような形のものまで種類も形も様々。トゲの太さも長さも密度も様々だ。
よろけるわけにはいかない。

この公園のメインともいえるのはサボテンの王様、サワロ。
まだ芽生えたばかりだとおぼしき小さいサワロが地面すれすれに生えているかと思えば、隣には繊維がわかるくらいスカスカになった真っ黒のサワロが倒れている。
りりしくスラッと立っているのはいかにも青年という感じ。肌のハリもよく、白いトゲが密集している。ちょっとでも触れたらケガをするぜ、とイキがっている感じがどうにも若い。
もう少し年期が入ったサボテンはふっくらとしていてトゲも落ち、フクロウに巣を作らせるくらいの包容力もある。






まるで人と同じように老いていくんだな。そう思うと、成長途中で雷に打たれたのか立ち枯れているサボテンのなんと悲しく映ること。

それにしても、他の人にまったく会わない。それに太陽が高い間にこの灼熱のトレイルを歩くのは、正直、消耗する。
ここは無理をせずに、一度退散して、夕焼け時にもう一度訪れてみることにした。

オレンジ色に染まる雲にサワロのシルエットが映える。
もっと見栄えのいいサワロはないかと欲を出してトレイルをうろうろ。しかし段々と辺りが暗くなってくると、足元も見づらくなる。ファインダーばかりを見つめていると、トレイルからはみ出て痛い目に遭うのでご注意を。


ちなみに、昼間にどこに行っていたかといえば、ツーソンという町のオールド・ツーソン・スタジオという西部劇のテーマパーク。西部劇の撮影場所であり、ガンマンショーなども見ることができる。日本でいえば、京都の東映太秦映画村のような感じだろうか。
なかなか楽しかった。


サワロ国立公園(アリゾナ州)
Saguaro National Park

オールド・ツーソン・スタジオ(アリゾナ州)
Old Tucson Studis 

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